ミッドナイトイーグルを見て、先日ミャンマーで亡くなられた長井さんをふと思い出しました。

何故危険を顧みず、紛争地域に足を踏み入れるのか・・・。

この映画の冒頭でも、男の子が影も形もなくなってしまうシーンがありましたが、そのようなことが紛争地域では数え切れないほどあるはずです。


そこに自分自身も身を置くことの重要性とは?


この間書いた通り、危険な地域に身を置かずに事実を知ることはできるのではないか、と思います。


ただ、今回の映画では、事実を知ることだけではなく、そんな悲惨な地域であっても、ほんのわずかながら明日への希望を持つ子供達がいるので、その子供達に希望を捨てずに頑張ろう、というメッセージを渡したい、ということなのでしょうか。


また、映画の後半で有沢慶子が渡良瀬総理に「真実を伝える義務がある」というような言葉があったと思いますが、総理は「伝えてはいけない真実がある」といったような返答をしていたと思います。

今の日本では、真実であれば何でも伝えることが大切だ、とか、真実であれば誰か傷つこうがそれは仕方のないこと、といった風潮があるような気もします。(僕の身の回りだけかもしれませんが・・・。)

確かに重大な事実が隠蔽されることは問題なのですが、表に出すほうがいいのかどうか、判断がとても難しい社会になってきたのかもしれません。


そして、クライマックスは詳しくは書きませんが、こんなところに泣かせる場面が来るなんて・・・、と思いつつも、もう大変でした。

この映画、もうすぐ終わるから、それまでに涙が止まっていないとまずい、という世間体を気にする自分と、こんなに悲しい結末に泣かずにいられるか!と思う自分が葛藤していました。

ストーリーとしては、かなり過激ですが、涙腺を突いてきたものは、人と人とのふれあい。


壮大なスケールで描く・・・、と映画の宣伝に書いてありましたが、前半は雪山登山は大変だよね、くらいのことしか思えなかったですが、ほんとあと10分くらいのところ、ここに全てをぶつけてきたような感じです。


松竹映画としては、なかなかの出来映えだと思います。

東宝くらい資金があれば、もっとすごいものが出来たのだろうと思うと、少し残念ですが、その部分は役者陣が穴埋めしてくれたのではないでしょうか。


いずれにしても、見るのに損のない映画だと思います。