2003年 アメリカ作品
海の恐怖が今始まる…
本作の監督はクリス・ケンティス
で
脚本、撮影、編集もこなし
凡そ1400万円の製作資金は妻ローラ・ラウと2人
製作期間も含め3年近く掛けて集めたと言う
インディペンデント映画である
CGやスタントマンを使わず製作された本作は
04年サンダンス映画祭では全上映作品中最高アベレージとなる
集客数を記録し忽ち話題を独占すると全米2千7百館での
拡大公開が実施され当然世界26カ国でも公開される事になった
キャストはヒロイン役ブランチャード・ライアン
以外
殆どが映画初出演でありTVドラマの俳優が締め
実話を元に構想された本作のリアル感を重視している
実話を元に構想された内容は
バカンスでスキューバ・ダイビングを楽しんだ夫婦が
見習い指導員のミスで海に置き去りにされてしまうという
凡ミスが恐ろしい結果を生むと言う物で
実際に似たような事故は多数あるらしく
人命に関わらず済んだ件は隠蔽されているという噂まであり
この映画が残した教訓が役に立つ日が来るのかもしれない
ソリッド・シチュエーション・スリラー等と
呼ばれるこのような作品はサバイバル性から言うと
続編のように題が付けられた
2007年オープン・ウォーター2
や
2010年フローズン
が同じような恐さを発揮してヒットしたが
来年あたり?公開されるかもしれない
2010年ザ・リーフ
という映画も原因以外は本作に酷似していて
(↑英語版ならココで見れます
)
中々スリルがあったが
流石に海3発&サメばっかりはキツイので
公開はされずビデオスルーになるかもしれない
オーストラリアで起こった実際の事故とされる
本作だがその事故というか事件では
夫婦は行方不明のままであり
事故の詳細など分かるはずが無いのだから
あくまでも実話というのは置き去りにしたことであり
これらの映画が恐くて面白いと評判を呼ぶのは
アイディア以上に演出と役者の演技に掛っている
その意味でも本作は素晴らしい出来栄えだと思うし
過去を見てもサンダンス映画祭で話題になる作品は
どれも納得の素晴らしさだと感じている・・・
自主映画って凄い・・・
これは実話に基づいている
共稼ぎで社会的地位も高い夫婦ダニエルとスーザンは
忙しい仕事のスケジュールを調整し何とか休暇を合わせると
ひっきりなしに掛ってくる携帯にウンザリしながらも
南の楽園の島にやって来た
強烈な日差しと青い海は2人の溜まりに溜まったストレスを
解消してくれるかと思われたが
倦怠期に入っていた夫婦は表立って喧嘩はしないが
休暇をスケジュール通りに過ごす何処か形式的な方法を
自然と執ってしまい夜の営みもやはり気が乗らなかった
そして翌朝
予約していたスキューバーダイビングを楽しむため
2人はガイド付きのボートに18人の他客と乗り込み
ダイビングポイントに到着
漸くバカンスを楽しめる雰囲気になってきた
2人1組になり次々と珊瑚の美しい海に入ってゆく客たち
ダニエルとスーザンもレンタル機器にはなんの異常も無く
青く神秘的な海の底で楽しい時間を過ごしていたが・・
耳抜きが旨く行かずダイビングを中止した客が2人浮上すると
1人水中メガネを忘れ諦めていた男がメガネを借り
戻ってきた客1人を誘って海に潜った
だがこの時
指導員見習いの青年は海から戻った客の人数と
新たに潜水した2名の人数の調整を怠っていた・・・
やがて・・・
次々と客たちはボートに戻り
狭いボートは足の踏み場も無いほどに犇き合い
見習いの青年はそれでも必死に戻った人数を記入し
ちょうど20人になったところで船のエンジンはスタート
港に向かって帰港してしまった
実際船に戻った客の人数は18名だった・・・
何も知らないダニエルとスーザンは
海の中でパートナーになった事もあり
お互いの溝を埋めるように楽しみ酸素残量ギリギリで浮上
だが・・そこに船はいなかった・・・
”一体 どういうこと?
