2003年        アメリカ作品






海の恐怖が今始まる…




本作の監督はクリス・ケンティス
脚本、撮影、編集もこなし
凡そ1400万円の製作資金は妻ローラ・ラウと2人
製作期間も含め3年近く掛けて集めたと言う
インディペンデント映画である



CGやスタントマンを使わず製作された本作は
04年サンダンス映画祭では全上映作品中最高アベレージとなる
集客数を記録し忽ち話題を独占すると全米2千7百館での
拡大公開が実施され当然世界26カ国でも公開される事になった



キャストはヒロイン役ブランチャード・ライアン 以外
殆どが映画初出演でありTVドラマの俳優が締め
実話を元に構想された本作のリアル感を重視している



実話を元に構想された内容は
バカンスでスキューバ・ダイビングを楽しんだ夫婦が
見習い指導員のミスで海に置き去りにされてしまうという
凡ミスが恐ろしい結果を生むと言う物で
実際に似たような事故は多数あるらしく
人命に関わらず済んだ件は隠蔽されているという噂まであり
この映画が残した教訓が役に立つ日が来るのかもしれない



ソリッド・シチュエーション・スリラー等と
呼ばれるこのような作品はサバイバル性から言うと
続編のように題が付けられた
2007年オープン・ウォーター2
2010年フローズン が同じような恐さを発揮してヒットしたが
来年あたり?公開されるかもしれない
2010年ザ・リーフ という映画も原因以外は本作に酷似していて
(↑英語版ならココで見れます
中々スリルがあったが

流石に海3発&サメばっかりはキツイので
公開はされずビデオスルーになるかもしれない



オーストラリアで起こった実際の事故とされる
本作だがその事故というか事件では
夫婦は行方不明のままであり
事故の詳細など分かるはずが無いのだから
あくまでも実話というのは置き去りにしたことであり
これらの映画が恐くて面白いと評判を呼ぶのは
アイディア以上に演出と役者の演技に掛っている
その意味でも本作は素晴らしい出来栄えだと思うし
過去を見てもサンダンス映画祭で話題になる作品は
どれも納得の素晴らしさだと感じている・・・
自主映画って凄い・・・










   これは実話に基づいている


共稼ぎで社会的地位も高い夫婦ダニエルとスーザンは
忙しい仕事のスケジュールを調整し何とか休暇を合わせると
ひっきりなしに掛ってくる携帯にウンザリしながらも
南の楽園の島にやって来た
強烈な日差しと青い海は2人の溜まりに溜まったストレスを
解消してくれるかと思われたが
倦怠期に入っていた夫婦は表立って喧嘩はしないが
休暇をスケジュール通りに過ごす何処か形式的な方法を
自然と執ってしまい夜の営みもやはり気が乗らなかった



そして翌朝
予約していたスキューバーダイビングを楽しむため
2人はガイド付きのボートに18人の他客と乗り込み
ダイビングポイントに到着 
漸くバカンスを楽しめる雰囲気になってきた
2人1組になり次々と珊瑚の美しい海に入ってゆく客たち
ダニエルとスーザンもレンタル機器にはなんの異常も無く
青く神秘的な海の底で楽しい時間を過ごしていたが・・



耳抜きが旨く行かずダイビングを中止した客が2人浮上すると
1人水中メガネを忘れ諦めていた男がメガネを借り
戻ってきた客1人を誘って海に潜った
だがこの時
指導員見習いの青年は海から戻った客の人数と
新たに潜水した2名の人数の調整を怠っていた・・・



やがて・・・
次々と客たちはボートに戻り
狭いボートは足の踏み場も無いほどに犇き合い
見習いの青年はそれでも必死に戻った人数を記入し
ちょうど20人になったところで船のエンジンはスタート
港に向かって帰港してしまった
実際船に戻った客の人数は18名だった・・・



何も知らないダニエルとスーザンは
海の中でパートナーになった事もあり
お互いの溝を埋めるように楽しみ酸素残量ギリギリで浮上
だが・・そこに船はいなかった・・・
”一体 どういうこと?
”真下の珊瑚が目印だ 間違えて浮上してはいない
だが左右遠くに2艘の船影が見え2人は両手を振って
もしや流されたのか?と救助を待ったが
何時しかどちらも船影も遠く離れてしまった



