1994年         アメリカ作品






監督は、ご存知ジョン・カーペンター であるが
実は、この作品
ラヴクラフトの小説やクトゥルフ神話を
下敷きにした隠喩や用語が作中とても多く使われており
原題のIn the Mouth of Madnessも
31年の小説(狂気山脈)At the Mountains of Madnessを
捻った物と想像できる



90年代に入りカーペンター監督は
よりSF嗜好に傾いたのかと思わせたが
何の事は無いホラー映画の製作も怠ってはおらず
現在もホラー映画の製作は続いている
そして2005年アメリカで
世界のホラー映画の巨匠13人が集まり作られた
マスターズ・オブ・ホラーという

テレビオムニバス・シリーズで
最高傑作と誉れ高い彼が作った作品は”世界の終わり”
それは
まるで本作の撮りなおしのような錯覚に陥る作品で
”小説”と”映画”の違いはあれど
実に良く似ている内容であるので
本作と両方を見比べるとトテモ面白い



主演はサム・ニール
彼を一躍有名にしたのは
大ヒットしたジュラシック・パークであることは
決して否めないが
オーメン最後の闘争 でダミアン・ソーンの大人役もやっていた
何故 そんな事を書くのか?とお思いだろうが
実は本作で精神科医役をこなしているのは
デビッド・ワーナー なのである
デビッドはオーメン で有名な死に方をしたカメラマン
そう首チョンパの男であるからだ
本作でサムとデビッドが対峙するシーンは
役者を代えたダミアンとカメラマンが対峙する事になり
そんな意味でもコアなホラーファンなら嬉しくなるところ
だが
注目は、さり気なく登場している
チャールトン・ヘストン に尽きる
一体何故、晩年の彼がこの作品に出演したのか
実は面白い裏話があるのだが
今回は止めて
それに纏わるある映画の紹介時に説明する事にする



内容は
保険金詐欺を調査するフリーの男が
失踪したホラー小説の作者を探すが
著者は悪魔に獲り憑かれた人間か悪魔そのものであり
彼の書いたホラー小説を読んだ人間は魔獣と化し
世界は滅んでしまうのか?という物である
だが
見方を変えれば1人の気が狂った男の想像とも言える話で
現実と妄想の線引きが難しい場面も多く
それがまた数々の無意味のように仕掛けられた付箋が
見る者をも悩ませる凝った傑作であるとも言えるだろう

一般的に残念な評価が集中したのは

毎回同じだが

監督の弱点とも言えるヒロインの選択だった・・・




ちなみに
先に述べた
マスターズ・オブ・ホラーの第1期は下記の作品と監督で
私がお勧めする作品は後に記事としてUPする予定であり
★を付けておくが決して作品の評価ではない



1.「ムーンフェイス」 ドン・コスカレリ
2.「魔女の棲む館」 スチュアート・ゴードン
3.「ダンス・オブ・ザ・デッド」 トビー・フーパー
4.★「愛しのジェニファー」 ダリオ・アルジェント
5.「チョコレート」 ミック・ギャリス
6.「ゾンビの帰郷」 ジョー・ダンテ
7.「ディア・ウーマン」 ジョン・ランディス
8.★「世界の終り」 ジョン・カーペンター
9.「閉ざされた場所」 ウィリアム・マローン
10.★「虫女」 ラッキー・マッキー
11.「ハンティング」 ラリー・コーエン
12.「ヘッケルの死霊」 ジョン・マクノートン
13.★「インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~」 三池崇史










夕暮れの郊外地
1台の救急車が精神病院へ到達すると
拘束衣を着せられた精神異常者ジョン・トレントが運ばれ
病院長サバスティンの指示で9号棟へ入れられるが
彼は暴れて看護師に怪我を負わせただけではなく
自分は正常だと喚いていた・・・
後日
雷鳴が響く夜、Drウレンが病棟を訪問し
部屋や体中に十字架をクレヨンで書き
病院から出たくないと言い出したジョンと面談した
何故?此処に入院したのか、ジョンは自分の体験した
恐ろしい話をDrウレンに語り出した・・・



