「カレーの匂い」第147回
興奮状態にあった星也だが、
部外者の思わぬ闖入に頭っから
冷水をぶっかけられた。
「親子喧嘩はな、
よくあるもんじゃて、
騒ぐことはないんかの。、、、
それにしたって、息子さんや、名前は何だったかねえ」
爺さんは好奇心たっぷり、
星也の方へ身を乗り出した。
「女親一人で頑張っとるんだから、
あんたもそろそろ、はあ、機嫌直してな、
おっかさんを
あんまり泣かすなや」
星也は説教くさい爺さんめがけて、
シンク脇の湯沸しポットを投げつけそうになったが、
寸前のところでこらえた。