ドール・東響のコンチェルトシュトゥック | Hornozaurusのブログ

ドール・東響のコンチェルトシュトゥック

この間の土日は1年半前 から楽しみにしていた、
シュテファン・ドールと東響のメンバーによるコンチェルトシュトゥックでした。

昨今はプロのみならずアマチュアでもとりあげる機会が増え、
すっかりシューマンの協奏曲のなかでもメジャーどころになっている(?)と思われるこの曲ですが、
これほどのメンバーでここまでハイクオリティな演奏が聞けることは日本ではそう無いと確信できる、
忘れられない演奏会になりました。

土曜夜サントリー、日曜昼ミューザと同プログラムで演奏されました。
私は2公演ともベルから生音を直接浴びる席で鑑賞し、ソリストの生音を堪能しました。
どちらも素晴らしい演奏でしたが、あえて分けるなら土曜が動、日曜が静という印象でしょうか。
大枠はバレンボイム指揮の演奏に近いものがありましたが、より深く、濃いものになっていたと思います。
表現の幅がやはりすさまじく大きいです。
ドールに全く引けをとらず、素晴らしい呼応を見せていた2ndの竹村さんにも大変感動しました。
2公演通した安定感では抜群だったのではないでしょうか。
3rdハミル氏、4th上間氏も緊張感あふれる中、譜面の入れ替わった2楽章はじめ大活躍で、すばらしかったです。

アンコールではゆったりとしたホルン四重奏曲が演奏されました。こちらのppの美しさも絶品でした。

初めて生音をたっぷり浴びたドールの音の拙い感想ですが、
ピアノではホイップクリームみたいなものがスポスポと、まっすぐに出てきて、
かと思えばフォルテではすさまじい勢いで弾丸が飛んでくる感じを受けました。
音量と音色と硬度が変幻自在といいましょうか、魔法にかかったようでした。

メインの火の鳥全曲版もかなりの名演だったと思います。
都響の西條さんがエキストラでトップを吹いていましたが、
終曲をはじめ大変美しく、
終演後は見事にMVPをかっさらっていました。

ということでこのコンサートの余韻にまだ浸っている日々ですが、
今月末のバボラク も楽しみです。