すっきです新潟好きです朱鷺メッセ ~ FaoI新潟観覧3 | ほりきりのブログ

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鉄道の旅とスポーツが好きです

 タイトルの変なノリは古い札幌のご当地ソングのパクリである。大昔の上にムード歌謡だ。
 ファンタジーオンアイスの中で断トツに売れ行きが悪い新潟、設営のせいで評判が最悪な朱鷺メッセ。でも私この会場大好きなの。2年続けて来たよ。私がここの何が好きなのか熱弁して、朱鷺メッセを擁護する!
 
 その前にまず反省。今回ほとんど写真がない。遠征では一人旅が多いこの私が今回珍しく連れがいたので、しかも羽生ファン同士の旅だったのでショーを前に盛り上がってしまって、しゃべってばかりで写真撮ってこなかったのだ。なんてこった、元々旅日記から始まったブログだというのに。しかし昨年全く同じルートで会場に向かっていてそこそこ写真撮ってきたので、昨年の写真も使わせてもらおう。見るとかなり雲が厚い。雨降りそうな天気から夜にかけて一気に回復したので。今年は雲ひとつないピーカンだった。きれいな風景を見てきたはずなのに。ばかばか。羽生がからむといろいろ思考回路に支障をきたすようだ。この昨年の写真の、今年は空が真っ青というのに変換して見てください。
 
 まず立地。このコンベンションセンターは信濃川の河口、もうすぐ海につながるところの河畔に立っている。(この辺こそ汽水域かもしれんねえ、町田先生)川べりのとても美しい場所の、船を模したとても美しい建物。中の特設スタンドはともかく、この美しさがまず朱鷺メッセの魅力だ。
 
 では朱鷺メッセに向かおう。
 ショーの期間は新潟駅から会場までシャトルバスが出ていたようだ。私は使ったことがない。でもまだ暑い昼日中に30分くらい歩くのはおっくうだ。そこで、水上バスである。
 信濃川にはウォーターシャトルという水上バスが運行している。川の所々にバス停ならぬ船着場があってぐるっと回っている。終点は佐渡に渡るフェリー乗り場だ。その手前に朱鷺メッセという船着場がある。会場まで船で行けるのだ。これすごくいいんだけど、今回使った人いるのかなあ。(ただし1日3往復なのでダイヤに注意)

 新潟駅方向からの最寄りは万代シティ。2駅分の船旅になる。万代シティから10分で朱鷺メッセ到着だ。船待っている間にとっとと歩けば着いてしまうのかもしれないが、のんびり川面を滑っていく10分間の移動は旅の目的となり得る。昨年は中国の団体さんで甲板がいっぱいだったが、今回はすごいすいていて、Kさんとデッキチェアに座ってえらく優雅な旅だった。

 船は萬代橋をくぐる。この立派な石のアーチ橋を間近で見られるのもすばらしい。
 クラシックな萬代橋の次は近代的というかSFチックな柳都橋。それを越えると朱鷺メッセ。隣のホテル日航の超高層ビルははるか手前から見えている。
 川から見る新潟の町は美しい。たった10分ですっかり新潟観光をした気分で朱鷺メッセ到着だ。(私は信濃川ウォーターシャトルの回し者ではありません)
 
 船着場から上陸すると目の前に朱鷺メッセ。総合会議場とホテル日航でできている。二つの建物をつなぐアトリウムエントランスは天井までの総ガラス張り。外光が明るく降り注ぐ。外には悠々と信濃川、その先は日本海につながっているというすばらしいロケーションなのだ。川好きの私はただ外の景色を見ているだけで幸せな気分。この通路でグッズとパンフレットの販売をする。長々並んでいたって、外を眺めていられる。まあ、物販の行列は短い方がいいんだけど、せめてきれいな景色で気を紛らわせよう。
 ただこの日は天気が良すぎた。(写真は去年のだから)こんなに日差しがあるとガラス張りは温室状態になる。戸が開いている所は風が気持ちいいけど、締め切ったところは気温が上がる。外に出ると気持ちはいいけどベンチに日陰がない。熱いなー、どこにも逃げ場がないぞ。2連覇して晴れ男の威力はますます強力だ。
 
 隣のホテル日航に行ってみよう。このてっぺん、31階は「ばかうけ展望台」という無料の(!)展望台だ。専用エレベーター速い速い。ばかうけとは言うまでもなくせんべいのばかうけだ。ここ新潟はせんべい王国だから。
 展望台は360度ガラス越しの眺望だ。特に海と信濃川を眼下に望む方角は絶景だ。
 ここ金曜日だけ夕方で解放が終わる。なんでと思ったらホテルのビアホールになるらしく、ビュッフェの準備を始めていた。こんなところでビュッフェとビール?しかもこのあと夕陽と夜景でしょ、最高だよ。いーいなあ。でもこのあと私は夢の時間だもん。
 
