私は、社会人になった頃から父が嫌いでした。

父は、いつも怒ってばかりいました。


ただ、ものを壊したり、暴力は振るいませんでした。


母にはしょっちゅう怒鳴っていました。

母もよく父の愚痴をこぼしていました。


こうなると、嫌いを通り越して父を憎むようになりました。

大好きな母親を苦しめるような父を許せなくなっていたのです。



6年前に28年間務めていた会社を辞め、独立しましたが、

父にはなにも相談しませんでした。


会社を辞めてしばらくしてから、父に伝えると、

父は激怒して、親子の絆は完全に断絶しました。



父とはずっと別居していたので、縁が切れても何の不都合もなく、

かえって清々した気分でした。


しかし、その後は、心の中はいつも重苦しく、

父のことが気になるようになりました。


いつも、心が苦しく、「何かがちがう」「このままではだめだ」

と感じるようになったのです。


この苦しい心を癒すには、父と絆の再結をするしかないと思いました。


私は、まず、止観という方法で、心のつぶやきを探しました。


すると、「この人には何を言ってもだめ。」と決め付けている自分を

発見しました。


次に、父の許せなかった言動と、父にしてもらってうれしかったことを

紙に書き出して見ました。

すると、許せないことは8件、嬉しかったことは32件あったのです。



父がよく怒っていたことも深く考えると、

自分勝手なわがままを言っているのではなく、

私のことを心配するあまり、怒りが出てくることが見えてきたのです。


「この人にはなにを言ってもだめ」と思い込み、絆を切っていたのは

私の方だった

ことに気付いたのです。


私は父に手紙を書きました。

今までしていただいたことの感謝と、お詫びを心を込めて書きました。


そうしたところ、父は全く別人のように、だれに対してもやさしくなり、

怒ることがなくなってしまったのです。


私の心も、長年のつかえがとれてすっきりしました。


私はこの経験から、嫌いな人の言動も全て私のためではないかと

考えるようになってきました。