雪に埋もれたままのほりきりです。
JRがまだ動かないで、バスも不定期、確実なのは自分の足しかないので徒歩出勤。
行きはよかった。雪も風もなく道もちゃんとできてた。50分楽勝だったね。
しかし帰りはえらいこっちゃ。またしても雪。足元はフワフワの新雪。昨日までに踏み固められてできた凹凸が見えなくて思いがけないところで足をとられる。穴にはまって大きく体勢を崩す。これか、羽生!いや、全然違うって…
雪だるまになって帰ってきて、すぐ風呂入って、頭乾かす前に同僚から電話が。ねえまだ話すの?要件すんだよね。私このあとテレビ見ないといけない用事があるんだけど…とは言えず(実は小心者)
もたもたしてるうちに12時になるぞ、急げ。公式練習だ!
テレビのご用とは羽生結弦の公式練習だ。
先日の練習もワイドショーで生中継していたから、今日も絶対にあると信じていた。今日はひるおび。
ワイドショー内でのライブを実況しながら、羽生の練習状況を考える。
佐野さんと佳菜子がしゃべってる。昨日の話はもういいよ。ありえないような不運でショートで後退するはめになったのをとてもていねいに好意的に説明してくれているから、気分は悪いわけでないしありがたいんだけど、今それじゃないから。ほら曲かけ始まったしー!
今度の出だしは前進。うん、ほんとはこっちの方がいいな。
大きくまわって軌道に入る。前は細かくステップ踏みながらだったけど、今度は構えて大きく踏み込む。そうよ、4回転半なんだからそれでいいのよ。
ぎゅるるるまわって両足着氷!
これ切り取って佐野さんが解説始めた。すごくいいって。いやそれうれしいけど、まだ曲続いてるんだけどー!
もう一度初めから、今度は止めずに続く。(ディレイになっちゃったじゃないか!)
アクセルループきたー!
ここでまた止まって別の話が進もうとしていたところで、それさえぎって佐野さんと佳菜子が「いまアクセルループいきましたよね」とか話し始める。そうよね、そこ見るよね。佐野さんさすがだわ。
羽生についての昨日のショートの話やクワドアクセルの話を進めていこうする途中で、ワイプで何度も練習ライブが映る。目はそっちに釘付け。
そうね、どうしても話をしなきゃいけないなら、そのワイプずっとおいといてくれればそれでいいよ。
それがいつのまにかライブ映像の方が大きくなる。
現場の人たちもそっちばかり。しまいには進行してたお兄さんも「もう溝も穴もどうでもいいですよね、終わったことはいいですよ」と言いだす始末。
MCの恵ももうずっと羽生さん映してればいいようなことを言い出す。
そうでしょ、そうでしょ。
これ昨日のスッキリで加藤も同じこと言ってたわ。
何度も何度もアクセルの軌道に入る。全部跳ぶわけじゃない。あいまにさっき跳んだアクセルを佐野さんに解説してもらおうとしていたんだけど、そのたびにライブでアクセルの軌道に入る。
その前の映像を解説してもらおうと思っても、今跳ぶかもしれないし。歴史の目撃者になるのかもしれないし。放送現場がジレンマをおこしているのが楽しかった。
昨日のスッキリでも言われていたけど、ただ滑ってるだけで美しいのだ。ずっと見ていたいのだ。もうそれだけ映してればいいじゃんになってしまう。
一般の人がそうなってる。練習見たさに始発で出かけて並ぶオタクじゃないのに。
滑りの美しさ。磨き上げた体の美しさ。これに見とれるのはスケートがわからない人でも同じなんだと思った。
それにしてもオリンピックって特別なんだな。全日本でもグランプリでも世界選手権でもこんなことにはならない。ワイドショーの中で話題を中断してカメラが練習の(!)ライブに切り替わるんだ。
そして羽生結弦が特別なんだな。他の選手の練習を流そうってことにはならない。(事実昨日のショート前公式練習では宇野もいっしょだったがそちらは映らない)他の選手たちがうんぬんではなくて、もう羽生結弦という存在がフィギュアスケートのアイコンであるのみならず、さらに国民的アスリートのてっぺんクラスにいるんだ。
これは普段からスケート見てるだけでは実感できないことなんだろうな。
羽生の練習時間が終わった頃(最後までは映してくれなかった、いや十分です)には別の選手の話題に移ったので、違うチャンネルの今やってる競技に変える。
今日も出勤できなかった夫はしかたなくオリンピックいろいろ見てる。いきなりリモコンつかんでひるおびに変えてすまんかったな。(明日にはJRが元に戻りそう)
以上、ひるおび内公式練習実況でした。
娘がせっかく昼休みだったのにやってるのを連絡してやらなかったんよ。なんせこっちも直前の電話であわててたんでね。すまんかったな。これで内容把握してくれ。
