山坂吉兵衛重則の鍔 | 彫きぬ雑記帳

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山口県山口市の刺青処、日本伝統肌絵芸術の彫きぬこと衣笠新太郎のブログ
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山吉兵《やまきちべい》や山吉と呼ばれている鍔工が尾張清洲に居た
本名、山坂吉兵衛重則という甲冑師あがり

この山吉兵の初代とニ代は織田信長に保護され、
また、仕えてもいた
信長は、強く丈夫かを試し斬りをして確認し、
山吉兵の鍔を信頼したのである

鍔というものは手の保護だけをする物ではないが
やはり丈夫でなくてはならない

この山吉鍔は江戸中期頃まで代々続き、
代が下がるほど、透かしも緻密になり
雅味に掛けるものとなってゆくのである


古道具屋の片隅にあったこの鍔…
埃を被っていたが槌目地の肌の錆色は黒く艶があり、
後代の山吉兵よりも雅味もある









透かしは蜻蛉に菊の花弁か、或いは水車。。。

下が在銘の山吉兵の代表的な鍔である
代価は諭吉さん百人以上が要る






おれの手元にある鍔は無銘なので、
これが山吉兵とは、はっきりとは言い切れないが
他の同工の作と比較しても特徴の一致がある
おそらく二代目山吉兵だと思われる

ちなみに買った値段は諭吉さん1人で足りた(゚∀゚)

大きさは縦二寸二分ほどで、小脇差に丁度良く
秘蔵の無銘村正一尺九分の拵に、この鍔を掛けようと思っている









たいそうな拵えではなく、
農家から徴用された足軽風にするつもり
足軽は腰刀は自前であり、具足、槍、鉄砲そして本差しは貸し出さしされる
農家といえどもこれくらいの小脇差は何処の家にもある
武将の末が帰農することも、ままある

🐶とっつあん、二等兵の足軽に。。💧

🐱うふふ、ふふふふ 腰刀、村正ひとふり、
十八で二等兵、三年ほどで足軽小頭。。
出世はこれからよ

🐶今は老いて七十三の夏でござんす 笑