思考をうばう仕組み? | ミエルモノとミエナイモノのあいだ

ミエルモノとミエナイモノのあいだ

個性的な子たちとの出会いが多い人生。発達障害・不登校・起立性調節障害・ギフテッドetc
サドベリー、シュタイナー教育に浅く広くかかわった後で、教育塾講師や小学校支援員を経験。「子どもの育ちをつぶさない」仲間を増やしていくことがいまの目標。

塾講師時代に不思議に思っていたことがありました。

例えば数学。
丸付けをして間違っていると
途中式も含め全部消してしまい、
赤ペンで模範解答を書き写して終わり!
という子があまりにも多かったのです。

「消さないで!」
「途中まであってるかもしれないよ!」
「どこで間違かちゃんと見てみようよ」
と注意しても、なかなかやめません。

それが、あまりにもたくさんの子がするのです。ママ友たちの子どもも、自分の娘もです。

小学校の授業をサポートしてみて
その理由がわかりました!
(うちの自治体の場合です)

小学校では単元が終わるごとに、
教科書に準拠したカラーテストとか業者テストとか言われるものをします。

ある算数のテスト。
Aちゃんは75点だったとします。
赤色ペンで75点と書かれたテストがも模範解答と一緒に返却されます。
子どもたちは解答を見ながらテスト直しをします。
間違えた場所を消して、新しく正しい答えを書き直すのです。
書き直し終わった子から、先生のところに並びます。
先生は青いペンで修正箇所の問題に丸つけして、青字で100点と書いた答案になるのです。

このとき、「なぜ間違えたのか?」「理解できたのか?」ということは問われません。
しかも、間違えた部分を全部消して正解を書き直すので、親は我が子が最初どのような解答をしたのかわかりません。

「最初は間違えたけれど、ちゃんと理解したのだろう」と安心してしまう人が多いと思います。私もそんな母親でしたら(笑)

子どもたちは毎日、漢字練習や算数ドリルの宿題をしつづけています。
「勉強=同じ作業を繰り返すこと」が勉強だと勘違いしかねません。

そんなこんなで、子どもたちの多くは、
「自分は何がわかっていないのか?」
「どうして間違えてしまったのか?」
「勉強って何をすることなのか?」
などがわからないまま中学へ進みます。

中学校の定期試験や模試などのテストは、
平均点60点に設定して作成されています。
数学だと単純な計算などの基本問題は
大問1くらいで、あとは応用問題です。
国語の実力テストや入試問題に至っては、
漢字の読みと書字は2問ずつしか出ません。

「小学校の時は算数が得意だったんですけど、中学校に入ったら急に苦手になって...」という親子が後を絶ちませんでした。

だって理解してきていないから。
だって考える習慣がないから。

どうして小学校1年生からこんなやり方を
させるのでしょうね。