フリーの保険調査員ジョンは保険金詐欺を見抜くのに長け
その腕前を高く評価している保険会社の社長は
ジョンにある出版会社で起こっている怪事件
人気のホラー作家サター・ケイン失踪事件の調査を依頼し
カフェで話をしていると
突然!血の涙を流す男が斧で通りのガラスを破って乱入し
驚いて倒れたジョンに
”サター・ケインを読むか?”と訊ねると
斧を振りかぶってジョンを殺害しようとした
だが
次の瞬間 警備員が男に発砲し全身を撃たれた男は死亡する
”一体なんなんだ?・・・


TVニュース・・・
サター・ケインは単なる流行ホラー作家か?
恐ろしい狂気の預言者か?と
彼の新刊が発刊されなかった為予約していた読者が

各地の書店で暴動を起こしている様子が流れた
自宅でニュースを見たジョンは翌日
アーケイン社のハーグロウのもとを訪れ
サター・ケインの失踪の状況について尋ね
彼が2ヶ月前から姿を消し現在は生死も分からぬ状態である事と
驚く事に昨日ジョンを襲って射殺された男は
サター・ケインの代理人であり
彼は郵送で新刊の原稿を受け取っていたことを聞く
”あの斧の男か・・・”
ケインの担当編集者であるリンダ・スタイルズに
”実に旨い宣伝になる”と
ジョークを飛ばし余裕を見せたジョンだったが
彼女はケインはドル箱スター作家であり
早く生死をハッキリして欲しいと率直に訴えた



帰り道
ジョンは路地裏で少年を警棒で打ち続ける警官を目撃し
唖然としていると振り向いた警官は
”お前もやるか?”と不気味に笑うが
家に戻ってもTVでは市民達の暴動のニュースしかやっておらず
うんざりしながらケインの失踪は計画的で騒ぎを起こし
より本の価値観を高める作だと考えていた
翌日、今まで出版されたケインの本を買いに
書店に来たジョンは見知らぬ青年に声を掛けられた
”僕は見える 彼は貴方に会う”・・・




家でケインの本を読んでいたジョンは恋人からの電話に
”くだらんホラー怪獣小説だが、何故か惹き込まれる”と
感想を言い何時の間にか寝入ってしまうと
警官が魔獣となって少年を叩く悪夢を見て飛び起き
今度は斧の男が血の涙を流す悪夢に襲われる
”彼はお前と会う・・・”
何度も悪夢を見るジョンは疲れ果ててしまうが
本の表紙を眺めて奇妙な線に気がついた・・・
彼は全ての小説の表紙にデザインされた線をハサミで切り
それをパズルのように組み合わせ地形を作る・・・
”なるほど・・・”




再びアーケイン社のハーグロウの元を尋ねたジョンは
出来上がったパズルを本物の地図に重ね合わせた
”ケインは此処にいる”
地図にピッタリ一致したパズル
小説に出てくるケインの町ホブズ・エンドは
ニューハンプシャーの辺りを指していたのだ
だが実際にホブズ・エンド等と言う町は存在しないはず
しかしジョンはケインが残したヒントであると考え
彼は、その町に隠れて待っていると判断し
ハーグロウの提言でリンダを伴い
車でニューハンプシャーに向かった



だが
いくら探しても当然地図に地名の無いホブの町は見つからず
やがて日も暮れ夜になってしまうと運転を交代したリンダは
トランプをスポークに挟んだ自転車で闇夜を走る少年を見る
そして
暫くすると同じ自転車で同じ服装の老人とすれ違い
驚きながらも地図を確認し前をむいた瞬間
何故か先ほどの老人が正面に現れ撥ね飛ばしてしまった
慌てたリンダとジョンは車を止め老人の救出に向かうが
老人は全く無傷で立ち上がり
”逃げられない”と言って去ってしまう・・・
あっけに取られた2人だったが取りあえず次の町まで
車を走らせる事にした



すると
今度は何時の間にか車は空中を走り板のトンネルを抜け
突然朝になると小説の町ホブズ・エンドに到着する
驚いて口も聞けないリンダだったが助手席で寝ていたジョンは
町を発見した事に喜び運転を代わって小説にあるホテル
ピックマン・ホテルに到着した



