「Antique〜西洋骨董洋菓子店 」

よしながふみさんの漫画が原作の映画です。
日本でも昔ドラマ化されててご存じの方も多いかもしれませんね。
ドラマはあんまり見てなかったんですけど、原作は好きで持ってました。
よしながさんて心を爪でひっかかれるような読後感を醸し出す方で、ゲイが出てくるのでBL系なんでしょうけど、際際のところでセーフかな?どうかな?(笑)

甘いものが苦手なジニョク(チュ・ジフン)は、会社を辞めて‘女性客が多い’という理由で洋菓子店を開く。
パティシエとなったのは、とびきり腕がいいにも関わらず働く店ごとに恋愛トラブルを起こしてしまう‘魔性のゲイ’ソヌ(キム・ジェウク)。
元ボクサーで甘いものに目がないギボム(ユ・アイン)や、
ジニョクの幼なじみのスヨン(チェ・ジホ)も加わり、‘アンティーク’での毎日が始まる。
多くの人が極上のスイーツと美しい男たちに魅了されてゆく中、町では連続誘拐事件が発生する。
そして次第にジニョクの隠された過去が明らかになり始め、幼い頃の悲しい記憶が蘇える・・・。

キム・ジニョク(橘圭一郎):チュ・ジフン 
ミン・ソヌ(小野裕介):キム・ジェウク (
ヤン・ギボム(神田エイジ):ユ・アイン 
ナム・スヨン(小早川千影):チェ・ジホ 
ジャン=バティスト:アンディ・ジレ 

漫画は4巻だったかな?それくらいといいつつも情報量が多いので、映画で見せるにはいろいろカットするしかなかったところがあります。
そのあたりを短時間で雰囲気で飲み込んでもらうための手法としてちょっとミュージカルっぽい演出をはさんだりしてます。
そこに好き嫌いが出るのでもったいないなと思います。
どこを切ってどこを長く見せるかを、どうか私に決めさせてほしいとちょっと(笑)
でもそもそもの話が私は好きなので、定期的に見たくなる映画です。

話の肝は言うとネタバレになってご迷惑なので、そこには触れない感想を。
そもそも主演のチュ・ジフンさん。
この方、この映画以降ずっとジェウクさんと仲良くしてくださってるのでものすごく好きです(笑)
最初にはまった韓国ドラマの「宮」の皇太子役の方。
韓国で人気の俳優さんの顔は私にはちょっとズレがあってあれなんですが、この方のスタイルは好きです細いし。
神と共にという人気映画にも出ていらして(ドンウクさんもですね)その衣装が細さを強調してて大好き(笑)

悲しい過去が似合う人というイメージのお顔立ちで、ジェウクさんは今現在悲しそうな顔立ちなので相性がいいのか?(笑)
女好きの役ですがそれも原因があるわけなので、そのあたりを歌とダンスでさらっと流さないほうが良かった気がします。
ジェウクさんのソヌさんの高校時代のシーンも挟まれるんですが、それがまたほんとに垢抜けなくて(笑)
そんな垢抜けない子がケーキまみれでゲイバーに来ただけで大騒ぎになると言われても・・と思ったところで現在のソヌさんの映像になるのは上手いなーって思いました。

パティシエとしての制服が結構なんていうかパンパン?
首まで詰まっててダサい感じにしてあるのもいいです仕事が終わった後のソヌとの落差がとてもいい。
魔性のゲイのパティシエを演じるために、フランス語とお菓子作りとダンスの練習を2か月くらいだったかみっちりだったご様子。
研究してから役に入るタイプのジェウクさんゲイバーにも通われました。
その甲斐あってかすごく可愛らしいお顔立ちになってます。
顔つきが変わるんですよね役者って怖い(笑)
ポスターはより女の子っぽく撮ってあるんですが、そっちより映画の中のソヌの方が数倍可愛くて綺麗です。

ダンスはゲイバーで踊るソヌを通して魔性だということを伝えるためのもの。
これはすごくうまくいったと思います。
特訓されたらしいんですが、スタッフはシャイなジェウクがこんなすけすけの格好で踊り切れるのか心配してたそうです(笑)
実際は丸2日かけてゲイバーシーンをほぼほぼNGなしで乗り切ったとか。
ただし終わった後ソファーに倒れこんだって・・体力がなくて可愛い(笑)

ソヌはバーのカウンターに戻ってくるところがほんとに可愛い。
あぁみんなそれは見るなって思う(笑)
服にお金をかけまくってて浪費家で可愛いし(笑)
とにかく、ソヌが望む望まないにかかわらず、男という男がソヌに魅了されて刃傷沙汰になるので同じところで長く働けない。