スーザンは”あの船まで泳ぐ?”というが
ダニエルは”ポイントを離れるのは得策ではない”と言い
距離も分からず動くのは危険だと判断して
その場に留まっていた・・・だが
海の中を見たスーザンは珊瑚が見当たらない事を指摘
彼等は流されていたのだ
スーザンは泳ごうとしたがダニエルが止める
”潮の流れには逆らえない・・・”



2時間経過
2人の前にサメが現れダニエルはナイフを抜くがサメは去った
”サメは怪我した魚に集まる 
”じっとして波を立てない方がいい
納得したスーザンだったがやはり足元が恐く海中に顔をつけて
警戒していた・・・



1:30分
2人はお互いに笑い話しをし
港に着いた船が人数の間違いに気が付いて必ず助けに
戻ってくると信じながら午後になっても動かず漂っていたが
スーザンが空腹を訴えた直後 体に痛みを覚えた
なんと2人の廻りに何時の間にかクラゲが漂い集まり
スーザンは2箇所も刺されたのだ
堪らず2人は場所を移動 背泳ぎでクラゲの集団から抜け出す
”焼けるように痛い・・・
スーザンは痛みに今まで我慢していた感情が爆発し
遂に泣き出してしまった・・・
”もう嫌 どうすればいいの・・・
ダニエルはスーザンを抱き寄せ”キット大丈夫だ”と励まし
ダイバーマガジンで読んだ置き去り事件の話をして
気を紛らわすとまた船が遠くに見え
2人は喜んで手を大きく振る・・・”見つけて欲しい”
しかし・・船は去って行った・・・



午後になってから空は曇り視界は極端に悪化していたのだ
ダニエルは海は広く捜索に手間取っているだけだと
スーザンを励ますがズット波に揺られたスーザンは
吐き気をもようしベルトの重りを捨てたが
ダニエルはそんなスーザンを支えて寝かせる



4:40分
何時の間にかスーザンは広い海を1人寝ながら漂っていた
彼女の真下には数匹のサメが集まり
鰭に触れたスーザンは飛び起きて眠って流れたダニエルを探し
必死に泳いで辿り着き抱き合う
”どうしたの 物凄く恐かったわ
ダニエルは眠ってしまった事をあやまり時計を見て驚く
”もう7時間 水の中だ
そんな折 
足に痛みを訴えたスーザンは
不安と恐怖に空腹も祟り遂に嘔吐した



嘔吐物に集まってきた小魚達はスーザンの足を突き
ダニエルは脹脛に痙攣を起こしてしまい
サメが目の前で跳ねると
弱音が出て今度は罵りあいが始まってしまう
スーザン:私達 もうだめだわ
一時後 ダニエルは怒鳴り出した
ダニエル:うわ~~~~
ダニエル:こんな話があってたまるか!
ダニエル:態々金を払って能なしどものボートに乗った
ダニエル:おかげで海の真ん中に置き去り このザマだ
怒りを爆発させ大声を上げるダニエルに
スーザンは空虚な目で遠くを見つめて聞いた
スーザン:スッキリした?
ダニエル:俺が叫んだから怒ってるのか?
ダニエル:最後にこれだけ答えてくれ
ダニエル:俺のせいだと思ってるのか?
スーザン:やめてよ
・・・・・・・・・・・・



ダニエル:君がどう思おうとボートの位置は間違っていない
スーザン:位置が正しくても遅れた
ダニエル:遅れていない 集合は10:30分だった
スーザン:いつもギリギリなのよ!
スーザン:すぐグループから離れてしまう
スーザン:人と同じじゃ気が済まない
スーザン:いつまでもウツボなんか見て
ダニエル:本気でそんなこと思ってるのか?
ダニエル:遅れたから置いていかれたって
ダニエル:そんなの馬鹿げてると思わないか
スーザン:私が馬鹿? だからここに?
ダニエル:もういいよ 悪いのは俺だ
スーザン:どうして泳がなかったのよ
スーザン:ボートが見えてたのに動くなって言うから
スーザン:見て これよ 海の真ん中に置き去り
スーザン:助けも来ない
ダニエル:たとえ5時間 泳いでも
ダニエル:どこにも着かなかったさ
・・・・・・・・・・・・・