早速ホテルに部屋を取った2人だったが
対応した老女はケインの事も小説の事も知らないと言い
壁に飾ってある絵のカップルは微妙に角度を変えていた
ホテルの窓から見える風景はケインの小説と全く同じ
ジョンは小説にある教会”人類よりも古い巨大な悪魔の巣窟”に
怯えるリンダと向かったが、突然町中から車に乗った
住民たちが銃を発砲しながら現れ
”ケイン!子供達を返せ!”と、口々に騒ぎ
教会へ入ろうとするがドアを開けて現れた子供に代わって
姿を現したケインはうっすらと笑いを浮かべ
ドアが閉まると裏から現れたドーベルマン達が
大人達を襲い出し皆は逃げ帰ってしまった



”今のがケインだな?”
ホテルに戻ったジョンは今起こった事を全て知っていたリンダを
”本を売るための演出だな”と責めるが
彼女は全て途中まで渡されていた新本に書いてある通りだと説明
これまで全て本が現実になっていると恐怖する
新本の内容は、あの死んだ代理人とリンダしか読んでいないのだ
しかもその内容とは、この世の終焉までのストーリーで
それはこのホブの町から始まりやがて悪魔が世界を支配し
人間は全て魔物に姿を変えてしまうものだという・・・



”そんな馬鹿な話があるか!”
全く信用しないジョンはケインの生存を確認した事で
仕事は終わったと判断し1人で帰ろうとするが
リンダが先に車で逃走
仕方なく町の酒場で酒を飲み手帳に書き込みをする
”酷く手の込んだ芝居で町ごと小説の内容を演じている”
だが
実際にホテルの老女は夫を全裸にし手を施錠し
子供達は魔物に変化し始めていた



その頃
教会にやって来たリンダはケインと対峙
彼は最後のタイプを打ち終わりリンダに言った
”おかしいだろ 私は自分で書いていると思っていた”
”だが 書かされていた”
”この忌まわしい奴等がこの世に戻ろうとしている”
”全て現実だ これは新しい聖書なのだ”
そう言って立ち上がったケインはリンダの頭を押さえ
出来上がった原稿に顔を向けさせると
リンダは一瞬で中身を読んでしまい目から血が流れた
既にケインの背中からは魔物が這い出していたのだ・・・



部屋で休んでいたジョンは突然飛び込んできたリンダに驚く
”助けて 私は頭がおかしくなる おかしくなる!”
ジョンはリンダを寝かせ急いでロビーに降りて
電話を借りようとしたが通じず壁の絵も魔物に変っていた
更に奥から叫び声が聞こえ老女を探すと
彼女は既に魔物に変身しており夫を惨殺していた
”なんてことだ!”
ジョンはリンダを連れて逃げようとしたが
既に彼女も異型の触手を出し始めおり
仕方なく見捨てて1人車に乗って走ったが
町の中心では化け者達となった住民達とリンダが集まり
車の進路を塞いでいた・・・



酒場に逃げ込んだジョンは正気を保っていたかに見えた男に
”これは芝居か?!”と聞くが
彼は本に書いてあると言って自殺してしまい
表に出たジョンは笑いながら迫るリンダを殴り車に乗せて
脱出を図ったが彼女は鍵を笑って飲み込んでしまった
怪物のような住民が迫り焦ったジョンはドライバーでキーを廻し
エンジンを掛けて逃走するがリンダは既に異型になり
首と体が逆になって昆虫のようになっていた



堪らずリンダを捨てて逃げたジョンだったが

何度反対に走っても
車は町の中心に戻ってしまう
何度も何度も同じ光景が繰り返され
遂にジョンは住民達に突っ込むが

車は道に止った車にぶつかり大破
次に気がつくと教会の懺悔室に閉じ込められていた



するとケインが牧師の部屋から話しかけてきた
”現実味の無い神は誰も信じてはいない”
”私の本は18ヶ国語に翻訳され億単位で読まれる”
次の瞬間ケインの部屋に居たジョンは
彼に出来上がった原稿を渡された
最終章のタイトルはマウス・オブ・マッドネス・・・
当然拒むジョンだったが
原稿を出版社に届けるのはジョンだと本に書かれていると
不気味に笑うケインは自らの体を破壊し地獄の門を開けた



おぞましい地獄の魔物に追われケインの言った現実の世界の
出口にひた走ったジョンはギリギリで脱出し
遂にホブの町を抜け出した・・・
ジョンは原稿を道端に投げ捨てヒッチハイクでモーテルに
辿り着き一夜を明かし翌朝フロントに行くと
自分宛の小包を受け取り驚愕する
なんと中にはマウス・オブ・マッドネスが入っていたのだ