男性とのスキンシップもダメなジニョクの元でなら続けられそう。
ソヌは女性がどうしてもダメ。
男がダメなジニョクと女がダメなソヌ。
三度の飯より好きな甘いものよりも好きなボクシングを網膜剥離であきらめざるを得なかったギボム。

ジニョクのボディガード(といいつつほぼジニョクが面倒を見てる)で何一つまともに出来ないでくのぼうのスヨン。
ギボムももうちょっと出来る子なので見せ場が欲しかった原作ではあるので。
でもジニョクとギボムの関係性は上手に出てましたね。

不足だったのはスヨンとソヌの関係性。
雨の中でくるくる回るシーンが普通にインサートだったせいですね。
あれはすごく大事なところなので時間を割くべきでした。
じゃないとソヌが引っぱたかれる理由の重みが伝わらない。
あっけらかんと何もしてないよね?と聞くソヌに悪気がないのは伝わるので、スヨン側の情報が圧倒的に足りない。
DVを受けた母親に対する思いとかもうちょっと出しといてくれたら、ソヌの修羅場の時のスヨンがまた違って見えたはずなんだけどなぁもったいない。

ジェウクさんが危うく国家的ゲイにされそうになったくらい上手すぎて。
アンティーク後はゲイ役ばっかりオファーがあって断るのが大変だったみたいですね。
イメージが付きすぎてほんとにゲイだと思われて時期も長くご苦労されました。
綺麗すぎるのが悪いのか。


フランス人のジャン役のアンディさんをお迎えするにあたり、真心で迎えなくてはと写真を見つめて恋心を育てたジェウクさん。
初めて会ったときは本当にかっこよくてときめいたとか言ったから余計ですね(笑)
マインドコントロールで心をゲイにすることは出来ましたが体が言うことをきかない異性愛者のジレンマの中撮影。
その感じは確かに(笑)
でも映像だと押されたらそのままなし崩しの下半身緩いソヌっぽくて違和感はない(笑)
ヤリまくってるのに経験のない子みたいに見えるまさに魔性です(笑)

個人的にはジェウクさんは服を脱がないほうが色っぽいと思います。
ただしなだれかかってるだけで色気があるので、むしろ脱いで男の質感が見えないほうが綺麗。
ジャンとのいざこざシーンも良かったです。
ジャンがじゃなくて痛そうなソヌが(笑)
スヨンじゃなくジニョクに抱き着くのもいいし、薬塗っておきながら叩くところもいいし。
ギボムに抱き着かれて痛がるところも良かった(笑)

この作品あたりのジェウクさんは番宣に出てても本当にシャイというか。
恥じらってるのがゲイっぽく見えちゃうんでしょうね色男たちに囲まれて明らかに可愛いし(笑)
また衣装も変なのばっかりだしどうなってたんだあの服はと今も思う(笑)
ジフンさんともものすごく仲が良くてずっと一緒にいたのも悪かったのかも(笑)
長身で切れ長の目のジフンの横にちょっと背が低くて目がクリクリで髪が長くにこにこのジェウクさんがまとわりついてたらまぁね(笑)
てか183㎝のジェウクさんを背が低いとか思うのが間違ってるんですけど(笑)
バランスが良すぎて困りますね。

後半はテンポも良くてクライマックスに向けて良かった。
お店にわらわらと人を受け入れるシーンがあるんですが、その時のソヌチェックもとてもいい(笑)
4人ともどこか不完全で、でもそれをお互い否定することなくちゃんと生きていく。
謎のすべてが解けるわけじゃなくても、人生は続いていきますしね。

個人的にはスヨンさんの体形がコヒプリのイ・オンさんのイメージと重なってしまって^^;
サングラスをかけている設定の役だったので余計、素顔が印象的には残らないんですね。
それで何年か経つと余計勝手に記憶がイ・オンさんがまだ生きてるみたいに修正されてしまうのかも。
だからもうちょっと強いエピソードが必要だったと余計に思います。

コヒプリの共演者の絆も素敵ですけど、アンティークも良いです。
ジェウクさん今年ドキュメンタリーの制作に関わられたんですが、そこでインタビュアーとしてギボム役のユ・アインさんと再会されてます。
メイキングでハグしあって、かっこいいって言われてました。
うん、知ってる(笑)
ジフンさんとはずっと良いご関係のようですし、また共演されると良いなと願っております。