ダニエル:こんなことになったのは君の仕事のせいだ
ダニエル:君の仕事さえ無かったら今ここに居なかった
ダニエル:こんなあわただしい旅行 来なかった
ダニエル:最初に計画したのは7ヶ月 7ヶ月も前だぞ
ダニエル:あの時 行ってりゃよかった
ダニエル:大金払ってサメのエサなんて
スーザン:今更言わないでよ 日を決めたのはあなたよ
スーザン:スキーがよかった
・・・・・・・・・・・・・



お互い罵り疲れた2人は遠くを通る大型タンカーに手を振るが
それは全く虚しい無意味な行動で
水面下のサメはドンドン数を増やして行く
やがて2人は話すのを止めてしまった・・・



午後6時45分
視界にヨットが入ると2人はヨットまで泳げるだろうか?と
相談しお互いの体を気遣いながら一緒に背泳ぎでボートに向かう
だがサメも彼等を追走しておりダニエルはナイフを握り
スーザンを気遣うと”アイラブユー”とスーザンはキス
忘れていた飴玉を見つけて食べ元気が出たが
ダニエルがサメに噛まれ海面は血に染まった
”ダニエル 気を確り!私が足を見るわ”
スーザンが海に潜るとダニエルの片足の脹脛が食い千切られていた
彼女はベルトで止血し”重傷じゃない 助かるわ!”と
パニックになっているダニエルを必死に宥めた・・・



夜11:30分
辺りは暗闇に包まれ月明かりだけが彼等を照らしていた
だが急に天候が悪化し雲が月を隠すと真っ暗闇の中
雷鳴が彼等を照らしサメが再び彼等を襲う
”アイラブユー ダニエル確りして 私を一人にしないで
だがサメは執拗にダニエルの足を狙い少しずつ食い千切る
暗闇の海 
スーザンの泣き声とダニエルの苦痛の呻き声が響く





船を点検していたダイビングショップの指導員は
イスの下に置かれていたダニエルとスーザンの着替えを発見
顔色を変えた指導員は桟橋を走り
ホテルも消えた2人に気が付いてやっと事件が発覚
数十隻の船とヘリコプターがダイビングポイントを目指す



海に漂うスーザンは動かないダニエルを抱いていたが
彼女の顔色は真っ青で血の気は殆ど無かった
やがて・・・
スーザンはダニエルの死体にキスをすると
彼のアクアラングを外して海に流した
サメはダニエルの死体を突き・・・



やがてサメに囲まれたスーザンはアクアラングを外すと
そのまま海中に消えた・・・・・・・・・・



直後
捜索の船やヘリはポイントに達した・・・・・・・





ブランチャード・ライアン :スーザン
ダニエル・トラヴィス :ダニエル
ソウル・スタイン :セス
マイケル・E・ウィリアムソン:デイヴィス
クリスティーナ・ゼナーロ:リンダ
ジョン・チャールズ:ジュニア
エステル・ラウ:エステル



オープン・ウォーター [DVD]
オープン・ウォーター [DVD]



原題:Open Water
監督:クリス・ケンティス
製作:ローラ・ラウ
エステル・ラウ
脚本:クリス・ケンティス
音楽:グレーム・レヴェル
撮影:クリス・ケンティス
ローラ・ラウ
編集:クリス・ケンティス



ありがとう♪
押してくれると救助されます♪

2001年      スペイン作品





スチュアート・ゴードン とブライアン・ユズナが
映画化したH・P・ラヴクラフト の「インスマンスを覆う影」
ダゴンとはクトゥルフ神話のインスマウス人によって
組織された邪悪なダゴン秘密教団の神であり
古代パレスチナにおいて