今度は原稿を燃やしたジョンはハイウェイ・バスに乗り
漸く帰宅し役所でボブの町を調べるがやはり記録は無い
疲れ果てたジョンだったが事件の報告にアーケイン社を訪れ
ハーグロウに一部始終を話すが彼は怪訝な表情で
リンダという女性は最初から存在していないと言い
原稿は既にジョン本人から受け取っており
出版どころかもう映画も公開されると言った・・・
ジョンは混乱しながらも悟る
恐らくケインが書きなおしていたに違いない・・・



町には既にマウス・オブ・マッドネスが溢れ
あちらこちらで暴動や集団ヒステリーが起こっていた
ふらつきながら町を歩くジョンはいつか書店で会った
青年に遭遇し斧で彼を殺害した
”その本を読んだのなら驚くまい”






Drウレンに精神障害で殺人を犯した経緯を話し終えたジョンは
最後に去って行く彼に言った
”人類がいたなんて 遠い昔の語り草になるな”



その夜
病院どころか町中、否 

世界中の人類の殆どが魔獣と化した世界
ゆっくりと歩き出したジョンは誰も居ない映画館に入り
エンドレスで上映されているマウス・オブ・マッドネスを見て
大声で笑った・・・







ジョン・トレント:サム・ニール
リンダ・スタイルズ:ジュリー・カーメン  
サター・ケイン:ユルゲン・プロホノフ
ジャクソン・ハーグロウ:チャールトン・ヘストン  
ウレン博士:デビッド・ワーナー



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原題:In the Mouth of Madness
監督:ジョン・カーペンター
製作総指揮:マイケル・デ・ルカ
製作:サンディ・キング
脚本:マイケル・デ・ルカ
出演者:サム・ニール
音楽:ジョン・カーペンター
ジム・ラング
撮影:ゲイリー・B・キッビ
編集:エドワード・A・ワーシルカ・Jr



ありがとう♪
押してくれると本が売れます♪



あけましておめでとうございます


昨年は沢山のコメントを頂き

ありがとうございました



年末年始 特に年末には
思いもよらぬ急な仕事が飛び込み
目まぐるしい程の身辺変化が起こりまして
漸く落ち着いた29日には
インフルエンザA&B型に憑依されるという
魔界騎屍にあるまじき恥・・・・

昨夜熱は下がったものの現在全身の痛みに
悶え喜んでいる次第です



なにはともあれ
今年も皆様
どうぞ宜しくお願いいたします





で・・・
記事を書かないのも何ですので・・・
2010年のアメリカTVドラマから


ウォーキングデッド

珍しいゾンビ物のTVドラマで
監督はフランク・ダラボン
毎回出てくるゲストにも
クオリティーの高いゾンビにも注目


もしシーズン7まで続くとしたら
これはトンでもない快挙になるだろう

予告を見て気に入ったなら
是非 本編も♪









お年玉

第1話


第2話


第3話


第4話


第5話


第6話




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ありがとう♪
あけましておめでとうございます♪



2008年       スペイン作品




監督はTV界で下積みを経験し
95年あたりから映画のアシスタントをこなして
2000年からスペインで頭角を現してきた
ミゲル・マルティ

大のホラーやSF映画好きであるらしいが
本作も他作同様コメディーである



主演は
スペインのスレンダー美女?
マカレナ・ゴメス
01年ダゴン で魅せた妖艶な目力は健在で
今回はコミカルだが恐い
シリアル・キラーを熱演していて
歌手を目指した事を彷彿とさせる
その歌声や大人になって磨きがかかった

スレンダーなボディーも惜しみなく披露している




内容は
医大に花婿を探す為入学した若く綺麗な女性は
実はシリアル・キラーでもあり
ちょっと邪魔で気に入らない事があると
誰それ構わず殺害してしまうと言うもので
実に恐ろしいシチュエーションだが
全体的に数々の映画のオマージュが散りばめてあり
ミュージカルを思わせるシーンや
他のホラー映画の話題なども飛び出し
実に旨く作られた脚本と彼女の演技に
コミカルさとエロ・グロが加わった
全くケチの付けようが無い傑作で
何故?日本でビデオスルーになってしまったのか
配給会社のセンスの無さと先見の無さに
呆れ果ててしまう



