暑すぎた夏休み。我が家は、4匹の犬たちと、丹沢でのデイ・キャンプが唯一のお楽しみで、終わりました。


  8月下旬、市の設置者・園長会議が、箱根で行われ、出席してきまし

た。

  

  今回は、近づく「幼保一体化」の概要と内容の進展を、内閣府大臣政務次官 泉 健太郎議員より伺いました。

  泉さんは、京都府第三区の衆議院議員で、子ども3人の父親であり、実際に、お子さんも幼稚園に通われておられます。


  さて、本題の「幼保一体化」ですが、我が国の幼児教育にとっては、革新的な変革を起こす事になります。政府は、「子ども・子育て新システム」としての制度を平成23年に法案化し、平成25年には、施行しようとしていますが、「幼保一体化」は、その中の大きな柱になるものです。

  これは、日本の「少子化」「女性の社会参加」等の中で、子どもや子育て家庭を社会全体で支えるための新たな仕組みを構築することが目的とのこと。


  特に、幼稚園・保育所・認定こども園の垣根を取り払い、新たな指針に基づき、幼児教育と保育を共に提供する「こども園」(仮称)に一体化し、新システムに位置づけるとのことです。


  私も、同じ子どもを預かる上で、幼稚園・保育園の垣根を取り払い、公平に、同じ制度により育てる事の意義は、大変大きいと思います。

  これまでの、保育に欠ける子どものために、保育所には、税金による莫大な補助金を投入し、教育を施す幼稚園には、雀の涙の補助により、保護者や幼稚園には、大きな負担を課してきた事を考えると当然での事でしょう。

  こうした制度改革の考えは、戦後からあったのですが、担当省庁である文部科学省と厚生労働省の利害や既得権等の主張の中で、平行線をたどってきました。

  それが、改善するのであれば、大いに歓迎したいと思いますが・・・。


  今回の泉議員は、内閣府大臣政務次官として、よく勉強されている点で、立派だと思うのですが、ある事を言われたことで、重大な視点も明らかになりました。


  それは、「今の幼稚園の保護者は、幼稚園教育に満足している。保育所の保護者も、保育園に満足している。・・・・・・。etc」

  そうですね。幼稚園と言っても、その違いは大きいのですが、概ね子どもの育ちを見て、満足していると思います。方や、保育所も、保育に欠ける子どもを預かって貰える点で、概ね満足しているのです。

  

  しかし、今回の「幼保一体化」による全ての幼児施設は、「こども園」となり、本来の幼稚園・保育所への満足を全ての家庭に与えられるかといううと、難しいと考えます。

  何故なら、幼稚園が、保育所の多くの機能を抱えることで、幼稚園に行かせたかったが、働く為に、保育所に行かせていた家庭が、近くの幼稚園に入園させる事を願えば、その地域の幼稚園は、優先的に、こうした家庭の子どもを受け入れしなければならない。

  これは、保育所志望の家庭には、とても良いのですが、

1.本来、幼稚園を第一に考えている家庭は、働く家庭の後回しにさせら    

  れる可能性が大きい。

2.幼稚園は、建学の精神を元に、めざす子ども像・人間像をめざして教育 

  を行っているが、その考えを理解していない家庭を受け入れ、本来、入

  園して頂きたい家庭の子どもを入園させられない。その結果、めざす子  

  どもに育てることも難しくなる。(家庭からの理解を得られにくい為)

3.働く家庭を優先するような「幼保一体化」は、家庭教育の重要性を捨て

  幼稚園教育の役割を捨て、子どもの「心の育ち」を摘んでしまうことに。

  この通りに、制度が決まってしまわないことを、今は、願っています。