受験シーズンも終盤に近付いてるのかな、
合格発表の話を見聞きするようになりました。
この歳になると涙腺が弱くなって、よそのお宅の話でもウルウルしちゃいます。
私は大学受験で1浪してますが、母に強要された大学受験であったこと、
かつ高2で文転したのもあって、半ば「予定通り」の浪人生活。
翌春に合格する保障などどこにもなく、かといって母に抗う勇気も気力もなく、
不安や苛立ちの入り混じった気持ちで毎日を過ごしていました。
それでも予備校は高校よりもずっと楽しくてね、余計な友達付き合いもないし、
授業はさすがプロだから面白い。
印象に残ってるのは小論文の先生。
時々おすすめの本を紹介してくれるんですが、なかでも岸田秀著「ものぐさ精神分析」は私に新たな世界を見せてくれた本になりました。
内容が難しくて、何度も何度も戻って読み返して。
理由のわからなかった生きづらさや母との葛藤、これらが生い立ちによるものだとようやくわかったんです。
細かな記述は覚えてないけど、「あなたは自分の力で親を乗り越えてきた」って感じの文章があって、思わず泣いてしまったことがありました。
誰でもなく、この本が私の心を救ってくれたんですね。
電車通学だったのが幸いして、むさぼるように岸田先生の著作をほぼ全て読破し、他にも世界史の本を読み漁り、浪人生活が一番読書をした時期でした。
あの先生と岸田先生の本との出会い。
浪人しなければ決して実現しませんでした。
翌春大学に合格したんですが、2年生主催の「新入生歓迎会」があったんです。
同じテーブルについた先輩たちを見て、「あ、この人達では合わなかったな」とふと思ったんです。
学年ごとの雰囲気ってありますけど、それが当時の私のキャラでは馴染めなかった。
だから浪人したのかと妙に納得しました。
あとは専門学校に社会人入学した時。
数年先に入学試験受けるつもりだったんですが、事務長さんに勧められて受験したら「補欠合格2位」だったんです。
手ぶらで受けたから当たり前ですよね。
それが数日後「辞退者が出て、繰り上げ合格です」って連絡がきたんです。
どうしようか迷いました。
お金も間に合ってないし、第一、職場になんて説明するの。
詳細はまた別記事にしようと思いますが、結局いろんな偶然と周りの応援もあって入学できたんです。
当時付き合ってたモラハラ彼氏からは「俺と会う時間が減るのをわかって、学校に入るってことやんな?だったら別れるわ」と、一方的に別れを告げられました(笑)
入学後は良い仲間に恵まれ、恩師や仲間と有意義な時間を過ごせたんです。
うつ病になって苦しかったけど、それでも目標に向かって生きたあの時が、人生で一番輝いてたなぁ。
あの時の高揚感は今でも鮮明に思い出せます。
2年生になって1年生と関わる出来事があったんですが、なんかやる気を感じない学年でしたね。
対人援助職に就こうとしてるのに、人にも物事にもこんなダルそうで大丈夫なのかとびっくり。
国試の合格率も下がったと聞いたので、「あの時入学してよかった」と感じました。
生きてたら予期しないことがいっぱいありますし
そもそも計画通りに生きられてる人ってどのぐらいいるんだって思うけど、
ずっと後になってから理由がわかるってことたくさんあるんですよね。
だから「失敗した」と思い過ぎる必要も、何としても理由を見つけようとする必要もないんです。
思い過ぎると執着になるし、それは分厚いフィルターになって、気づけるはずのものが気づけなくなってしまう。
「気づく」って思考じゃないんですね。
ある日、ふっと「あ、そっか!」って見つける感じでしょうか。
私は「おりてくる」って言いますけど、ほんと突然空から答えが降ってくるような。
降ってきた答えを受け取る、それが「気づく」「腹に落ちる」ってことなんですね。
思考で執着してる時って、問題と自分をひとつの部屋に閉じ込めてるようなもの。
自らドアを開けて出て行ったら、「あ、答えこんなとこにあったわ」とあっさり見つけられるかもしれません。