作中判り易いオマージュはタクシードライバー

スクリームIT 更に13金
死霊のしたたりはらわた  悪魔のいけにえ
そしてゾンビ シリーズになるが
トレッキーが喜ぶバルカン・サリュートも飛び出し
ラストに語られる”サソリ”の話は
スタートレックヴォイジャー
最高傑作と思える68話スコーピオン を彷彿とさせる
私的にも大変満足の行く出来栄えであった









国の若く優秀な頭脳が集まる医大には
安定した高収入が期待される将来の夫を確保しようと
ビッチ達も入学し多くの女達は構内で勉学よりも
磨き上げた美しさを競い合っていた
そんな中
キャンパス・クイーンに群がる女達のグループに所属せず
1人異質な魅力を振舞うバーバラがシャワールームに入ると
勉強ばかりで女に縁のないモテナイ君サンティアゴが
スクリームの殺人鬼衣裳を着てシャワールームを覗きに来たが
何故か どの個室にもバーバラはおらず
大きな鏡に写った自分の姿を見て驚きながら奥に進むと
湯気の中にまた自分の姿を見て

今度はポーズを決めてふざけていたが
なんと鏡かと思っていたのは本物の殺人鬼で
急に異なる動きをすると彼の腕を大ナイフで切りつけた!
大量の出血と痛みに苦しみながら必死に逃げたサンティアゴは
行き止まりに付き当たり”ひと思いに殺ろせ!”と開き直ったが
後ろに殺人鬼は居なかった・・・・
すると通路を横切ったバーバラは
サンディアゴを見て驚き更衣室に逃げてしまい
”殺人鬼が居るぞ!”とサンディアゴは彼女を追いかけ
マスクを外して事情を説明しようとしたが
ロッカーの中に殺人鬼の衣裳を見かけ恐る恐る覗いてみると
後ろに立っていたバーバラに首を切られて絶命する・・・



自室の冷蔵庫に生首を何日も大切に保存していたバーバラは
今夜開かれる仮装パーティーの準備をしていたが
彼女に言い寄る複数の男達からのプレゼントの中に
犬が配達されると喜んで”ジェイソン”と名前をつけ
黒の女王の衣裳に着換えると生首をビニールバックに入れ
颯爽と部屋を出てパーティー会場に向かうが
途中道路でジェイソンがスポーツカーに轢かれてしまい
怒りのバーバラは若く生意気な運転手を殴り
その手をボンネットに縫い付けると
自分が今、最も世間を騒がせている
大学の連続殺人犯キャンパス・キラーだと名乗り
8歳からの半生を運転手に話し始めた




母親と海に行ったバーバラは子供の頃から日焼けは
美容の敵だと教えられ母の愛情を存分に受けて育った
彼女はシンディ人形になりたかった・・・
やがて医大に入学し狙う未来の夫はパパと同じ美容整形医
だがキャンパスにいる美男子は殆どゲイだった
解剖学科のアレックスはバーバラが気にいる男をゲイだと笑い
友人で研究オタクのトマスがフリスビーに当たり倒れると
彼と一緒に研究所に行ってしまったが
その場に残っていた少し頼りないが整形医の卵の学生が
来週ジョージ・Aロメロの美容整形科に配属される事を知ると
目の色を変えて彼を誘い

早速SEXしてみたが全く感じる事が出来ず
1人だけ達した男に憎悪を抱き彼の顔をラップで包むと
窓から叩き落として殺害してしまう



バーバラは運転手の片手を背中に廻し指の骨を折りながら
今週殺した人数を確認した・・・
”今週はチョー忙しかったのよ
”まず学部長でしょ  ボキッ!
”彼の秘書 ボキッ!
”通りすがりのカップルでしょ ボキッ!ボキッ!
”記憶が曖昧だけどもうひとりいたかも?
ヤメテクレー・・もうやってないと思うよ
君ってやさしそうだもん・・運転手の叫び声が響く・・・
”あらそう♪ ありがと ボキッ!
”まだ続きがあるの・・



大学構内には多数のTV局が集まりリポーターが生中継
”今週だけで8人の遺体が見つかり行方不明者も出ています
”犯人は、まだ捕まっておらず警察も頭を痛めています
何食わぬ顔で構内を歩くバーバラは
事件の担当になった警部補の顔を確認しロックオンする