で、練習の様子から感想。
何回も何回も、アクセル。
両足着氷や、転倒や、まだクリーンなものはない。曲かけのときの両足着氷のが一番いい感じだったと佐野さんは言う。回転が早くなってると。そうね、全日本のときは軸を最優先にゆったりと回っていた。軸をとったまま早く回転かけられるようになってるんだ。それを普通にできるようになってる。前のよりずっと完成に近く見える。完成形をリアルに感じることができるわ。すごい。ゾクゾクする。
そしてなんかもうあたりまえに4回転アクセルですっていいながら見てるけど、あのジャンプはあたりまえじゃないから。もう普通に羽生が練習してるから、羽生があれを跳ぶのが当然だと思ってきてるのかこわいぞ。これが普通になるってどういう現実なんだ。
19年トリノファイナルでいきなり羽生がアタックを始めたときはみんな恐怖でおののいたはずだ。見てるだけでこわかった。大阪国別で始めたときはまわりの選手たちが茫然として見入っていた。考えられないジャンプなんだよ。本人までこの世の終わりとか頭打って死ぬんじゃないかとか言う、あの羽生がそう言うレベルの怖いジャンプのはずなのに。
今一般の人やスポーツ専門外のメディアが、羽生くんの4回転アクセル~と言って普通に見てるのが、そういう現実がすごいなあと思ってしまった。
だから激しい転倒とか、足は大丈夫か、とかでビビる。私も心配だよ。あのジャンプを練習している以上、いつだって怪我がこわい。NHK杯直前のフリーフォールは今思い出してもおそろしい。
今日のも痛そうにしてたとかいうのを聞くとギクッとして背中が寒くなるけど、でもこっちだってその恐怖に耐えなきゃだめじゃん。
羽生はひるまずに跳ぶんだから。見てる方だって逃げないよ。全力で応援するよ!
そして、佐野さんたちが言ってくれなきゃテレビ的にスルーされそうだったアクセルループ。
ちょっとありえない、前代未聞のコンボだぞ。全日本前の練習のときはクワドアクセルの練習のためじゃないかって無良くんが言ってたけど、実戦装備かよ。
4Aは当然のこととして、予定構成にこの3アクセルー3ループのコンボが出たときのファンの熱狂。そしてどよ~んとしたどん底からいきなりどーーんと上昇した。一気に明るくなった。すごい人だ。
いつだって、羽生に鼓舞されて、羽生に救われて、ファンたちはどこまでも羽生についてゆく。
でもこのアクセルループって、別にショートで後退したやけっぱちじゃなくて、初めから構想にはいっていたんじゃないかな。そのための3フリップだったんじゃないかと。
もともと4ループを武器にしてきた羽生であれば、セカンドループができればすごく有効だと思われていたけど、羽生は今までセカンドループをやったことはない。羽生のファーストジャンプが安定しないのではなく、あれほどの幅跳びジャンプではセカンドループは難しいから。なのに、よりによって、超でっかいはずの3Aでやるんかい。
それは無良が言うように4Aのための練習でやっていて、それで身についたのだとしたら、4Aの副産物ということか?恩恵がすごすぎる。
他のトウループやサルコウのものすごい安定感も、とてつもなく難しいジャンプの練習をしゃにむにやってきたからかもしれないとすれば、4Aの練習をしていたことが、羽生結弦の技術をさらに高いところに押し上げてしまったことになる。
クワドアクセルにばかりこだわるとか、クワドアクセルにとりつかれたとか、そのチャレンジに悪意を持って語る識者もいたと思う。とんでもねーや。
どんなことでも成長の糧にする。これが羽生結弦だ。思い知ったか。
というわけだから、羽生はどういうことになっても、クワドアクセルに挑戦することにはいっさいの揺らぎはないのだと思う。
本人が揺らがないのだから、応援する方も揺らがないぞ。
ファンの中ですら、まだ成功もしてないアクセルよりも(基礎点だって低いし)ルッツやループで勝負した方がいいって言う人もいるそうだ。
でもアクセルじゃないとだめなんだよ。それはこの4年、羽生を見続けてくればわかる。このオリンピックは3連覇のためにあるんじゃない。4Aのためにあるんだ!
成功しても失敗しても関係ない。羽生はこのために北京にきた。
クワドアクセルを成功させ、全てのプログラムを美しく完成させる、史上最高の羽生結弦(それはイコール史上最高のフィギュアスケート)をめざして。
全神経、全精力を結集して、北京に送るよ。
気持ちとジャンプは前向きに!
羽生がんばれ、がんばれ!
クワドアクセル跳ぶぞ!