発達障害と天才脳 その1 | ミエルモノとミエナイモノのあいだ

ミエルモノとミエナイモノのあいだ

個性的な子たちとの出会いが多い人生。発達障害・不登校・起立性調節障害・ギフテッドetc
サドベリー、シュタイナー教育に浅く広くかかわった後で、教育塾講師や小学校支援員を経験。「子どもの育ちをつぶさない」仲間を増やしていくことがいまの目標。

1年半くらい前のこと。
高校受験を控えた長男の数学に頭を抱えていました。
ありとあらゆる教材や教え方を試してみたものの、
中1の最初の単元である、「負の数」の計算から
つまづいている。

実は彼は小1の時、演算形式(2+3=5のように数式に
なったもの)に入った途端、つまづいてしまった。

生物に関して類まれな才能を持っている彼。
図鑑やテレビで見た生物は全てインプットされ、生き物と交信もしているように見える。
優しくて、いつも生物と人間の共生を考えているような子。

しかし、学校ではダメな子の烙印を押され続けました。

彼は、学校の勉強に対して、
・なぜそんなことをする必要があるのか?
・なぜ点数をとることを強要されるのか?
・大人が期待する答えを書くことの意味
などが理解できないようだった。

ところで、小学校高学年になると、
調べ学習というのが出てきます。
例えば「○×新聞」とかいうもの。
画用紙にタイトル、見出しがあって、箇条書きにしたり、図などを入れたりしてまとめます。

小5のある日、授業参観で学校に行くと、
息子の画用紙だけが貼られていない。
「こうきくんは、できなかったので貼れませんでした」と。

当時は、息子が読書量も知識量もすごいし、絵も上手なのに、なぜ新聞が書けないのかわからず、頭を抱えました。

実は発達障害と言われる子たちの多くは、すごい記憶力を持った子が多いんです。
長男も、博物館の展示も、テレビのCMも、まるで写真や動画のように記憶してしまう。
一度通った道は絶対迷わないという子も多いです。

でも一般の人は、たくさんの情報のほんの一部しか記憶できない。
だから、優先順位をつけて、自分にとって重要なものをピックアップする必要があるのです。

発達障害の子は、記憶容量も記憶形式も全然違う。

一般人の情報形式が主にTEXTだとすると、
発達障害の子たちの記憶形式は映像(MP4,MOV)、画像(JPGやBMP)なのかもしれない。

脳の記憶容量も、フロッピーディスクとメモリースティック
並みに違うかもしれない。

フロッピーディスクの容量って1MBなんですよ。
高画質の写真1枚すら入らないんです。

発達障害は障害なんかじゃない。
私たちよりはるかに未来の子。
彼らのほうが進化版なのだ。

息子や発達障害と言われる子が
Windows8搭載パソコンだとすれば、
先生や私たちの頭脳はまだMS-DOSレベル、
PC98時代のものなのかもしれない。

とすると今の教育は、
一太郎やLotus1-2-3時代のコンピューターの常識を、
Windows8の子どもに押し付けているようなもの。

動画をまるごと格納・再生できる頭脳なのに、
「大事な言葉を抜き出して箇条書きにしなさい」
と言われ、困惑して当然だと思います。

(2に続く)