彼女が窓から落とした男に運悪く当たって死んだ男は
解剖学の教授だった
警部補は2人の遺体の検死をアレックスに依頼し
連絡を受けたアレックスはトマスが発明した脳内を
映像でみる機械の実験台になった後
彼と2人で殺害されたカップルの検死を行うことになった



講義中 
10日で殺人鬼になれて5キロダイエット出来る という
雑誌の編集を妄想していたバーバラは教授に注意されると
当然
復讐に燃え女子学生クララとSMをしていた現場に乗り込むと
教授の頭をハイヒールで踏んで刺し殺し
逃げたクララを他の死体を飾っておいた聖堂に追い詰め
彼女の顔を水に突っ込みタイタニックの女優を批判しながら
最後に喉を掻き切って殺害する



アレックスとトマスはクララ達の遺体を検死解剖し
警部補がTVで発表した犯人のプロファイルは違うのでは?と
思い始めたが

真面目なトマスと違い麻薬に溺れるアレックスには
ドウでも良い事であり笑いながら解剖を続けていた
だがTVで司会におちょくられた警部補は
警部に呼び出されて罵倒されてしまい
怒りのまま警部の足を撃つと彼の体をナイフで刺し
キャンパス・キラーの殺人に見せかけた


その直後
警部の刺し傷を検視したトマスは傷の深さと方向が
今までの殺人と全く違うことに気がつき
アレックスに教えたが、やはり彼は適当に受け取り
疲れたトマスは自宅に帰ってしまう
するとアレックスはトマスは真面目すぎると考え
実験用のマウスにマリファナを吹き掛けると
トマスの振りをして適当に電話した相手はバーバラで
彼女に家に遊びに来いと言ってトマスの住所を教えた



ニュースを聞きながら風呂に入っていたトマスは
警部の殺害はキャンパス・キラーの物ではないと怒鳴り
自分が4時間もかけて切り刻んだんだ!と
検死の状況を無意識に言葉に出すと
夜中に電話で誘われ頭に来て彼を殺そうと
家に侵入していたバーバラの顔つきが変わった
”あぁ 同じ殺人趣味の男がいたわ”
興奮した彼女は姿を現し驚いたトマスに聞く
”選択は2つよ くだらない話をするか
”あたしを抱くか
勿論!童貞のトマスが選んだのは後者で
彼女に抱きつくと2人共別の意味で興奮し
激しいキスを交わしてイザSEXとなりそうになり
バーバラはトマスに聞く
”ねぇ 初めて切り刻んだの?
するとトマスは解剖の事だと思い
”まさか もう30人は切り刻んだよ”と答え
益々興奮したバーバラは嬉しそうに彼に絡みついたが
ドアをノックするアレックスに邪魔されて
明日また会う事を約束してバーバラは寮に帰った



突然のアレックスの訪問に怒ったトマスだったが
彼が持ってきた急死したマウスを
実験装置に掛けて細胞活性化薬を注射すると
まだ生きていた脳の死までの記憶がモニター映像に出た
マウスはアレックスが落とした薬を食べて死んだのだ
実験は成功 この機械と薬を使えば
死んで1時間以内なら人間の死体の記憶を見る事も
出来るかもしれない・・・



バーバラは運転手の首を足で締めながら
嬉しそうにトマスとの出会いを話していた
”彼は変態的な殺人鬼じゃないわ
”一見普通なのよね それがいいのよ



研究所に戻ったアレックスは様々な女生徒に電話し
スクリームの真似をして脅し遊んでいたが
直に電話を切られてしまい今度はバーバラに電話した
アレックス:俺はキャンパス・キラーだ 次はお前を殺ろす
バーバラ:え~?それは たいへんねぇ
アレックス:殺されるんだぞ?恐くないのか?
バーバラ:ん・・そうね・・あぁ恐いわどうしよう
アレックス:だろ♪これからゲームをする
アレックス:間違えたらお前の喉を掻ききるからな
アレックス:羊たちの沈黙の犯人の名は?
バーバラ:いやーん 難しすぎるわ~
アレックス:じゃあヒントだ カンニバルの一文字違いだ
バーバラ:はっ?もしかしてハンニバル・レクターの事?
バーバラ:犯人はオカマ野朗のバッファロービルよ!
アレックス:・・・・汗・・・・・
バーバラ:アソコを股間に挟んで歩く変態野朗よ!
バーバラ:もしかして貴方もそうなんじゃないの
バーバラ: ア レ ッ ク ス!
アレックス:・・・驚!・・・
バーバラ:よりによってわたしに電話してくるなんて
バーバラ:キャンパス・キラーは わたしよ



