「蝶の眠り」

売れっ子の女性小説家・涼子は、自分が母と同じ遺伝性アルツハイマーに侵されていると知り、死を迎える前に何かをやり遂げようと、大学で講師を務めることを決める。講義初日、学生と訪れた居酒屋でアルバイトの韓国人留学生チャネと出会い、いつしか二人は年齢差を超えて恋人のように惹かれ合っていくが、病が進行するにつれ、涼子は愛と不安に苛立ち、チャネとの関係を清算しようとするのだった…。

DVDを買う画面で出る説明がこんな感じですね。
中山美穂さんとの映画で覚えてらっしゃる方もいるかもしれません。
私はこの時期完全に違う方向性を向いていたので、覚えはあるんですけどジェウクさんだという認識がなかった^^;
ちょっと中山美穂さんが苦手で演技とか声とか声の出し方とかが。
彼女の歌も演技も昔からどうにも好きじゃなかったのと音楽監督の新垣さんも話題性のためにこの人使うの?とちょっと引いた覚えしかない^^;
それでDVDにもなかなか手が伸びずにいたんですが、ブルーレイだとジェウクさんのコメントが入ってると書いてあったのであっさり購入(笑)

これ感想見てても賛否別れますよね^^;
ペヨンジュンさんとかではまった世代の方にはいいのかな?
おばちゃんを若い良い男が好きになってくれるという方向性に夢を希望とトキメキを覚えるかどうかが分かれ目になると思います。
私はおばちゃんですが、そこにトキメキは覚えないので、男女の愛の物語というよりも人と人のつながりの一部に男と女の関係もという感じですかね。
むしろプラトニックな関係のままの方が綺麗な映画になったかも?

色彩は綺麗でした本棚とか。
ブックインブックというか物語の中で脚本家として本を書いてるので、その物語も進むんですけど、それがあんまり魅力的に見えない^^;
ただ手伝うチャネの日本語を修正する感じは後から効いてくるのでうまい見せ方だなと。
ところどころ上手いんですよ。
だから余計、もったいない。
そもそも涼子が魅力的に見えない。
見た目がどうとかじゃなく、内面的な文学以外のこの人の強烈な何かが足りない。
過去の男性遍歴だけ強烈でもしょうがないだろ。
実は女の醜さを描きたかったのか?と思ったりもしたんですよチャネの美しさを際立出せるのに。

チャネの志をもって日本に来て、疲弊して削られて立ち止まってしまう感じはすごく良く描けてたのに、涼子の良さがほとばしらない。
犬を使うのも個人的にはちょっと。
犬を出すなら殺してはいけないハリウッドのお約束をせめて守っていただきたい。
チャネ時期のジェウクさんもあんまり定まっていなかったのか?
お顔に迷いというかそれこそチャネが見える。
それが憑依させてのものなのか、ジェウクさんご自身のものなのか分からないんだけど、ブルレイ特典のコメントのジェウクさんはエネルギーが満ちてたので、チャネ時期に迷いがあった説を勝手に(笑)

公園にチャネの痕跡は今も良く分からない^^;
2年後だっけか?
日本に戻ってきたときのチャネのスタイルがちょっと納得いかない(笑)
白い服でデートしてた時の綺麗な感じが良かった。
っていうか、なんであそこでおしゃれして綺麗を無駄遣いしたのかな?
なんであそこ無駄撃ちしたんだろ。

アルツハイマーだから美しい思い出をチャネに残したかった、のかもしれないけれど。
美しい思い出を作れるような自分が年じゃないのにどうしてだろう?
そもそも遺伝性のアルツハイマーなら自分がこれからどうなるかもちゃんと分かってるはずだと思うんですよね。
しがみついていい相手かどうか、しっかりしていた時期に見極めなかったところも涼子を好きになれない理由だな。
そして別れた夫に自分のフォローを頼むところもほんとに無理^^;
ましてズタズタに傷つけた相手に自分の面倒見てもらおうという発想が意味不明。
ごめん、涼子が嫌い(笑)
病気で死ぬからとか治らないからとか、そういうの振りかざされる側の気持ちになれないで作家にはなれなくない?