ペリシテ人が信奉していた神でもある



主演は
TV俳優のエズラ・ゴッデン
恐らくデビュー作ではないかと思うが定かではない
人魚でイカ娘のマカレナ・ゴメス はスペイン産の
ちょっと異風系の美人?で眼差しに魔力が宿っていて
最近では今年発売になったDVD
08年セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド にも
出演していて 

その目力は全く衰えていない

エゼキル役で出演したフランシスコ・ラバル
撮影終了後に急死した為 

本作が遺作となっている



内容は
スペインの田舎の港町で座礁したヨットに乗っていた
男女が恐ろしい邪教の生贄になってしまうと言う物だが
実は
その中の1人の男の出生の秘密も同時に暴かれるという
何とも因縁めいた恐ろしい話だが
原作インスマンスを覆う影には無いストーリーも
何時ものように脚色されている
しかし元々映画の長さに十分な長編ではない為
それは いた仕方の無い事であろう



問題の深海の神ダゴンの描写は殆ど無いが
それが逆に本作の古く異質で暗いイメージを
増幅するのには成功していて
CG等で作る巨大モンスターが出てこないほうが
作品としてはプラスになっている思う
しかし
突然テンポが変わってしまうキスシーン等は
作品の流れも雰囲気も壊してしまっていて
役者の力量だけでなく脚本にも問題があるように
思えてならない



なんにせよ
スチュアート・ゴードンとブライアン・ユズナの
黄金コンビ?が、久しぶりに作り出した作品でもあり
歓迎すべき物である事は変わらないし
熟成され熟練した技巧は昔に比べて
良くも悪くも大人の映画になってきたようにも感じた









アメリカの株式投資で財を成したポールは
恋人のバーバラに誘われハワード夫妻のヨットに乗り
母の母国スペインにバカンスに来ていたが
彼が毎晩のように見る悪夢は海底深くに横たわる
謎の紋様をした黄金都市と美しいが牙のある
人魚の夢だった・・・・
悪夢を見て飛び起きたポールを慰めるバーバラだったが
彼が株価を気にしてパソコンを始めると急に怒りだし
大事なデータが入っているパソコンを海に投げ捨ててしまう



と、
突然陸の方から黒い雲が現れ雷鳴と共に激しい嵐が巻き起こる
大波に浚われたヨットは舵も効かず岩礁に衝突し
キャビンに居たハワードの妻ビッキーが悲鳴をあげた
なんとビッキーの片足が壊れたベッドの下敷きになり
脚が抜けないばかりか出血も止らない・・・
海水も浸水し痛みと恐怖で泣き叫ぶビッキーにハワードが付き添い
ポールとバーバラはゴムボートで港に向かい助けを呼びに行ったが
インボッカと呼ばれる古いその港町には
人の気配がまるで無かった・・・・・・・・



激しい雷雨の中 携帯も通じず途方に暮れる2人だったが
目の前に現れた”ダゴン秘密教会”から
人の声が聞こえ中に入ると暗闇から突然神父が現れた
驚いた2人だったが、他に人も見当たらず神父に救助を要請
港に居た船乗りを説得してもらいポールは漁船で救助に向かい
バーバラは残ってHOTELの電話を借り警察に通報する事になった



だが
ヨットに行ってみるとハワード夫妻の姿は無く
HOTELに電話を借りに行ったバーバラは
首にエラのような物がある不気味なフロントの男と
手に水掻きが付いていた神父に襲われてしまった・・・
何も知らないポールは仕方なく港に戻り
HOTEL行くがフロントの男は何を聞いても無言のままで
取りあえず部屋のキーを貰うが電気も付かないその部屋は
ベッドはカビに覆われ水道水も腐っていた
しかも窓から外を見ると何処からか現れた
不気味な町の人間達が集まりポールを指差している



その刹那
部屋のドアが激しく叩かれ町の住民がポールに襲いかかった
恐怖に駆られたポールは窓を壊して飛び降り脱出するが
落ちた納屋には皮を剥がれたハワードの遺体が吊るされていた
しかも
半分化け物のような住民たちの追撃は終わらない
火を使って蹴散らしながら逃げたポールは
浮浪者のような男エゼキルに出くわし
彼を捕まえて縁の下に隠れた・・・



