ごうごうと音を立て、流れる川の前に居た。

しっかりと、弟の手を、握ってる。

私は、小学6年、弟は、小学4年。

親の勝手で、親戚の家に、預けられている。

親戚の家の、子供達の、私達、兄弟に浴びせられる、日々の暴力。

お手伝いさん変わりの、日常。

まだ、耐えた。

学校に、持って行く、弁当の中身は、空っぽ。

それでも、まだ、耐えた。

最後は、学校の、家庭科のブラウスを縫う課題の、教材の生地を買ってもらえなかった。

何度、懇願しても、叔母の口からは、あんたらの、お父さんから、いっこもお金送って来てないのだから!の一点張り!

私は、前の預かってもらってた、家の叔母から、この家に来る前に、お年玉とか貯めといたから、これを持って行きって言われ、この家の、叔母に渡してあった。

おばちゃん、前の家の、叔母さんから、預かって来たお金は?って聞いた。

すると、叔母は、そんなのとっくに、あんたらの食費で消えてるって言われた。

悔しかった。

学校の家庭科の先生に、なんて話そうと、心をよぎった。

とりあえず、お父ちゃんに手紙を書こうと思い、夜中隠れて、泣きながら、書いた。

その手紙は、涙で、ぐちゃぐちゃに濡れていた。

私には、バクチの為、こんな環境になっている憎しみの固まりのような父だったが、その父に、助けを、求めるしか、すべが思い当たらなかった。

いざ、郵便ポストに投函しようとしたら、その手を、叔母に捕まれた。後を、着けて来てたのである。

せっかんされても、もう一度、父への手紙を書いた。

今度は、わから無いように、投函出来た。

もう、自分達兄弟では、どう頑張っても、どうにもならない所に居た。

弟も一緒に、殴られてる。

殴られる事の意味さえわからなかった。

もう、駄目!このままだったら、生きている事の意味さえもう無い。

涙が、滝のように、流れた。

姉ちゃんと行こ。姉ちゃんとやったら、怖く無いやろ。って弟に訪ねた。弟も、泣きながら、うんと、答えた。

夜になるのを待ち、弟の手をしっかり握り、兄弟二人は、裏口から、川の方へと、急いで歩いていった。

道中、涙が溢れんばかりに流れていた。

何も、わから無い、弟は、しっかり私の手を握っていた。

やがて、ごうごうとうねりを上げなから、流れる川のたもとに、立っていた。

ここから、2人で、身を投げようとしていた。

これで、嫌な事、殴られて痛い事、お手伝いさん代わりに扱われる事、全てが、終わると思った。

毎日の日々の事を、思うと涙が、とめどなく、溢れ、弟の手を握って、身を投げようとした時、空を、見上げた。

満天の星空だった。

その中で、どの星にも、負けない位輝く星があった。

星を見ていると、ここには、ちゃんと見ていてくれているお天とう様がある。

もっと、私ら兄弟よりも苦しんでいる人が、いてる。

そう思うと、自然に、身を投げる事を止めようと思った。

神様は、ちゃんと見てくれてはる。

もう一度、生きて見よう。

そう思って、又、裏口から、何もなかったかのように、戻ってせんべい布団の、寝床に、入った。

きっとおてんとう様は、いてはる。

心もち、気持ちが楽になれたのと、あの、光輝く一点の、星の事は、一生忘れる事は、無い。

だから、今日、生かされている。