「カレーの匂い」 | 星ねこブログ

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「カレーの匂い」第146回


 爺さんの方へ、

 へなへなと倒れ込んでゆく。

「どうしたんね、佐和さんや、

110番するかね」


 問われて、母親は首を強く振った。

何でもない何でもない、と応える。

「ホントに?警察呼ばんでもええのかい」


疑わしげにこっちを見る。

藪猫、22

爺さんの眼と眼が合った。

「珍しいのう、息子さんの顔、

見るんは何年ぶりかのう」


 知らない爺さんの筈が星也に

向かって、

馴れ馴れしい口を利く。

Yさんのネコ

「学校にも行きよらんと、

引きこもってばっかり、居ると、

噂には聴いとったんだけど、、、、

元気そうじゃなあ、

よかった、よかった」

年賀


爺さんは母親を抱きかかえる恰好で、

半開きになったドアを背に

話しかけて来る。