愛嬌満点。私のレベルじゃ御しにくさも満点。ついでに砂浴び常習犯(今年の初夏に初犯してからやりまくり)です。そしてビックリしいなので、割と暴走しがち。……なんか良いとこない子みたいになってますが、性格は本当に愛嬌あって可愛いので個人的にはとても好きな馬です。乗ると大変だけど。



ラルプデュエズ



なので選定にしてると当たるという部類。部班だと乗りにくいタイプ。身体もビッグ、歩幅もビッグ、本人もグイグイ進んでいく前進気勢MAXみたいな馬なので、周りがゆっくりだとずっと我慢我慢になってしまって「ぼくなんにもたのしくない……」ってなってます。

外から見てる分には歩様が優雅でカッコいいなーと思う馬です。でも今までの騎乗は上手くいかないことばかりで、ついでに音にビックリ&水溜まりにビックリで今まで2回ほどパワフルダッシュかまされました。物見して走るなんて乗り手がしっかりしてない証拠です……。ぐぬぬ……凝視

なので今日こそは何かしら掴んで帰りたい。ラルプの良いところを堪能したい!とひそかに燃えてました。





馬房へお迎えに。ご飯食べてましたが私が入るなり、ひょこっと顔を上げて無口へすっぽり。顔の匂いを嗅いでむふーん、と鼻息。はい、もう可愛い。

洗い場着いて裏堀を……、と思ったら。右の前後肢共に球節の前部分がボコッと飛び出て腫れてます。骨瘤ぽく見える。

え、数ヶ月前にはこんなの無かったのに。元々爪が弱い子だけど、今度は関節なのか。

蹄は蹄で、めちゃくちゃ不正蹄輪が出来てますね。蟻洞の次はこれかぁ……。ただこれは四肢全てだったので、春くらいに飼料の入荷先が変わったせいかもしれませんね。

最近は馬が足りないってことで中級馬場にも駆り出されているようなので。お疲れちゃんなのかも……



本人は相変わらず大人しくしております。

馬装もちゃちゃっと。ちょっとお手洗いに行った隙に寝ていたそうで、指導員が起こしてくれていました。

え、え、洗い場で寝るタイプだった?今まで何回も乗ってるけど初めてです。嘘ぉ……ネガティブ

ガクーンとなったのかどうかは分かりませんが、怪我は無かったので次から気をつけよう。






さて、レッスンはラッキーマンツーマン。

ちょっとだけ馬場を狭くして、「悩んでることあれば」とのことだったので、ラルプなら輪乗りかなぁ……と。

輪乗り手強いウマーズ代表だと個人的に思ってます。なんとなく右は行きそうな雰囲気あるんですけどね。いかんせん超頑なに曲がらない左でしかラルプで輪乗りしたことないので。

輪乗り、と答えつつ、「いや右球節のこと考えたら絶対左手前嫌がるのでは?」とはたと気付いたものの、じゃ輪乗りと隅角通過にしましょうとなったので頑張ることに。


そんな話をしながら蹄跡歩いてますが、既にやる気ムンムンのラルプ。何にも言ってなくても中間常歩です。やっぱり速いね、あなた。

でもでもでも!今日は一人!

そう。好きに動けるラルプです。という訳でネックストレッチなんて無くても折り合えてます。

🐴「だって好きに歩けるんだもん。我慢我慢じゃないんだもん」

手綱を柔らかく持っていたらしっかり馬銜を咥えてくれました。

そのまま一旦速歩。

指導員「頭を上げたり下げたりしやすい馬です。まぁ下げてのめって速くなる方がもっぱらですね。下げ出すと力があるから持ってかれる。もし頭を振るような動きをしてきたら手綱は絶対触らないこと。そもそも馬銜が気に入らなくて頭を動かしてるので、そこを人が弄ると余計に悪化します。今はそういうことしてこないでしょ?ということは馬銜を受け入れて、人の指示に従う気がある。そのままで」

速歩も、いつもなら速すぎる!となるのに今日はえっさほいさと上に弾むように動いてくれてます。リズムが良い。乗りやすい。

指導員からも「同じリズムでグッド。馬が自分でそのリズムを取ってますか?なら推進も減脚もしない。それでいいなら何も言わないこと」

うーん、さすがマンツーマン。ほいほい色んな指摘が来ます。専用すらケチって取ってない私には最高の環境()


指導員「歩度を縮め!」

はい、軽く捕まえると明確に縮まります。

指導員「歩度を伸ばせ!」

はい、元々やる気があるので歩度が伸びま……

指導員「もっと、もっと伸ばして」

え、マジですか。ら、ラルプなんですけど……

指導員「ハッキリ縮めれたなら、ハッキリ伸ばす。その差が大事です。なんとなく伸びてたらいいやではなく、伸ばすなら伸ばす。今は縮める前の歩度に戻っただけ」た、確かに……。

だそうなので、グッと推進します。

するとギアがさらに数段上がったかのような反応!

