私たちは、健康に気を使っている方でも、つい食べ過ぎたり、
ストレスを溜めて胃腸の消化力が落ちることがあります。

また、風邪を引いて、熱が出たりしたときも消化力が落ちます。
食欲も極めて減退します。

このようなとき、消化の吸収のよいものをという考えで、
野菜ジュース、ヨーグルト、スープ、おかゆといった
「流動食」を食べるようにしている方が以外に多いようです。

しかし流動食が消化力を助けるという説は、
根拠の無いことで、間違った思い込みなのです。

食べ物を消化・吸収するためには、順序があります。
まず、口の中で細かく噛み砕き、唾液とよく混ぜて、
アミラーゼ、マルターゼ、リパーゼという消化酵素で第1段階の消化を行います。

第1段階の消化が終わった食べ物は、胃に入り、
今度は胃液と混ぜ合わされ、第2段階の消化が行われます。
さらに、十二指腸、小腸に送られ最終段階の消化が行われた後、吸収されていくのです。

つまり、食べるときにどんなに細かく砕いたものを食べたとしても、
砕いただけであって、吸収できる最終段階になったわけではありません。

糖質はブドウ糖に、タンパク質はアミノ酸に、
脂肪はグリセリンと脂肪酸にならなければ吸収できないことを知ってください。

吸収できる状態にするには、消化酵素がなければ不可能です。
消化力が落ちているときは、消化酵素の分泌がよくない時なのです。

胃腸の消化力が弱っているのであれば、
それを助けるには、口の中でたくさんの唾液と時間をかけてよく混ぜ合わせ、
第1段階の消化を完璧に行ってから胃に食べ物を送ることです。

こうすることにより、第2段階の胃での消化がとても楽になるのです。

流動食では、ほとんど唾液と混ぜ合わせることなく
食べ物が胃に送られることになります。
つまり、第1段階の消化が極めて不完全な状態ですので、
かえって胃に負担がかかってくるのです。

口の中で、唾液とよく混ぜ合わせるには「よく噛む」ことが必要です。
噛めば噛むほど唾液が出て、第一段階の消化を完全にしてくれます。

しかも、噛むことは脳に
「今から食べ物が胃に送られるから消化の準備をしてくださいね」
という情報が流されます。
これにより脳は胃に胃液を出す準備をするように指令を出せるのです。

このように「よく噛む」ことは健康にとても大切なことです。
1口50回以上(できれば100回)噛むように心がけましょう。