最近、数人のアーティストに、観客の立場から見てあまり快く思えなかった点を指摘した。
無視されるだろうと思った。
結果はいずれのアーティストからも返事が返ってきた。
内容は皆真摯に受け止めてくれていること。
気づいてなかったことを指摘してくれてありがとう、というもの。
また、こちらの胸中も察してくれて、言いにくいことをよく言ってくれて感謝する、ということも付言してくれた。
彼らはそれだけ真剣なのだと思った。
自分が長い期間をかけて練り上げ、集客も地道に宣伝活動を続け満足いく水準になり、当日は盛り上がって終了した。
20歳前後であれば、普通は満点であり、余計なことを言われたら反発するもの。
ところが、彼らは極めて謙虚だ。
彼らは知っているのだろう、この世界が半端なく厳しいことを。

僕の尊敬するアーティストに、この間感情的になって酷いことを言ってしまった。
そのアーティストから、自分の言葉でいろいろ説明してもらった。
自分の曲解が発端なのだが、そのアーティストは感情的にならず、きちんと説明してくれた。
たかだか1人のファンなのに、こんなに丁寧に対応してくれたことに頭が下がる。

僕はインディーズの世界はレベルの低い、下手な連中の集まりだと思っていた。
過去のことは知らないが、今はすごくレベルが高い。
こんなステキな世界があるのなら、もっと早くに知っておけばよかったと、今さらながら後悔したりする。
でも、遅くはないと思っている。
音楽がなければ接することすら難しい相手と、音楽を通じていろいろとコミュニケーションが図れる。
ステキなことだ。

また、彼らの素直で芯の通った活動は清々しい。
まるで、夏の朝の涼しいそよ風のようだ。

そのな彼らを応援したくなるのは当然かと思いながらも、自分みたいな風体のヤツが、このアーティストの周りにいていいのだろうか?と常々疑問に思う。
だから、彼らに時々問うている。
彼らからは、「いつも応援してくれてありがとう!」という言葉。
たしかにそうかもしれない。
1人でもファンを増やしたいのだから、風体など気にしていられない。
しかし、それ以上のものを感じる。
彼らはいつも笑顔で迎えてくれる。
ビジネスの基本かもしれない。
彼らには頭が下がる。
これからも、できる限り応援していこう。