馬匹のウェルフェアのため、日差しが強すぎる真昼間の4時間は馬休時間となりました。

酷暑の8月。




マサムネ


またまた久しぶり。こちらも半年は乗ってないかも。

うまーいこと頭絡をすっぽ抜くので対策として顔まわりの馬装が多いこの子。馬場に向かう時も無口をつけたまま曳き手で降りて行きます。

ここまで重装備になる前、一度馬道でそれはそれは器用に頭絡を抜く技を見たことがあります。立ち止まってー、人が真っ直ぐ引っ張ってきたらそのまま顎を引いて頸革をスポンッ!!

抜いたからってどこかへ立ち去る訳でもなく、ただ近くにいる指導員に「見て!抜けたニヤリ」と自慢するんです。

あれはもはやお家芸。



さて今回の課題は輪乗り。ですがマサムネ、左が固かった記憶。

案の定カッチカチです。全く譲れないとかはないんですが、これは難しいかもという予感。

蹄跡行進中、自馬のテントから爆発音のような蹴りの音が。マサムネが驚いて内へ切れ込みました。ちょうどその横あたりを通っていたのでアンラッキー。

落ち着くように声をかけて、すぐ蹄跡へ。音が鳴ったあたりに差し掛かると首がやや高くなり、内へ逃げようとします。

勇気出して、あの時だけだよ。と宥めつつ同じ場所を通過させます。すぐに納得してくれました。

マサムネ、実は過去に落馬率No. 1という不名誉なあだ名が付いていたそうです。メンコは防音仕様。物見というよりも音に敏感だと。人が大好きで食いしん坊な可愛い子ですが、ちょっと気が小さいのが玉に瑕。

まぁでもあんな爆音みたいなのが鳴ったらしょうがないよね。そりゃ怖いよね。



鏡前で馬と自分のシルエットを確認。

うん、いつも通りマサムネは顎を前に突き出しています!首が肩の上に乗ってません!

なかなかにパワーがあるタイプなので力負けすると速歩でのめって爆速になります。でもパワーで勝負したところで意味がないので、なんとか常歩から半減脚を試みます。

活発な動きを保ったままー、うんうん、なかなか詰められてるんじゃないでしょうか。馬間距離をあけることもちょっと急がせて前に出すことも出来ます。これを速歩でもやらねば……

いざ速歩。一歩を大きく出そうとするところを堪えさせます。堪えてくれたらすぐに譲る。

この「応えてくれたら譲る」ってついつい忘れてしまうんですよね。譲ったら速くなるんじゃないかって思ってずっと馬銜捕まえてるみたいなことありませんか?それが良くないと理解しつつも。

しかし、今日は譲ることを意識します。

速くなり出したらすかさず捕まえます。ダメダメ、これ以上前に出て行くのは許しませんよ〜。馬銜を攫われないように、お腹の前に持ってきてもらいます。詰めてくれたらすぐに譲る。

たまーに「拳が強い」と抗議の頭上げが来ました。拳を柔らかく、って難しい……。とりあえず薬指の力を抜いたらやめてくれたのでマサムネ的にはそれでオッケーらしい。

指導員からさらにもうワンテンポ、軽速歩を遅らせるようにとアドバイス。立つ座るのリズムをもっとずらします。おおっ、歩度がさらに詰まる。前は爆走され気味だったのでこれは進歩〜。

速歩中に首内とかもやりました。向くけど脚でぐっと押さないと鼻先だけ内に向いて肝心の首がー、という感じ。やはり固いかも……



飲水休憩挟んで輪乗りへ。

先頭の馬が曲がりません。マサムネは2番目。先頭の馬は蹄跡を突っ切ろうとしたところで一旦停止、からのバック。

マサムネは程よく動いていたんですが前の動きを見るために止まりました。で、次の動き出しで上手く勢いを付けられず、前の馬が内へ入り込むのについていってしまう〜〜。外方コンタクト強め、内方脚で押し出そうとしたものの時既に遅し。後方の馬も同じように内へ。

指導員から「マサムネは輪乗りが得意じゃない。動きが怪しくなったら急かしていい」と。

了解です。2周目にチャレンジ。

切れ込む前の馬にまたついて行こうとします。

うあー、また切れ込まれる〜。推進、推進だ。あとこれちょっとマサムネが意固地になってる気がする。

「顔がサボろうとしてる。鞭使っていい」と指導員。肩鞭一発と強めの脚。いや、まだやる気になってないなこれ。もう一発、からの舌鼓と強めの脚。

恐らく舌鼓に反応してました。そのまま内方脚に反応するようにと拍車も使用して押し出します。斜め前に出た!それでも輪が小さい。

3周目。ついに前の子より大きく回って輪乗りに入りました。大変だった〜。

OKです。怪しくなったらそれくらい求めて。止めないように」と指導員。

以降は拍車を当てなくても反応してくれました。半巻きして手前替え、右手前はやはり融通が効きます。綺麗に輪乗りしてくれますが、得意な分、速歩で速くなろうとします。で、前にのめる。躓く。

それでもって私は右手前が乗り慣れてなさすぎて前傾に。指導員からも前傾を注意されました。

しっかり起こして〜、お、マサムネも起きてきたぞ。肩に首は全然乗ってないけど。

でもでも、ちょっといい感じの反動です。正反動いけるかも!?

チャレンジ! マサムネにしては跳ね上げられずに済みました。

あとは蹄跡に戻ってクールダウンして終了。



一発で輪乗りに入る、って難しい子は難しいですよね。曲がりづらかったり、内へ小さく入ったり。マサムネのように左右差がある子もいます。

得意な子は鼻先向けただけであっさり行くんですがそれはそれで輪乗りで進んでいくってこんな感じか〜と感覚を磨けるし、輪乗り苦手な子だと思い描いてるところへどうやったら乗ってくれるのか誘導を頑張れるチャンスだと個人的には思っています。




放水機ですが、今回は稼働していました。砂漠地帯にならなくてよかった。

洗い場のホースから出る水も茶色くなくて一安心です。






馬房へ戻す帰り道。

マサムネの馬房がある列に入るため曲がろうとすると、後ろから来た馬がまさかの内側から追い抜き。

私とマサムネの顔スレスレを、相手の馬のお尻が通って行きました。いやコーナー攻めすぎでしょ!怖いわ!蹴られるかと思った……。

こないだの例に漏れず、追い越し禁止区域を颯爽と歩いていった相手は中年のベテランさん。

なんだろ……。ベテランになると感覚が麻痺してくるんでしょうか。

マサムネが大人しくて助けられました。自分も気をつけよう。