私は、妙な思い込みをしていた。
女性は専業主婦であってこそ、幸せなのだと。
仕事をする必要はなく、旦那さんからお金を貰う事が一番なのだと。
私が仕事をしたいと申し出たとき元夫は反対した。色々な理由を告げられたのだが、私はその言葉を疑わずにそのまま自分の考えとして頭に叩き込んだのだ。
どれだけ愚かであったのだろう。
己のバカさ加減に腹が立つ。
そして今、キャリア至高ではない私が仕事をする事でわかったことがあるのだ。
仕事を通して、社会の役に立てること。
人と話す事で、精神の安定が図れること。
自分の価値を見つけられること。
もっともっとあるが、代表的なものはその三つだ。
その上私が専業主婦だった頃にできなかったことが、経済的自立だった。
お金の使い道を、いちいちパートナーに相談する必要があり、パートナーが気に入らなかったら欲しいものは手に入らない。
自分にとって価値のあるものが相手の意思によって価値の変動を強いられる。
相手が浮気しても、これからの生活を思い一歩踏み出せなかったりそれ故に将来が不安になったりと良いことは何もない。
自分の幸せのためにも、自身の収入を得ることは大事なんだと離婚し働き出してから思ったのだ。
私は賢い人間ではない。
だから理解するのにも時間がかかる。
定年までは後20年近くあるのだが、それまで私のできることををし、力一杯生きていこうと思う。