日本の映画で日本の俳優なんだけど、脚本も監督もクルーも韓国人だからなのか。
日本人の感覚のまま涼子を掴むのがとても難しい気がします。
チャネの方がむしろ日本人ぽい考え方をしてる気がする。
だから感情移入するなら涼子にしないことをお勧めします。
元夫の方がむしろ分かりみ(笑)

チャネのバイト先で居候先の居酒屋店主の永瀬正敏はこういう力の抜けた役がお上手ですよね。
さらっと演じられるタイプの俳優さんが好きです演技してますってタイプよりも。
ジェウクさんも力を抜いたままその人になりきれるから好き。
最後の激しい感情があふれさせる時よりも、銀行で順番待ってるときのチャネがすごくいい。
終わり方は他にも色々やりようがあって。
その中で監督のベストがあれということなんだなと。
日本と韓国では撮影の仕方も全然違うそうです。
説明しようとして、とにかく全く違うという言葉しか出ないジェウクさん可愛い(笑)
チャネと涼子の穏やかで平和な時期はほんとに短いんですけど、だからこそ綺麗な時間ではありました。
好き嫌いが分かれる映画だと思いますが、この時期のジェウクさんも保存しておくべきですねブルレイで(大事)

撮影から2年ぐらいかかって上映になったようなので(日韓同時なのか分かりませんが)
舞台挨拶で来日して犬と再会してたけど2年前だぜ?犬は覚えてないだろ(笑)
撮影が押していたせいか、撮ってた時はジェウクさんが先にクランクアップしてその足でもう帰国しなくてはいけなくて。
それでスタッフの方々とゆっくりお話も出来ないことを残念がっていたジェウクさん尊い。

演技に関しては監督からの注文は特になかったとインタビューで見ました。
韓国語が通じる映画通がジェウクさんしかいなくて、だから映画全体の話をよくしたようです。
制作側に近い立場でものをいったりしてたのかなと。
学生役で(休学中ですが)見た目も若いのでうっかりしがちですが、公開の2年前だと33とかそのくらいなんですよね。
今37ってそれもどこが時空がゆがんでるけど(笑)

ブルレイの特典のコメント撮りは2年越しの公開のために来日してすぐゆっくりするまもなくだったのかな?
もちろん上手に日本語で話してらっしゃるんですが、日本語を使うのが久しぶりで単語が思うように出てこないことに若干イラっとしててとにかく可愛い1
ほんとに今どきの日本人は組み合わせ間違えそうな言葉を自分にイラついた挙句きっちり正解出してくるところがこのブルレイ最高の見せ場です!(私には(笑))

あと何が可愛いって、監督(監督人で女性です)と中山美穂との冷戦についてを爆笑しながらバラすところ(笑)
ニュアンスが伝わらない大変さについてフォローする、ニュアンスが伝わるジェウクさんかっこいい(笑)
なんでこの時期にリアルタイムでジェウクさんに気付かなかったんだろうもったいない。
監督は女性なんだけど飾りっ気がなくてぶっきらぼうな感じなんですね。
それで中山さんが怒ってたとか平気で言う(笑)

あと初めて中山さんに衣装合わせで対面したとき、中山さんがジェウクさんをガン見したらしいんです3秒くらいかそれくらいの数秒カチンと固まったまま。
その気持ちは死ぬほど分かる(笑)
チャネがそのままそこにいたからという理由をつけてたけど、ジェウクさんが鬼のようにかっこいいからに決まってる(笑)
ジェウクさんはあの大きな目でじっと見られたって(笑)
のちに映画祭にも出られてて腕を組んでレッドカーペットを歩いてる動画も見ました。
どこでどう見たんだか、もう同じものを見つけられなくて泣きそう(笑)
車から降りるところが映ってるのがあるんですよこの世のどこかに。
その時のスーツの前のボタンを留めるジェウクさんが絵画のようです!
もう一回見たい。
だれかURL教えて(笑)