”一体何故 僕を皆が襲うんだ?バーバラはどうした?”
するとエゼキルはバーバラは殺されたと言い
町に纏わる恐ろしい話を教えてくれた
”俺が子供の頃、急に魚が獲れなくなり町は貧困に喘いだ
”するとカンバロ船長が突然教会に現れ
”キリスト教を止めてダゴン教を信仰せよと唱えた
”飢え死にを恐れた町の大人達はダゴン教を信じ
”カンバロが海に呪文を唱えると
”その日から大漁の魚や金塊までもが網に掛る様になったが
”ダゴンは生贄を要求し俺の両親が最初に殺された
”俺は助かりたいが為にキリスト教を捨てた振りをし
”生き延びたが、町の人達は全員半漁人に変っていった
”この町に外部から来るものは生贄にされるのだ
「イア イア カトゥル ファタガン」


”なんとか脱出せねば殺される
そう思ったポールは町に1台だけある
バンガロ船長の孫ザビエルの車を奪って逃走を図ったが
エンジンの直結に失敗しクラクションを鳴らしてしまった
ポールを逃がそうと見張りの気を引いていたエゼキルは捕まり
堪らず屋敷に逃げ込んだポールは飛び込んだ部屋の中で
毎晩夢に見る人魚と同じ顔をした女に出会って驚く
女はザビエルの娘でウシアという名だった
何故かポールを匿うウシアは夢の事も知っていて
”この出会いは運命なのだ”とポールを求めるが
ウシアにキスしたポールは彼女の腹のエラに驚き
その両足がイカの足なのにも気がつくと驚いて逃げ出した



半漁人の運転手を倒したポールは車を奪い逃走するが
道に立ち塞がる半漁人達を数人轢くと運転を誤り
車は動かなくなってしまい近くの民家に逃げ込んだが
半漁人に襲われて網に捕らわれ殴られてしまった
・・・・
一時後
監禁小屋で目を覚ましたポールの周りには
生きていたバーバラとエゼキルそして片足が無くなり
海でダゴンに犯され子を身ごもったというビッキーが
恐怖で震えていた・・・



このままでは全員殺される
そう思った4人は牢を開けた半漁人達に殴りかかるが
多勢に無勢で敵う訳も無くバーバラは教会に連れ去られ
動けぬビッキーは忌まわしい腹を刺して自害した・・・
小屋に連れてこられたエゼキルは神父に裏切り者と罵られ
首から皮を切られて顔面の皮を生きたまま剥ぎ取られ
殺されてしまうが彼は最後までキリスト教を唱えていた
次はいよいよポールの番・・・
首の皮を切られ死を覚悟したポールだったが
車椅子に乗ったウシアが現れ
”ポールを開放しなさい”と命令して教会に行った



縄を解かれたポールは怒りのまま神父達を殺ろすと
灯油の缶を持ってバーバラを救いに教会に向かう
しかし
既に生贄の儀式は始まっており
全裸にされウシアに全身を切り刻まれたバーバラは
海に繋がる深い穴に吊られてゆっくり落とされて行った
教会の秘密のドアを見つけたポールは
長いトンネルを抜け生贄の間に辿り着くと
半漁人達に灯油を振り掛け火を放った・・・



数人の半漁人達が燃え上がり会場がパニックになると
ポールは急いでバーバラを引き上げたが
彼女は既に半死状態で”お願い殺して”とポールに哀願する
だがなんとかバーバラを助けようとポールが身を乗り出すと
穴の下の海から魔物の巨大な触手がバーバラを掴み
彼女は両腕だけを残して海に引きこまれて行った・・・



”なんてことだ!”
茫然自失になってしまったポールは
皆に殴り倒されザビエルに殺されそうになったが
間に割って入ったウシアがポールのシャツを捲りあげた
すると
ポールの両脇腹にはエラが出来始めていて
それを見たザビエルは人の皮のマスクを取り
素顔の魚人になると皆に言った
”奇跡だ この男はワシの息子 カンバロだ!”



