鈴虫の声が、心地よい。
やっと来た、この季節!
夏が過ぎて、大気が鎮まっていくこの感じが、
私はとても好きです。
もうすっかり秋の空
ここから年の瀬までの移ろいが、大好き!
毎年、毎年、同じように巡っていく。
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お盆を過ぎると、微かに虫の音が聞こえる。
次第に、朝夕が蝉から鈴虫に置き替わり、
気づけば一日中、その声に包まれる。
私は夏蒲団をしまい、
カボチャやキノコを食べたくなってくる。
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徐々に鳴き声は小さくなり、
気がつけば、最後の一匹が鳴いている。
すると、今度は木の葉が色づき始める。
私は外歩きがしたくなり、
栗のお菓子を食べたりする。
食欲がどんどん増していく。
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やがて葉が枯れ、落ちていく。
夜がぐんと長くなり、
月が丸ごと凍ったように見えてくる。
私は家に籠るのが好きになる。
白菜が甘く、鍋の出番が多くなる。
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そして冬至を迎え、
また日の長さが変わっていく。
年の瀬で、街が気ぜわしくなっていく。
私は「今年も終わるな」とか思いながら、
なんとなく、素直になったりする。
年が明けて、また、
次の季節に移っていく。
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こういうのが、私の喜びです。
これが喜び。
つくづくそう思う。
季節の巡りのなかに、自分がいること。
自分も一緒に、移ろうこと。
それを感じる
余裕があること。
世の中には、様々に輝いている人たちがいて、
私は時々、本当は望んでいないものまで
うっかり目指しそうになる。
だから、この感覚を、きちんと覚えておこう。
私が好きなのは、これ。
この先、何かを選択するときに、
この認識が、指針となるのだ。