 こんなにキラキラにきれいな会場なんだけど、中に入ると仮設スタンドなんだよね。仮設だから悪いんじゃなくて、傾斜が緩くて前の人の頭で視界が遮られるからなので。でもその緩い傾斜はたぶん仮設の限界のせいなんだろう。そこを今回はかなり改善してきたらしい。Kさんは新設のステージバック席だったが、高くて遠いけど視界は良好だったそうだ。そう低くて遠いのが一番見づらいから。
 私はショートサイドS席だから中段くらいだ。そこそこ高いしリンクが縦長に見えるから死角はほとんどない。一番前まで来た時に前の人の頭がちょっと邪魔だから首をずらさせてもらう。その一番前にくるのは羽生なんで、一生懸命がんばって見る。もともと近くでなんて見れたことないんだから、もう十分だ。
 
 今回の設営の変更の一番大きなところはロングサイドを少なくしてショートサイドを積み上げたこと。なんたって昨年はショートが1列、それもどうも関係者席みたいで、背広のおっさんとか座っているところが正面なんて。そんな方に向かって煽ってもしょうがない、羽生とハビが背中合わせでバーンてやってもむなしいでしょ。いやー配置変えてくれてよかった。おかげで正面に座れて真正面から羽生が見られた。
 一方ロングサイドは?上からみたところ相変わらずひらぺったいような感じなんだけど。こちらでは見た人の実感を聞いてみないとわからないな。
 いろいろ考えてみたのだが、ロングなサイドではきつい傾斜で高い仮設を建てることは無理だったのかな。幅が狭い方がまだましなのかも。それでショートサイドがそそり立つアルプススタンドになったというなら合点がいく。
 でも製氷休憩でみんなが一斉に移動したときの階段がぐらっぐらに揺れてすごい怖かった。座席のところは大丈夫なんだけど階段はまじでやばい。
 フィナーレの時に、みんなでジャンプするわけじゃないけど、はねるように膝でリズムとっていたらやっぱり揺れてるみたいだった。
 設営すごくがんばってくれたけど、やっぱり仮説スタンド怖い。傾斜には限界があると思う。
 
 あとトイレ。去年もそうだったのだが、新潟のえらいところは会場に直結した外の踊り場に仮設トイレをずらーーっと並べたこと。バックヤードにちょうどいいスペースがあったみたい。どこでもできるわけでもなかろう。これはとてもよかった。中にももちろんあるわけだし、中と外で展開してかなりトイレ事情は良くなっている。
 私は外で並んでいた。川風が気持ちいい。日が落ちた後の名残の赤みが空に残っていてきれいだった。仮設トイレの屋根の上には一番星。夢の世界にいるんだからトイレ行列もロマンチックにいこう。
 
 楽しい時間は終わり、みんな夢心地で会場から出てくる。建物の中と、外の川べりと、二つに分けて誘導して退場はスムーズだった。これも川側に広いスペースがあるおかげかな。詰まる感じはなかった。私は中を通って出たんだが、物販コーナーでは最後の売り込みをしている。パンフレットを売っている売り子さんは、パンフレットの中の羽生ランビエール対談のツーショット写真のページを開いて宣伝している。うーん、ツボをよくわかっているね。

 外から出てきたKさんと合流して新潟駅まで歩いて帰るぞ。
 シャトルバスはどうせ混むだろうから、はじめっから歩くという選択肢。だって夜の川沿いの道は気持ちいいんだもん。
 萬代橋までずーーっと川に沿って歩く。夜景がきれいだ。向こう岸の街路灯が川面に映ってキラキラしてる。柳都橋は青白くライトアップしてますますSFっぽい。萬代橋から上にあがってあとは駅まで一本道。夜風はさわやかだし、ショーの興奮のまま友人としゃべっていたら駅にはあっというまに着いた。
 そんなこんなで今年もファンタジーオンアイス新潟はとても楽しく盛り上がって過ごした。みんなが嫌って売れゆきが悪いなら私がチケット取れて好都合さ。私はこの会場が好きだ。たとえ見えづらくても、階段がぐらぐらして怖くても、それを上回る魅力が私にとってはある。スケートの遠征と旅が密接な私にとっては、アクセスと周辺の環境はとても重要だから。
 去年も気持ちいいことしか覚えていなかったので、今年もチケットをとることにためらいはなかった。新潟だっていろんなところがあるんだろうが、朱鷺メッセの立地はとにかく気持ちいいんだ。私にとって新潟公演は信濃川とともにある。
 
 日本の中、いろんな場所を旅行してきた。スケートの試合やアイスショーの遠征という旅の目的が増えて、初めて行った所もあちこちある。新潟も羽生に導かれて2年続けてやってきたのだが、とても好きな場所になった。2018年の新潟は雲ひとつない青空と、夏のような暑さと、その中で吹き抜けていった春風だ。きれいな町と気持ちいい川と素晴らしいショーの記憶に包まれて、好きです、新潟。