スペインでザビエルの子を身ごもった母は
アメリカに逃げてポールを出産
ポールとウシアは異母兄妹だったのだ
・・・
驚愕の事実を知り変わって行く己の体に絶望したポールは
自ら灯油を被り焼身自殺を試みたが
燃え上がるポールにウシアが突進し共に海に落ちると
ウシアは夢に見た”深遠の淵”にポールを誘い
エラが機能したポール・・否 カンバロは深遠の淵に入り
2人は永遠に生きる事になった・・・




フランシスコ・ラバル :エゼキル
エズラ・ゴッデン :ポール
ラクエル・メロノ:バーバラ
マカレナ・ゴメス :ウシア



DAGON [DVD]
DAGON [DVD]



原題:DAGON
監督:スチュアート・ゴードン
製作:ブライアン・ユズナ
フリオ・フェルナンデス
原作:H・P・ラヴクラフト
脚本:デニス・パオリ
撮影:カルロス・スアレス
音楽:カルレス・カセス



ありがとう♪
押してくれると人魚に出会えます♪



1978年      アメリカ作品






監督は後に
パペット・マスター シリーズを
ヒットさせた奇人デヴィッド・シュモーラー
彼の感性は常人には計り知れない物があり
彼の作り出す作品は
どれもが異質な個性を持っている



70年代に作られた本作は
公開時の批評は散々だったが
監督にしてみれば本作は後に構想があった

作品の為の実験であり
マネキンや人形が動くという
怪奇でグロテスクな創造の手順に過ぎない



主演は
元プレイメイトのジョスリン・ジョーンズ
76年ダイナマイト娘 で披露したセクシーさは
今回は監督の意向で殆ど封印されている
更に驚くことに脇役で
ボンドガール で元チャーリーズエンジェルス
タニア・ロバーツ が出演していて
彼女こそは!と思ったが
やはりヌードは控えめであった・・・
そして怪人役はベテラン俳優
チャック・コナーズ
素晴らしい狂いっぷりを披露している



内容は
山の中に罠を仕掛けて獲物を狙う気違いの
罠に嵌った男女が恐ろしい力で殺され
マネキンや蝋人形にされてしまうと言う物で
05年の蝋人形の館 に似ているが
監督が やりたかったのは

”人形が動く” という
ただそれだけだったらしく
人が殺される描写や犯人の設定などが
中途半端になってしまった事が
批評や興業的に失敗した原因になっている




さて
監督の変質的な嗜好はさて置き
人形を題材にしたホラー映画は
実際とても恐い作品も多く
傑作もそうでないのもあるが
私的にお気に入りの作品を並べると
ドールズ や 新 旧 蝋人形の館等になるが
今でもトラウマになっているのは
子供の頃にリアルに見てしまった
TVドラマ怪奇大作戦の 青い血の女 

(青い血の女 全編見れます↑)
ウルトラセブンの アンドロイド0指令である










2台の車に分乗しバカンスに出掛けた5人
すると見知らぬ土地の山道で先行していたウディの車がパンク
スペアタイヤの空気が足りずウディは1人タイヤをころがし
山中の小さなガソリンスタンドに向かった
後から追いついたジープに乗っていたジェリー達は
1人動かぬ車で待っていたアイリーンを拾うと
ウディの後を追いマネキン人形館と表札が出ていた道に入った



その頃
ガソリンスタンドに辿り着いたウディが
いくら声を掛けても店員からの返事が無く
店内の奥の部屋に入ると突然部屋の鍵が閉まり
窓やクローゼットから出てきたのは
不気味に笑う人形達だった・・・・
恐怖に駆られて逃げようとしたウディだったが
床に落ちていた鉄棒が宙を舞い彼の背中に突き刺さった・・



ウディの後を追ってきたジェリー達だったが
突然車のエンジンがストップしてしまい
メカに弱いジェリーが必死にエンジンを直している間
滝つぼを見つけたアイリーンとベッキーは
水着の無いモーリーを誘い全裸で水に飛び込んで寛いだ


