先日放送された『ウルトラマンブレーザー』第22話「ソンポヒーロー」を観ました。
この話、今のところ私の『ブレーザー』エピソードでは好きな話トップです
今回のゲスト:スズキ・テツオ(演じるのは『ウルトラマンダイナ』以来25年ぶりのシリーズ出演となる金井勇太さん!)とタナカ・ミチコ(演じるは山口果林さん。『仮面ライダーウィザード』にも出ていらっしゃいましたね)との交流を描きながら、人としての成長を描いている作品で個人的にツボに入りました。
怪獣がいる世界での人間の考え方に「リアリティ」を感じさせてくれました。
~この歳で損保に入っても仕方がない~
とか
~もう主人のもとへ行こうと思う~
とか
考え方がリアルだと感じたのです。
また、この話のメッセージとして出てくる~人生に大きな目標が無くてもいい。小さな目標をこなしていけばいいのだ~という部分も思考としてリアルでした。
思えば「ソンポ(損保)」という単語が入った特撮作品サブタイトルは本話が史上初なのではないでしょうか?それだけ、突拍子のない話でありながら人間としてのリアルを感じさせてくれる特撮作品が『ウルトラマン』であると感じます。
今年は既に『ウルトラマンブレーザー』を半年ほど観ています。
楽しめてはいますが、話が少々「淡泊」でそれゆえに物足りないと感じるところもあるにはあります。
ただ、この半年である程度は見方が変わってきました。
その最大のポイントは、本作のテーマであるという「コミニュケーション論」の取り扱われ方です。
大体「コミニュケーション論」というと「問題解決のためにもっとコミニュケーションを取ろう!(取らなきゃ!)」であり、コミニュケーションを取ることで事態が好転するというエピソードが多いです。
ただ、『ブレーザー』の場合──上記のような主張も『ブレーザー』の中にあるにはありますが──そこまでは強く主張していないと感じていました。
この点について最近自覚し始めたのですが、本作はコミニュケーションがテーマと言っても上記のような『コミニュケーションを取ろう!(それで良くなる)』」ではなく「コミニュケーション」そのものを描写しているのではないか?」ということです。
つまり、本作のテーマ:コミニュケーション論の描き方は「コミニュケーションを取ることで良くなる」とか「良いコミニュケーションの取り方を指し示して、状況をよくしよう!」というような積極的・説教的なものではなく
いいコミニュケーションを映す
悪いコミニュケーションを映す
まずはコミニュケーションを取ってみたほうがいいんじゃない?(結果はどうなるかわからないけど)
と、まずはコミニュケーションに関する「描写を映す」ことに主眼を置いているのだと感じるのです。
積極的に「こうしよう」「ああしよう」と主張するわけではない(暑苦しくならない)距離感を感じるのです。
そこが物足りないと感じる人はいると思いますが、テーマとして設定したものは説教臭くならなくてはいけないなんて決まりはないのも事実です。
次回から最終エピソードが始まりますが、自分の中でもう少し『ウルトラマンブレーザー』の見方を考えていきたいと思いました。
【その他】
先日発売された『後藤正行 TSUBURAYA ARTWOKS -GENERATOR-』(株式会社ホビージャパン 発行 ©円谷プロ)を購入しました。
すでに10年以上ウルトラシリーズに携わっている後藤正行氏のデザイン画集です。
ウルトラマンや怪獣のデザインはもちろんのことイメージボードやカバーイラストまで収録されています。
筋肉の付き方はとても引き締まっていて動的な感動を抱かせますし、鎧のようなボディなら一つ一つのパーツと全体の構成が実に見事で圧倒されます。
ディテールの細かさやゴツさは俗に言う「シンプル・イズ・ベスト」とは違うベクトルを感じさせますが、正直なところ私は「シンプル・イズ・ベスト」に懐疑的(すべてに当てはめて語るのはいいことなの?)な面も持っているため、とても刺激的で楽しめました。
まだじっくり見ていないページもあるので、これからもっと楽しみたいと思います♪