”真下の珊瑚が目印だ 間違えて浮上してはいない
だが左右遠くに2艘の船影が見え2人は両手を振って
もしや流されたのか?と救助を待ったが
何時しかどちらも船影も遠く離れてしまった
スーザンは”あの船まで泳ぐ?”というが
ダニエルは”ポイントを離れるのは得策ではない”と言い
距離も分からず動くのは危険だと判断して
その場に留まっていた・・・だが
海の中を見たスーザンは珊瑚が見当たらない事を指摘
彼等は流されていたのだ
スーザンは泳ごうとしたがダニエルが止める
”潮の流れには逆らえない・・・”
2時間経過
2人の前にサメが現れダニエルはナイフを抜くがサメは去った
”サメは怪我した魚に集まる
”じっとして波を立てない方がいい
納得したスーザンだったがやはり足元が恐く海中に顔をつけて
警戒していた・・・
1:30分
2人はお互いに笑い話しをし
港に着いた船が人数の間違いに気が付いて必ず助けに
戻ってくると信じながら午後になっても動かず漂っていたが
スーザンが空腹を訴えた直後 体に痛みを覚えた
なんと2人の廻りに何時の間にかクラゲが漂い集まり
スーザンは2箇所も刺されたのだ
堪らず2人は場所を移動 背泳ぎでクラゲの集団から抜け出す
”焼けるように痛い・・・
スーザンは痛みに今まで我慢していた感情が爆発し
遂に泣き出してしまった・・・
”もう嫌 どうすればいいの・・・
ダニエルはスーザンを抱き寄せ”キット大丈夫だ”と励まし
ダイバーマガジンで読んだ置き去り事件の話をして
気を紛らわすとまた船が遠くに見え
2人は喜んで手を大きく振る・・・”見つけて欲しい”
しかし・・船は去って行った・・・
午後になってから空は曇り視界は極端に悪化していたのだ
ダニエルは海は広く捜索に手間取っているだけだと
スーザンを励ますがズット波に揺られたスーザンは
吐き気をもようしベルトの重りを捨てたが
ダニエルはそんなスーザンを支えて寝かせる
4:40分
何時の間にかスーザンは広い海を1人寝ながら漂っていた
彼女の真下には数匹のサメが集まり
鰭に触れたスーザンは飛び起きて眠って流れたダニエルを探し
必死に泳いで辿り着き抱き合う
”どうしたの 物凄く恐かったわ
ダニエルは眠ってしまった事をあやまり時計を見て驚く
”もう7時間 水の中だ
そんな折
足に痛みを訴えたスーザンは
不安と恐怖に空腹も祟り遂に嘔吐した
嘔吐物に集まってきた小魚達はスーザンの足を突き
ダニエルは脹脛に痙攣を起こしてしまい
サメが目の前で跳ねると
弱音が出て今度は罵りあいが始まってしまう
スーザン:私達 もうだめだわ
一時後 ダニエルは怒鳴り出した
ダニエル:うわ~~~~
ダニエル:こんな話があってたまるか!
ダニエル:態々金を払って能なしどものボートに乗った
ダニエル:おかげで海の真ん中に置き去り このザマだ
怒りを爆発させ大声を上げるダニエルに
スーザンは空虚な目で遠くを見つめて聞いた
スーザン:スッキリした?
ダニエル:俺が叫んだから怒ってるのか?
ダニエル:最後にこれだけ答えてくれ
ダニエル:俺のせいだと思ってるのか?
スーザン:やめてよ
・・・・・・・・・・・・
ダニエル:君がどう思おうとボートの位置は間違っていない
スーザン:位置が正しくても遅れた
ダニエル:遅れていない 集合は10:30分だった
スーザン:いつもギリギリなのよ!