するとセクシーな3人の女性達に見惚れたのか
地元に住むというスローソンという大柄な男が
”そこは危険だよ”と声を掛けてきた
突然現れたスローソンに驚いた女達だったが
全裸のまま丘にも上がれず彼のくだらない話を黙って聞いて
彼が去った後 水から上がって車に戻った


しかしジェリーの腕では車は直らず立ち往生は変らない
やがて辺りが暗くなり始めると
さっきのスローソンが車で戻ってきて
4人を人形館である自宅に招いてくれた
趣味で作ったにしては出来具合がリアルなマネキンや
蝋人形が立ち並ぶスローソンの家に入った4人は
Drペッパーの自販機から取り出したビールをご馳走になり
近くに出来た高速道路のおかげで寂れてしまったこの近辺の
愚痴を聞かされ閉口したが
人の良さそうなスローソンは隣は弟ビリーの家だと言って
周りには他に民家も無く夜はコヨーテがうろついて危険だと
皆に外に出ないように釘を刺すと
工具を取り出し車を直しにジェリーと一緒に出て行った・・



暫くすると
行方不明のウディを心配するアイリーンは
電話を借りようと隣の家に1人で行くが戻らず
今度は彼女を心配するベッキーが一緒に探しに行こうと言うが
モーリーは亡くなったというスローソンの奥さんの
生き写しのような人形を見て触りその感触に驚いていた



スローソンの話では弟ビリーは町に行っているはず
誰も居ない家に入ったアイリーンは
人の話し声を聞きウディだと思い奥の部屋に入ってみると
突然鏡が割れマネキン達が動き出し首のスカーフが絞まる
・・背後から現れた仮面の男は不気味な声で笑っていた・・



1人家に戻ってきたスローソンは やはり車は直らず
ジェリーが1人で町に修理屋を呼びに行ったと説明するが
居なくなっていたアイリーンを心配し
また1人で外に探しに行くとビリーの家に入り
中で殺され人形にされていたアイリーンを発見し
”嗚呼 神様 なんて事だ”と うな垂れるも
ベッキーとモーリーには噓を言って
もう一度彼女を探すと外に出て行った・・・・・



しかしズット待っているのに疲れたベッキーは
嫌がるモーリーを連れて外に出ると
ビリーの家の窓に人影と明かりを発見し
キット アイリーンとウディがXXXをしているのだと思い
1人2階に登って窓から侵入するが
モーリーは嫌がってスローソンの家に戻って行った・・
懐中電灯で下から顔を照らし2人を驚かそうと部屋に入った
ベッキーだったがその部屋には数体のマネキンだけが立っていた
・・すると・・
部屋を出たベッキーは仮面の男や動き出すマネキン達に襲われ
気を失って地下室に運び込まれると柱に縛られてしまう
しかもその地下室には作業台に寝かされ縛られている女と
驚くことにジェリーまでもが柱に縛られていた・・・・



作業台に縛られていた見知らぬ若い女性は
”あの男は狂っている 皆 殺されるわ”と言っていたが
仮面の男は仮面に化粧をし正装すると戻ってきて
皆にウィスキーを飲ませると楽しいパーティーだといい
やはり作業台の女の顔に石膏を塗りつけ窒息死させてしまう
彼はGSに潜み給油しに来た人々を浚っては殺し
人形にしていたのだ・・・・・・・
ジェリーは人形作りに夢中になっていた男の隙を付き
縛られていた手のロープを食い千切ると
果敢に男に勝負を挑んだが壁に投げ飛ばされ
今度はテープルの足に施錠されてしまった・・・・・



1人で皆を待っていたモーリーは突然なった電話に出たが
無言で切れてしまい電話線は切れている事に気が付くと
皆を探しに家を出て行った


仮面の男は自分はスローソンの弟で超能力が使える事を話す
実際彼は物を意思で動かす力 念動力を持っていたのだ
兄スローソンはこの力を嫌っていると言うが
彼は”隠す必要など無い”と力を誇示して見せ
偶に意識が無くなる事が有ると不思議な事を言っていた