は、速い!でも、よく動いてる……

ただ速いだけじゃない感覚です。ラルプについていかないと……

指導員「はい、すぐ歩度を縮め、常歩進め!」

スッ、ピタッ、タンタンタンタン……

お、おおー……。あれだけ走ったのに止まらないなんてことも無く、綺麗に下方移行しました。

私もバランスを崩すことなくついていけました。

一頭だけだからなのか、ラルプがとても集中してくれているように感じます。


手の内に入っていることを確認したので、早速輪乗りです。

まぁここからなかなか手強かったんですが🤪でもそれは想定内ですし、一人なら何回でも失敗出来ますからね()

レッツ、トライアンドエラー!

まずは問題の左手前から。速歩で行きます。

曲がりません。いえ、ちょっとは曲がるけど曲がり出しがめちゃくちゃ遅い。短蹄跡から数m離れたくらいで円とは程遠い図形です。

指導員「一旦、輪乗りの定石のやり方で。内方脚、外方手綱。……、問題はそこじゃなさそうですね。とりあえず速歩は続けさせて、少しずつでいいので円になるように。曲がらないと思ったらすぐに離して。しつこくやっても曲がりません。馬がしんどい姿勢を求められてイライラするだけ」

S字手前変換。しっかり速歩をキープしたまま入ります。綺麗なS字です。……、あれ、輪乗り入らないのになんでS字は素直に入ったんだ?

指導員「右手前に入ったらすぐに歩度伸ばして。すぐですよ」

ガッツリ歩度を伸ばします。

いや速いぞ。これで輪乗りに入れる、のか?

スッと入りました。左の頑固さはどこへやら。

指導員「ちょっと内を通らせたいなとか外へ出したいなと思うなら、思った通りのところまで行くか試して」

行きますね。右なら。

歩度を伸ばした状態でも、大きくも小さくもなれます。

もう一度、S字手前変換。左手前へ。

やはり曲がるのが遅い!外へ膨らむ!

指導員「一回、内方脚強く」

脹脛から踝までをグッと押し込むとさらに加速されます。

指導員「今の内方脚は馬体を屈曲させようとして使った脚です。でも明らかに加速したでしょ?そこは前を捕まえて行かせないようにしないと。推進の脚ではないと伝える。ただ今回は外に膨らんでるので内方脚はなしにして、外方脚で膨らまないように抑えてみて。Hの手前から」

軽速歩のまま早めに外方脚で抑えます。

うーん、マシだけどまだ若干膨らんでます。

指導員「……。正反動しましょう。C点から正反動。H手前から外方脚」

歩度が伸びているので反動は大きいですが、なんとか正反動。外方脚で外に膨れる腰を抑えます。外方手綱もしっかり肩を抑えます。

すると、突然スッと輪線上へ入りました。

指導員「お、行きましたね。やっぱり外方脚が効いてない訳じゃないですね。軽速歩だと、立つ座るの"座る"の時にしか扶助が送れないので、立つ瞬間を"外に逃げる隙"として狙われてる。だから膨れてたわけです。正反動は脚を常に使うことが出来るんで、それで逃げ道が無くなって輪乗りに入れたんでしょう」

なるほどぉ〜。奥が深いですね……

たった半歩の間に外に逃げてるとは……

あの手この手でラルプの左輪乗りについて研究する時間でした。

今回は一人だったから色々試せましたが、部班だったらずっと「ごめんなさ〜い💦💦」してるところです😂

そもそも折り合えてすらなかったかもしれません。

あれやこれや試している間、ラルプは嫌な顔一つせず付き合ってくれてました。左苦手なのにありがとう。途中、カラスは煩いわ、風は強いわでしたが反応せずにいてくれてました。

気は優しいんですよね〜、ラルプ。






手入れ、ということで足を洗って乾くのを待っている間マッサージしてあげることに。

「ん〜〜きもちいい〜〜🤤」と鼻を伸ばしたり馬体を押しつけてきたりして可愛い可愛い。

身体痒い痒いとよく訴えてますからね。

耳の中が1番反応良くて半分白目剥いてました。ほげぇ〜って感じ。

鼻の穴もほじほじすると喜んでました。

手入れが好きっていう子に当たると色々やってあげたくなります。

帰り道、湯上りのおじさんみたいに、ほけ〜としながらのそのそ歩くラルプが面白かったです。