たとえば、あなたが、

 

 

 

「花を見たい」と思ったとする。



しかも、それは、

 

 

 

花屋で売っている花ではなく、

 

 

 

自分で種を植えて、

 

 

 

水をやり、手入れをして、

 

 

 

自分で育てた花を、

 

 

 

あなたは見たいとする。



あなたは、そのとき、

 

 

 

まず何をするだろう?

 

 






あなたは、まず、

 

 

 

「適切な場所」を見つけることから、

 

 

 

始めるかもしれない。



別に「大きな畑」を借りる必要はない。

 

 

 

小さなプランターか何かがあれば充分なはずだ。

 

 

 

(何事も「小さく始める」のが基本だから。)







あなたは、道具と種を買いに店に向かう。



あなたはそこで、シャベルを買って、

 

 

 

ジョウロを買って、肥料を買う。



それに小さなプランターも買う。



そこには色々なメーカーの「色々な道具」がある。

 

 

 

あなたはその事実に、少し驚くことになる。


 

「自分で花を育ててみたい」と思うその日まで、



あなたは、そのメーカーの、

 

 

 

存在にすら気づかなかったのだ。



でも、そのメーカーは、

 

 

 

あなたがその存在に気づくずっと以前から、

 

 

 

来る日も来る日も、道具を作りつづけていた。




実はその店だって、結構長い間、

 

 

 

そこに店を構えていたのだ。

 

 

 

(あなたに気づくタイミングが来たわけだ。)

 

 

 




あなたは店主に、色々なことを教えてもらう。




時期によって、どの花が育ちやすいのか、

 

 

 

水やりの方法や、環境のつくり方。

 

 

 

「すべては、あなたが待てるかどうかにかかっています」と店主は言う。

 

 

 

「そしてどちらかと言えば、

 

 

 

 何をするかよりも、

 

 

 

 何をしないかの方が大切だったりします」

 

 

 

そう言って、店主は優しく微笑む。

 

 

 

あなたは「昨日の自分には無かった知識」を吸収する。



(乾いた土は、水をよく吸うのだ。)

 

 

 

「あなたが、適切な作業を、

 

 

 

 適切な時期にきちんとおこなって、

 

 

 

 然るべき時間を、あなたが待てるかどうか、

 

 

 

 そこに、すべてがかかっています」



店主は丁寧に説明してくれる。
 

 

 

「この世界には、人間の仕事と、時間の仕事の2つがあります」

 

 

 

店主は、そう言い足す。

 

 

 

「物事が具体的な形を取るためには、その両方が必要なのです」

 

 

 

 

 

「さぁ、どの種になさいますか?」と店主がたずねる。



あなたは恐る恐る「種」を選ぶ。



「母親」はあの花が好きだし、

 

 

 

「昔からの友人」はあの花が好きだし、

 

 

 

「以前、世話になったあの人」は、

 

 

 

そもそも花なんて好きじゃなかったし。

 

 

 

だからなんだか、申し訳ない気がするのだ。



それでもあなたは意を決して、

 

 

 

「自分が植えたい種」を選ぶ。







あなたは喜び勇んで家に帰り、

 

 

 

さっそく準備を始める。



それが実際に芽吹いて、

 

 

 

綺麗な花をつけるのは、

 

 

 

しばらく先のことだろう。



それでもいい、とあなたは思う。

 

 

 

(この世界には、人間の仕事と、時間の仕事の2つがあるのだ。)




「その花」を見たとき、

 

 

 

自分はどんな気持ちになるんだろう?



あなたはそれを静かに想像しながら、準備を始める。



花を見れるのはまだ少し先のことだろう。

 

 

 

 

 

 

「すべては、あなたが待てるかどうかにかかっています」と店主は言う。

 

 

 

「あなたが、適切な作業を、適切な時期にきちんとおこなって、

 

 

 

然るべき時間を、あなたが待てるかどうかに、かかっています」と。

 

 

 




わたしは、もう、

 

 

 

「自分の気持ち」に嘘をつきたくない。

 

 

 

あなたは、そう思う。



だから、きっと。

 

 

 

きっと。

 

 

 

Kenny

 

 

 

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