恐くなったアレックスは電話を切ってうろたえたが
勿論バーバラはコールバック
恐る恐る電話に出たアレックスは電話を切った事を詰られ
今から殺しに行くと言われて震えるとドアのノブが動き出し
シーツを被って解剖台に隠れたが失禁してしまい
バーバラに笑われる”あら かわいいじゃない”
もう駄目だ!そう思ったアレックスはメスを握り
バーバラを”これは刃物だ近づくな!”と脅したが
彼女は日本刀を抜いて見せ”あら これが刃物よ”と
震えて逃げようとしたアレックスを切った
”ぐあああ”血にまみれて倒れたアレックの
肺や内蔵を刺し楽しみながら殺ろすバーバラは
最後にフックで胸を刺し彼を電動チェーンブロックで
天井から吊り下げて去って行った・・・・




バーバラを高級レストランに誘ったトマスは
彼女に将来の質問をした
”殺人の事?♪違うの?
”あら将来の事 そうね結婚したら子供2人生んで育てるの
”ホステスと歌手をやりながらね♪”と答え
酒も入り楽しく会話をしていたが
ふとバーバラは自分が買おうとしていた赤いドレスを
先に買って着ていた女がトイレに入るのを見かけ
彼女を追ってトイレに行くと彼女のトイレのドアに
モップを折って挟み開かないようにした上で
隣の個室の上から覗き込み”その服脱ぎなさい”と
彼女を脅して折れたモップを刺して殺した



赤いドレスに着替え席に戻ったバーバラは
トマスに”貴方もタキシードに着替えて”と言い出し
”そうしたらあたし 濡れちゃう カモ・・”とウインク
堪らずトイレに入ったタキシードの男を追いかけたトマスは
服を譲ってくれと必死に頼むと
その男は童貞で同じように女にモテない悩みを抱えていて
同じトレッキーだと知るとバルカン・サリュートを決め
男は快くトマスにタキシードを譲った・・・



着替えて現れたタキシード姿のトマスに
”彼は何処に隠したの?”と
殺害して奪ったと思うバーバラが聞くと
”彼はトイレにいるよ”と言われ死体がそのままだと勘違い
慌ててトマスと店を出て外に寝転んで人生を語り合う
”私達は血まみれで生まれて来て血まみれで死ぬ
”死人は完ぺきよ 太らないし汗もかかない
全てジョークか変な思い込みだと思ったトマスは
彼女の部屋に行って母親の写真を態と倒して怒らせ
バーバラと野獣のように交わった
バーバラは初めてエクスタシーに達する・・・



だが
アレックスの検死で呼ばれたトマスは
死んだ親友の遺体に縋って泣き崩れ
込み上げる怒りを露にすると自分の装置を使って
死後1時間以内の脳から犯人の映像を引き出せると
警部補に進言して機会を待った・・・
”犯人の顔を見たいか?!



警部補は構内にある寮の部屋を1室ずつ訪ね歩き
キャンパス・キラーの情報を得ようとして
遂にバーバラの部屋をノックすると彼女に招き入れられ
油断して縛られ車で運ばれて殺害されてしまう
発見が早かった警部補の遺体は直にトマスに届き
彼は遺体を装置にセットすると細胞活性薬を注射
紫色の、その液体を大量に何度も注射したが
モニターに出た脳内映像はキャンパスを歩く一瞬だけだった
諦めきれないトマスは注射を続け3時間ほど寝入ってしまうが
突然、後ろに警部補が立ち 
彼は、なんと生き返った