一方
皆を探しに森に出たモーリーは
仮面の男に襲われ逃げ惑い山道に出ると
車でやって来たスローソンに助けられるが
彼は仮面の男は自分の弟ビリーであり
”警察に言えば射殺されてしまう”と困り果て
ビリーをおびき出す作戦があると言って家に戻ると
ビリーが好きなラジオを掛けると家に入ってしまい
車の外で銃を渡され待っていたモーリーは
ビリーに襲われてしまった
堪らずモーリーはビリーを銃で2度も撃つが
彼は笑って立ち上がる・・・・
するとモーリーはビリーの仮面を銃で叩き割った
・・・仮面の下の顔はスローソンだった・・・



”何故?!YOU~~~”
モーリーはビリーの正体が
実は気が狂っているスローソンだったと分かり
森に逃げ出して追い詰められ沼に入って身を隠したが
スローソンは彼女の後ろから笑って浮かび上がり
彼女を溺れさせて浚っていく



ベッドに寝かされていたモーリーが意識を取り戻すと
回りには無数のマネキンが置かれ
優しい笑顔を振りまくスローソンが現れるが
彼は”大人しくしていればお前だけは人形にしない”と
お気に入りのモーリーだけは特別扱いしていた



だがその頃
床に落ちていた鑢を使い施錠を切ったジェリーは
ベッキーの縄を解き静かに屋敷を脱走しようとしたが
やはりスローソンに見つかってしまい
窓を破って森に駆け出す
しかし
反対方向に逃げたベッキーは疲れと怪我で倒れてしまい
元の服装に着換えたスローソンに抱かれ
また家に戻されると彼の超能力で動く
人形達に狙撃され最後はインディアンの人形に
ナイフを投げつけられて殺されてしまった・・・・



沼で風邪を引いてしまったモーリーは
熱に魘され目を開けると自分を介護していたのは
スローソンが作った人形だった・・・・・・・
すると今度はスローソンが金髪の仮面をつけて現れ
モーリーを抱いて屋根裏の人形部屋に運ぶと
彼女を床に寝せてマネキン達を動かして見せ
自分が何故このような事をするのか話し始めた



・・・
俺は弟を可愛がり何でも与えた
だが奴は俺の女房まで欲しがり密かに寝ていた
俺は自分を押さえられなくなり
女房と弟を殺してしまったが
寂しさに耐えられず人形を作った
俺の人形達は生きている 生きているんだ
・・・


すると逃げ出していたジェリーが斧を武器に戻り
モーリーを救い出すが何故かスローソンは
余裕で笑っていた・・・・
スローソンはジェリーの腕をもぎ取ると
首まで引っこ抜いて見せた
そう・・・ジェリーは人形だったのだ



あまりの事にモーリーは半狂乱になるが
彼女の悲鳴を聞いて興奮したスローソンは
妻の人形と踊り出した
幸せそうに踊る2人・・・・・・・・
暴走したスローソンの超能力は
廻りのマネキンを全て操り不気味な光景が繰り広げられるが
なんとか意識を正常に保っていたモーリーは
斧を拾って踊るスローソンの首に切り付けた!
堪らずスローソンは倒れて絶命し
人形達の動きも一斉に止った





スローソンの力で止っていた車が動き出し
山道を笑顔で下るモーリーだったが
車には4体の人形が乗っていた・・・・・・





チャック・コナーズ :スローソン
ロビン・シャーウッド:アイリーン
タニア・ロバーツ :ベッキー
ジョスリン・ジョーンズ :モーリー
ジョン・ヴァン・ネス:ジェリー



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原題:TOURIST TRAP
監督:デヴィッド・シュモーラー
製作:J・ラリー・キャロル
チャールズ・バンド
レナード・ベイカー
脚本:デヴィッド・シュモーラー
J・ラリー・キャロル
撮影:ローウェル・ピーターソン
ニコラス・ジョセフ・フォン・スタンバーグ
音楽:ピノ・ドナッジオ


ありがとう♪
押してくれないと蝋人形にされてしまいます♪