向山庭園と高級住宅街 | 放浪の旅日記

放浪の旅日記

足の向くまま、気の向くまま出歩いた記録です。

寒い一日だったが、朝から陽がいっぱい出ていたのでチョット散歩。

西武鉄道豊島園駅から「としまえん」遊園地の南側地区をぐるっと一回り。

この時期、としまえんは火・水曜が休園日とあって入口周辺は閑散としている。

放浪日紀-としまえん

遊園地の入口に向かって左側の路地を歩いて行く。
少し行ったところに坂道があり、登り切った左手に庭園があった。

放浪日紀-城南住宅4

放浪日紀-向山庭園入口

この庭園は「向山庭園(こうやまていえん)」といって練馬区の施設である。
入園無料なので、事務所に断って中に入れてもらう。

放浪日紀-向山庭園2

広くはないが、池の周囲を回遊できる庭園は、多くの緑に囲まれ野鳥のさえずりが聞こえてくる。
閑静な庭をしばし鑑賞する。

放浪日紀-向山庭園1

この場所は昭和2~6年まで、時の内閣鉄道大臣江木氏邸であった。庭園の東側には著名陶器会社の役員邸があったが、現在は誰が住んでいるのか。

この「としまえん」南側一帯の向山3丁目は、練馬区の「みどりの安全モデル地区」第1号に指定された地域で、「城南住宅」と呼ばれる高級住宅街になっている。

放浪日紀-城南住宅3

高級住宅街といっても田園調布にはかなわないが、それでも殆どの家には国産車は無く、ベンツ,BMW,フィアットなどが並んでいる。たまに国産車を見掛けても、2台目のレジャー用SUVだったりする。

道1本挟んだ新興住宅地には、オデッセイ、ストリーム、MPVなど国産のミニバンが並んでいるので、建物ではなく車庫を見ただけで城南住宅との境界がわかる。

放浪日紀-城南住宅2 放浪日紀-スペーサ放浪日紀-城南住宅1

緑に囲まれた閑静な住宅街は、各々の邸宅が個性的で、標準的デザインの建売住宅とは異なる高級感あふれる様相を呈している。
春になると、敷地から街路にはみ出た大きな桜の木は見事な花を咲かせ、この時期の散歩も楽しみである。

城南住宅の城南は、練馬城の南側地区というところから来ているという。
かつて「としまえん」があるところには豊島氏の一拠点である練馬城があった。文明9年(1477)大田道灌によって滅ぼされるまでは壮大な権力を有していたらしい。

練馬城北側は崖になっており、その下に石神井川が流れており、それは現在も存在している。
石神井川へ流れ込む湧水がこの城南住宅付近にあり、前述の向山庭園の池もその一つである。
その侵食で谷が形成され練馬城の堀の役割を果たしていたと言われている。

歩いてみて、この地区の東西方向に坂が多いのは谷だったという話は納得できる。

としまえんに来た折にでも、この辺りを散策さしてみては如何かと思う。