スーザン:すぐグループから離れてしまう
スーザン:人と同じじゃ気が済まない
スーザン:いつまでもウツボなんか見て
ダニエル:本気でそんなこと思ってるのか?
ダニエル:遅れたから置いていかれたって
ダニエル:そんなの馬鹿げてると思わないか
スーザン:私が馬鹿? だからここに?
ダニエル:もういいよ 悪いのは俺だ
スーザン:どうして泳がなかったのよ
スーザン:ボートが見えてたのに動くなって言うから
スーザン:見て これよ 海の真ん中に置き去り
スーザン:助けも来ない
ダニエル:たとえ5時間 泳いでも
ダニエル:どこにも着かなかったさ
・・・・・・・・・・・・・
ダニエル:こんなことになったのは君の仕事のせいだ
ダニエル:君の仕事さえ無かったら今ここに居なかった
ダニエル:こんなあわただしい旅行 来なかった
ダニエル:最初に計画したのは7ヶ月 7ヶ月も前だぞ
ダニエル:あの時 行ってりゃよかった
ダニエル:大金払ってサメのエサなんて
スーザン:今更言わないでよ 日を決めたのはあなたよ
スーザン:スキーがよかった
・・・・・・・・・・・・・
お互い罵り疲れた2人は遠くを通る大型タンカーに手を振るが
それは全く虚しい無意味な行動で
水面下のサメはドンドン数を増やして行く
やがて2人は話すのを止めてしまった・・・
午後6時45分
視界にヨットが入ると2人はヨットまで泳げるだろうか?と
相談しお互いの体を気遣いながら一緒に背泳ぎでボートに向かう
だがサメも彼等を追走しておりダニエルはナイフを握り
スーザンを気遣うと”アイラブユー”とスーザンはキス
忘れていた飴玉を見つけて食べ元気が出たが
ダニエルがサメに噛まれ海面は血に染まった
”ダニエル 気を確り!私が足を見るわ”
スーザンが海に潜るとダニエルの片足の脹脛が食い千切られていた
彼女はベルトで止血し”重傷じゃない 助かるわ!”と
パニックになっているダニエルを必死に宥めた・・・
夜11:30分
辺りは暗闇に包まれ月明かりだけが彼等を照らしていた
だが急に天候が悪化し雲が月を隠すと真っ暗闇の中
雷鳴が彼等を照らしサメが再び彼等を襲う
”アイラブユー ダニエル確りして 私を一人にしないで
だがサメは執拗にダニエルの足を狙い少しずつ食い千切る
暗闇の海
スーザンの泣き声とダニエルの苦痛の呻き声が響く
朝
船を点検していたダイビングショップの指導員は
イスの下に置かれていたダニエルとスーザンの着替えを発見
顔色を変えた指導員は桟橋を走り
ホテルも消えた2人に気が付いてやっと事件が発覚
数十隻の船とヘリコプターがダイビングポイントを目指す
海に漂うスーザンは動かないダニエルを抱いていたが
彼女の顔色は真っ青で血の気は殆ど無かった
やがて・・・
スーザンはダニエルの死体にキスをすると
彼のアクアラングを外して海に流した
サメはダニエルの死体を突き・・・
やがてサメに囲まれたスーザンはアクアラングを外すと
そのまま海中に消えた・・・・・・・・・・
直後
捜索の船やヘリはポイントに達した・・・・・・・
ブランチャード・ライアン
:スーザン
ダニエル・トラヴィス
:ダニエル
ソウル・スタイン
:セス
マイケル・E・ウィリアムソン:デイヴィス
クリスティーナ・ゼナーロ:リンダ
ジョン・チャールズ:ジュニア
エステル・ラウ:エステル
オープン・ウォーター [DVD]
原題:Open Water
監督:クリス・ケンティス
製作:ローラ・ラウ
エステル・ラウ
脚本:クリス・ケンティス
音楽:グレーム・レヴェル
撮影:クリス・ケンティス
ローラ・ラウ
編集:クリス・ケンティス
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