中国杯一部感想・捨てたもんじゃないな | ほりきりのブログ

ほりきりのブログ

鉄道の旅とスポーツが好きです

 昨日は一日中用事があって遅くに帰宅。せっかくのBS生放送が見られなかった。結果だけは知ってしまったが詳細はチェックしていない。
 真夜中に地上波があるというけど、うちんとこテレビショッピングやってる。ローカル番組にとられるならともかく夜中の3時に誰がテレビショッピング見るよ。こんな人のためのAbemaTV。こま切れで録画をあとで見られるけど、なんとなく流れで見たかったので3時に起きる。起きれちゃった。夜勤生活もだてじゃない。
 男女フリーのダイジェストを時間の許す限り過不足なく見せてくれた。
 女子のベテランの2、3位の美しさ、中国男子のワンツー。いい大会だったんだね。ちゃんとした技術を持った人がちゃんと評価されて結果を出している。
 ダイジェストを見て、強く印象に残った3人だけ。感想。

 3アクセル2本決めたすばらしいリーザがフリー2位で追い上げるも、ショートとフリーを完璧にそろえた宮原が逃げ切って2位。各大会で1位は全部エテリんちの娘っ子が持っていってるから、2位と3位は大人の魅力の2人がはいってよかった。

 宮原の今季のフリーがいいことは私はしつこいほど主張しているが、見るたびによくなってる。
 音楽を完全に体現するためにミスがあってはいけない。今回は一応ノーミスだ。一応っていうのは回転不足ね。これはもうある程度しかたない。みんなに平等にきっちりとってれば問題ない。でもとにかく全部跳んだから着氷の乱れとかはなかったから、その前後のきめ細やかな振付も余すことなく表現できた。すばらしかった。
 シンドラーのリスト&鐘のピアノソロはとてもやわらかでささやかでもある。ロマンくんの重厚な感じとは編曲のイメージが違うなと思っていた。とても宮原にあっていると。そしたら蝶々夫人の音源のピアニストさんの演奏なんだってね。自分の音源を使われたことをオリンピックで知ったピアニストさんが喜んで以降交流ができたんだよね。リサイタルで聞いて感銘を受けてどうしても使いたかったと。仙台で初めて聞いたとき鐘が混じってることをちょっとだけ心配した。(うるさい人たちがいるんじゃないかと)でも本人がそれほど演じたかった曲に出会えることは一番すばらしいことだ。このシンドラー&鐘は宮原の繊細さにぴったりだ。
 一部の隙もない研ぎ澄まされた表現力。このあとにシェルバコワを見たら、ああ子供だなと思ってしまった。
 充実したフリーができたって。本人がこう言えるんだから本当にいい出来だったんだろう。
 これ生で見たかったな。仙台は初お披露目だったから、あれからどんどん見違えるほど良くなってるもんな。全日本にはたぶん行けないし(弱気)
 とりあえず、今年もさっとんには鳥肌スイッチがついてしまった。連戦がんばれ。GPファイナルで見たいぞ。

 次はいきなり男子。今回は一部しか書かないから。

 ボーヤンGPシリーズ初優勝おめでとう~~!あまりにも意外だ。地元でもなかったの?準優勝4回て… ここんとこ自爆ぎみが多かったからこの力出し切った演技はうれしい。
 このボーヤンの演技については佐野さんの解説がすごくよかったの。
 「ルッツが決まるとい~~いですねえ 」 最初の4ルッツがすごくきれいに決まった。こんなにきれいに入ったの久々じゃね?
 「たっかいですねええ」 そうそう、でかくて高くて気持ちいいの。ボーヤンのルッツは最高。
 「見事に着氷しました」 降りた後の流れがすばらしい。本当にすごいルッツだった。
 佐野さん曰くちょろまかしとか、羽生さん曰く下で回るとか、あまり見ごたえのないルッツが確かにある。でもこのボーヤンのルッツを見ると、ルッツってこう跳ぶんだよ、これが正しいルッツだよ、って思うよ。みんなそう思うはずだよ。このすごいジャンプを評価して、そうじゃないジャンプとGOEで差をつけないとダメなんだよ。
 フィニッシュのポーズでバランスをくずしてコケる。
 「そういう振り付け、そういうことにしましょう」 みのるぅ~~ この日の佐野さんはとことん冴えてたよ。

 帰ってきたハンヤンが2位!もうすばらしい、すばらしい滑り、すばらしいジャンプ、かっこい~~~~~~~い!
 冒頭の3A-3Tがすごい。あんな飛距離跳んで軽ーく降りる。
 「簡単に跳びましたねええ」 このときの声色があのスケアメの初めてのパリ散見たときの「すげええや」といっしょ。佐野さんが本気で感嘆したときの声なんだろうな。
 ポケットに手を入れてスルスルと滑る。それだけでなんでこんなにかっこいいんだ。私はラ・ラ・ランドの映画見てないしストーリー知らないんだけど、このポケットに手突っ込んでぶらぶらしてるのがお話の世界観にあっているんでしょう?(ナムのにもこういう雰囲気あったもんな)手をいれたまま足元だけが流れるようにきれいなトレースを描いていく。
 「大人の男」 みのる~いいこと言うなあ。このハンヤンの魅力がよくわかってるなあ。
 「こういうふうに降りなきゃダメですよ。いい見本ですよ」 ふわっと跳んでさーーっと流れる。重力を感じないようなジャンプだった。確かに4回転は跳んでない。でも3回転ジャンプをここまできれいに跳んできれいに流せる選手がどれだけいるよ。これぞお手本のジャンプ。正しい技術のジャンプはこんなに美しい。
 元々クワドジャンパーが怪我で長く休んで戻ってきたんで構成を落としてる。3回転だけなんて楽勝なんだろうな。すべての演技にゆとりがあった。これで4回転を戻そうとするとまた大変なんだろうけど、このゆとりのある美しい大人の演技がとても心地よかった。なんか超一流のプロスケーターの演技みたい。
 大人になったハンヤンを見ることはとても幸せだった。
 

 はい、中国杯はこの3人でおしまい。みんなをきちんと見る時間の余裕がこっちにもなかったんで。でもこの人たちのこういう演技が見られたのはすごくうれしかった。
 正しい技術を守って跳んだジャンプは美しい。高難度に走るだけでなく音楽を体のすべてで表現することはすばらしい。
 このところいろいろといじけることの多かったフィギュア観戦。でも今回はいいものを見せてもらった。すてきなスケーターはまだいる。捨てたもんじゃないなと思った。