ずいぶん子供の頃の記憶です。。
お盆休みの終わり頃
灯籠流しをした。
祖父が亡くなり
初盆だったのではないかと思います。
記憶にあるのは
浴衣を着た綺麗なお姉さんや
ご家族で来られてる方が多く
大変混み合っていたように記憶しています。
何処からでも自由に流せるのではなく
こちらから、と場所が決まっていたと思います。
だから流すと直ぐにその場を離れ次の方が流す。
川に流された灯籠は
思いのほかゆっくりと流れ
ところどころで渋滞していました。
綺麗だなぁ。。
灯籠流しの意味も知らず
ただただ川面に浮かぶ灯籠が
綺麗で優しく見えた。。
暫く見ていると
川の中で(正確には川面に立って)
灯籠を覗き込んでいる男の人がいた。
何してるんだろう?
流れてくる灯籠を
ひとつひとつ覗き込んでいるのです。
何か探しているのかな?
何個も何個も灯籠を覗き込んでは
流し場と川横を歩く人たちに目をやり
また灯籠を覗き込む。。
「お父さん、あのお兄ちゃんは
何をしているの?」
お兄ちゃんは、20歳位の方かな?
という印象でした。
父は、「どこ?誰?」と。
私は川面を指差した。
父は何を言ってるんだと言う顔をして
「川に入ったら死んじゃうよ。だから誰もいない」と言い、私の手を引き寄せました。
父に引き寄せられながらも
私はそのお兄ちゃんを見ていたが
やがて通り過ぎたので見えなくなった。
次に、おじさんが川面に立って
何かを探しているようだった。
あれ?また人がいる。
危ないんじゃないの?と思いながら
また父に聞いてみた。
父は、変な顔をしながら
「さっきから何を言ってるんだ?」と
呆れた顔をしました。
子供心に
訊いちゃいけないんだ…と思った。。
そのおじさんは、ひとつの灯籠を
じっと見て、嬉しそうな
でも悲しみもあるような
例えようのない表情で
その灯籠を手に取りました。
正確には、灯籠自体は川面に浮いていたけど
何となく、おじさんが手にとり
抱きしめたような気がしたのです。
名前でも書いてるのかな?
自分のを見つけたのかな?
灯籠が何かも知らないのに
ぼんやりそんな事を思った。
おじさん良かったね😊
少し行くと、綺麗な白い浴衣を着た
お姉さんが川面に立って
先程までのお兄ちゃんや
おじさんと同じ事をしていた。
お姉さんは、あっという間に見つけたようで
静かに涙を流していました。
その顔は、少し嬉しいような寂しいような顔でした。
お姉さんは、スーとお空に消えていった。
次は…と、先の方に目を遣ると
急に父親と繋いでた手が
グイッと引っ張られた。。
どうやら川から離れて行くようです。
流された灯籠の数に比べると
川面に立つ人の数は少ないのですが。。
最初に見たお兄ちゃんは
無事に見つけられただろうか?
今も灯籠流しに行くと
川面に立って探す方は
まだいるのかな?
皆様は灯籠流しをされた経験はありますか?
お盆ですし、思い出したので書いてみました。
読んでくださりありがとうございました😊