カレーの匂い」第194回 「カレーの匂い」第194回 「この箱全部、あとで俺の指定する 場所へ送ってくれよ。 持てる分だけ、 先に持ってくから」 「何するの? どこ行くのよ、 まあ、好きにすればいいけど」 この上、うるさくはするまいと、 母親は決めているらしい。 「まだ汽車に間に合うから、行くよ」 「こんばんはあんたの好きな粒コーンと、 ブロッコリーのカレー、つくるつもりだった のに、、、、」 母親は言いかけて、しかし観念した みたいにそれ以上、 引き止めようとはしなかった。