「カレーの匂い」最終回 「カレーの匂い」最終回 ~195回~ 星也はリュックを背負い、 でっかいスポーツバッグを両手に 下げて立ち上がった。 日ごろの筋トレの成果か、 かなりの重量のそれらが 星也にはちっとも苦にならない。 軽々と歩き出した。 「カレー、おいしいのにさ、 食べて行けばいいのに」 背後で母親が未練らしく つぶやいている。 星也は口中いっぱい唾が湧くのを 覚えながらドアを開けた。 ※ 参考資料 「小学館発行 浦沢直樹著 20世紀少年」