週末に法大野球部OB会(法友野球倶楽部)の総会が開催され、役員の交代があった。
同倶楽部は、監督の任免権を握る実質的な野球部の意思決定機関と言われる。
同会のFaceboookによると、新旧役員は以下のとおり。任期は2年。山中会長は続投。副会長の3氏は満70歳の役員定年を迎えることによる交代とみられる。
-新役員-
会長 山中正竹氏(1970卒・佐伯鶴城)=再任
副会長 江本孟紀氏(1970卒・高知商) =新任
副会長 苑田邦夫氏(1970卒・三池工) =新任
副会長 金光興二氏(1978卒・広島商) =新任
-旧役員- 法友野球倶楽部サイトより
会長 山中正竹氏
副会長 池田周弘氏(1969卒・玉島商)
副会長 山本浩二氏(1969卒・廿日市)
副会長 田淵幸一氏(1969卒・法政一)
こうしてみると、1969年~1970年は法政初の4連覇メンバーだし、1978年も二度目の4連覇を達成した時期に当たる。さらにほぼ全員がレギュラーとして活躍した選手ばかり。
卒業してからも、現役時代に強かったヒトが有利なのか。はて。
江本孟紀氏はリーグ戦6勝。毎年百万円単位で大学に寄付をしていることは意外と知られていない。
ちなみに苑田邦夫氏とは原貢監督の三池工が甲子園初出場初優勝した時の優勝メンバー。法政では1試合6安打(1968年春東大1回戦)のリーグタイ記録保持者でベストナイン1回。卒業後は熊谷組に進んだ。
また、1試合で6本のヒットを打ったもう一人は1935年春東大1回戦の鶴岡一人。
今回の人事で注目されるのは、やはり金光元監督の副会長就任だろう。他の役員が1970年卒の同期同士ながら、一人だけ年次が若い。
しかも彼は監督在任中の2013年春のリーグ戦開幕10日前に突然解任されるという超異例人事の当事者だったのはよく知られていること。
東京六大学野球連盟の役員(先輩理事)人事をOB会に独断で決定したためとされているが、そのほかにも選手へのパワハラによるとの説もあり、真相はよくわかっていない。
金光興二元監督は江川卓氏などと4連覇を達成した「花の49年組」の中心選手だったのはよく知られているとおり。現在は法政大学理工学部機械工学科教授。
監督としては、在任10年(2003年~2012年)でリーグ戦優勝4回・大学選手権優勝1回と、歴代監督の中では見劣りするという評価もある。
ただジブンとしては、野球部自体がすでに長期低落期に入ってたと考えているので、一概に彼の責任とも言い切れない。なにしろ2012年秋に最後に優勝した時の監督でもある。
2016年秋のリーグ戦前の激励会に出席したころから「金光元監督復権」が言われていたが今回の副会長就任で本格的な復権とみてよいのだろう。
金光副会長には、教授として大学側との円滑なコミュニケーションや、最近疎遠になっている広島県高校球界からのリクルート強化といった役割を期待したい。
しかし。
それでよいのか。
一度はOB会除名まで報道された人物がたった5年で復権とは。
あの時は一体何があったのか。
彼が退任した2013年以来8シーズンで優勝はゼロ。Aクラスも3回だけ。5位が5回と、完全にBクラスに定着しつつある(*_*;
弱体化した原因をはっきりさせることはできているのか。
法大野球部は部OBたちだけのものではない。野球界の屈指の名門のひとつであり、数多くのファンを持つ社会的存在と言える。
大学球界をリードする東京六大学の一員として、法大野球部こそ透明性の高い先進的な部運営をすべきではないのかと思う。
関連記事・出典:
・法友野球倶楽部 新年会 2017.1.16 TOKYOROCKS2016
・法友野球倶楽部 秋季リーグ戦激励会 2016.8.28 法大野球部サイト
・法大OB会内紛…出席の浩二監督も困惑 2013.1.13 日刊スポーツ
WBC日本代表の山本浩二監督(66)や日本ハム稲葉篤紀内野手(40)らの前で、東京6大学の法大にお家騒動が勃発した。12日、同大のOB総会が都内ホテルで開催され、金光興二監督(57)と田中英樹先輩理事(53)をOB会から除名する動議が出された。動議の即時の決議は見送られたが、同会幹部が現場の首脳陣との確執を告白。今後、現役の監督がOB会を除名となる異例の事態に発展する可能性まで出てきた。(中略)
昨年はじめ、田中先輩理事の就任を、OB会に相談なしに佐藤部長らが決めたことが対立の発端だという。OB会は、昨年2月に大学側に佐藤部長の退任要求と、東京6大学連盟に先輩理事の田中氏の退任要求を行ったが、ともに却下されたという。(後略)