だが
肝心の犯人の記憶が失われていた警部補は
今まで殺された30人の遺体を全て蘇らせろとトマスに迫り
銃まで突きつけられたトマスは仕方なく安置所の遺体全てに
注射を打って全員蘇らせた
するとやはりトマスの想像どおり死後の時間が経過している
遺体ほど記憶も無く言葉も喋れず本能だけで動く
それらは殆どゾンビとなっていた
親友のアレックスも蘇っていたが彼は記憶が混濁し
バーバラの事を断片的にしか覚えておらず
人食いゾンビの真似をしてトマスをビビらせて笑っていた
すると時間と共に脳が腐って行くゾンビ達は本能だけが残り
今夜開かれるパーティー会場にバーバラの姿を求めて
出て行ってしまい通行人を襲って食い始める
彼等は本能的に恨みがあるバーバラを探しているのだ



と!
ココまで話が終わったバーバラは
運転手をどうやって殺ろすか考えたが
話を全部聞いた運転手は”たまには見逃すのも?”と
スプラッターファンには意外性も受けると話し
バーバラは彼を開放してパーティーに向かい歩き出すが
手が縫い付けられたままの運転手は
バーバラを大声で罵ってしまい
気が変わったバーバラは後ろを振り向いて車を撃ち
彼は爆発して死んでしまった・・・



ゾンビ達が仮装パーティーに向かった事を知ったトマスは
バーバラとの待ち合わせを思い出し会場に先回りすると
壁に掛っていた銃を発砲し皆にゾンビがやって来ると
危険を知らせるが相手にされずバーバラを探し見つけ
”詳しい事を話す時間が無いが逃げよう”と言い
バーバラは訳も分からず2階にコートを取りに行ったが
ゾンビはドアを破って雪崩れ込み会場はパニック
若者たちが次々とゾンビの餌食になっていく



すると惨劇を見たバーバラは2丁拳銃を構え
襲い来るゾンビ達を撃つが全く効果が無く
2階の部屋にトマスと避難して立て篭もった
だが
部屋に隠れていたキャンパス・クイーンが騒ぎ出し
頭に来たバーバラはドアを開けて彼女を追い出し
ゾンビの餌にしてしまった
それを見ていたトマスは、やっとバーバラが
キャンパス・キラーだった事に気がつき驚いて
バーバラもトマスが殺人鬼ではなく解剖医だったことを
初めて聞いてお互い罵りあう・・・が?
トマス:君が殺人鬼だったとは!
バーバラ:あんたがSEXが下手だったら殺してた!
すると2人はキスを交わし
トマスは何故?殺人をするのかと聞くと
バーバラは”サソリ”の話をした



”川を渡りたいサソリはカエルに頼んで背に乗ったが
”川の途中でカエルを刺し溺れてしまう



だが
話しの途中でゾンビ達がドアを破って侵入
追い詰められたバーバラは窓からトマスと飛び降りながら
ガス缶を撃ち抜き部屋は爆発してゾンビも壊滅した
爆風で飛ばされたバーバラは見事に着地したが
トマスは全身を強く打って動かない・・・
”死んじゃったの?
悲しみに暮れるバーバラだったが
1人生き残っていた警部補ゾンビがチェーンソウで彼女を襲った
流石のバーバラも素手では成すすべが無く
”早く殺しなさいよ”と死を覚悟したが
意識を取り戻したトマスが銃身でチェーンソウを防ぎ
銃を受け取ったバーバラは警部補の頭部を撃って撃退した



生き残った2人は燃える屋敷を背にキスを交わし
トマスは”結婚して幸せな家庭を築こう”とバーバラに言うが
彼女は突然トマスを刺してしまった・・・
”なぜだ?
死んで行くトマスにバーバラは悲しい話の続きを言う



”毒で死にゆくカエルに溺れるサソリは言った
”すまない 本能なんだ・・・



1人月が見える丘を去って行くバーバラは
突然振り向くとトマスの遺体を抱き抱え歩き出した



・・・・エンドロール・・・・

機械に掛けられ紫の薬を打たれたトマスは
ゾンビとなって蘇った”うがぁぁーー”








マカレナ・ゴメス :バーバラ
セサール・カミーノ:トマス
アレホ・サウラス:アレックス



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原題:SEXYKILLER, MORIRAS POR ELLA
監督:ミゲル・マルティ
製作:ハウメ・ロウレス
タデオ・ビリャルバ
製作総指揮:ハビエル・メンデス
フアン・カルロス・カーロ
脚本:パコ・カベサス



ありがとう♪
押してくれるとサソリが逃げます♪