本園は、年度末を迎えたこの時期、来年度、平成23年度 「未就園児教室」 呼称「ひよこ教室」の入会受付を行っています。


 このお教室は、園長が、就任した10数年前より、未就園児の「親子体験教室」として、始まりました。

 その後、未就園児教室は、独立し、「ひよこ教室」として、5月より、毎週1回のペースで、翌年3月迄行っています。

 当時、親と離れて、幼稚園入園前の幼児が、幼稚園で過ごすお教室は、市内でもほとんどなかったと思います。


 それが、最近は、多くの幼稚園が、「親子体験教室」を行い、「未就園児教室」も増えて来ました。


 時代なのでしょうか? 園児募集の前哨戦のようにとらえている幼稚園も数多くあり、内容は、別にして、幼稚園に来させる事が一番のようです。

 当然、指導のカリキュラムも、他人任せとなり、00のお教室を、幼稚園で行っているだけのものが多くありました。

 その後、自前の教員を配置する園も増えて来ましたが、あくまでも幼稚園体験の域を出ることはない様です。

 でも、預ける家庭は、それで良しとされているようですから、それも一つの選択肢なのかと、考えることにしています。


 私が、未就園児の「親子体験教室」や「未就園児教室」をはじめたのは、幼稚園に通うお母様方の様子を拝見し、小さな子どもを持つ母親の子育て支援をしなければ、との想いがきっかけでした。

 その後、幼児の活動や成長を見ると共に、本園が築き挙げてきた「ピアジェ理論」を、より深く学ぶ事により、幼稚園就園前の幼児や乳児にも、必要な教育や支援があれば、その能力を引き出せる事を知り、是が非でも、そうした能力開発(単なる英才教育ではない。)を行っていく事も、私たちに課せられた使命であると考えました。


 幼児や乳児期に必要な体験や学びは、その年齢だからこその必要性やタイミングがあるのです。

 たとえば、水泳は、0歳~が最も良いとされています。0歳児は、立って歩くこともなく、水中で立てない不安感がないこと、母親の胎内から出てきたばかりで、水そのものへの恐怖心がないことからです。1歳では、もう恐怖心が出てしまいます。


 他の音楽や体操等も幼児期からの体験が大切です。

 特に、最近は、幼児からの体操は、運動能力を高める効果の他に、運動による空間認識による思考の発達や大脳そのものの働きをよくすることがわかってきています。


 本園の「ひよこ教室」での育ちでも、大きな成長が見られました。


 まず、2月に行われた本園の「発表会」に参加したひよこ組の幼児は、表現を楽しみ、生き生きと表現劇「スイミー」を演じていました。

 又、こうした経験を通して育った成果は、先日、担当が、ウレタンのブロックを出した際、なんと、クラスの全員で、ブロックを移動し、色々な創作を行っていました。途中、必要に応じて、コミュニケーションをとっていたのです。 満2歳(一部3歳)で、既に、こうした行動がとれることを、私は、目せられたのです。


 「ひよこ教室」の幼児の育ちを、本当に、無理なく、実感できる事こそ、本来の未就園児教室の意義があることを、改めて、実感し、確信を持つことが出来ました。