4月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:564ページ
ナイス数:6ナイス

森に眠る魚森に眠る魚
子供を持つ親の心境になれば、登場人物のどの母親の気持ちも、どこか自分と重なる部分があるはず。でも、子供は子供。親は親。そして、親の姿を良くも悪くも鏡のように映し出すのが、子供の姿。
読了日:04月15日 著者:角田 光代
静かな爆弾静かな爆弾
文体もあらすじも、読みやすい印象。しかしながら、物足りなさが残る。「誰かに何かを伝えたいんじゃなくて、何かを知りたい」という気持ち。そこが読後、一番残る。
読了日:04月04日 著者:吉田 修一

2012年4月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター
3月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1112ページ
ナイス数:10ナイス

ひかりの剣ひかりの剣
医学会の話があまり出てこない今回の話だけれども、まだ若き医学生が大きく育っていく原点ともなる内容は読み応えがあった。速水は「ジェネラル・ルージュの凱旋」で活躍を読んでいるけれども、清川は「ジーン・ワルツ」でしか見ていない。清川が活躍する小説を読んでみたい。
読了日:03月30日 著者:海堂 尊
ヤクザと原発 福島第一潜入記ヤクザと原発 福島第一潜入記
ヤクザと原発の絡み具合…という点では、想像していたよりボンヤリとしたもので終わった印象。終わりごろに作者自身が「原発作業員ではなく、土木作業員として接触すればよかったので」とあるが、確かにその方が「ヤクザと原発」という関係性は浮かび上がってきたはず。しかしながら、原子力に無知な素人が、原発内部に入り込むルポ、周辺関係者のインタビューからは、まだ原発問題は何も終わっていないということを改めて考えさせられる。
読了日:03月23日 著者:鈴木 智彦
対岸の彼女対岸の彼女
初めての角田光代さんの作品。女性らしい内容と思いながらも、親近感を覚えながら読み進める。ムラを作り、誰かを標的にして貶し、安心し、それを続ける毎日。女性も男性も似ているところはあります。最後に小夜子が自問する「なぜ、私たちは年を重ねなければならないのか」。自分でも答えを見つけようとする毎日にしたいと思います。
読了日:03月10日 著者:角田 光代
熱帯魚 (文春文庫)熱帯魚 (文春文庫)
3本の短編が集まった短編集。今ままで読んだ吉田修一さんの本の主人公達は、皆、ある種の狂気を持っていて、その狂気を持っていなければ、社会と折り合いを付けられない人たちという気がする。特に「グリーンピース」は、狂気という武装をしなければ、生きてすらいけないような姿にすら見えた。作品の登場人物達を客観的に見ているから変だともうかもしれないだけで、自分達にも彼らが持っている狂気は身体の中に巣くっているのかもしれない。
読了日:03月06日 著者:吉田 修一

2012年3月の読書メーターまとめ詳細
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$風来坊の酒日記

先日の3月11日。

この日は、どうしても東北の酒を飲みたいと思って、

酒屋に行って買ってきた「会津娘 純米」です。

最近の福島は「味のデパート」と言われるほど個性的な日本酒が出てきていて、

昔から人気の「飛露喜」や、最近の注目株「ロ万」(ろまん)や、「写楽」など

注目蔵が多く出てきています。

そんな中、私は、福島の酒で好きなのは、「奈良萬」。

そして、この「会津娘」です。

基本、僕は派手な印象のお酒より、地味ながら、しっとりと、しっかりと、

凛としている味わいの日本酒が好きです。

三重の「天遊琳」や、広島の「龍勢」、山口の「カネナカ」など…。

そして、この「会津娘」もそんなお酒です。



さて、最近、出入りの酒屋さんと話いてるときのこと。

「これからは、西日本の酒を入れていこうと思うんですよ」とのこと。

理由を聞くと、ひとつは、昨年は、消費者の多くが東北を応援しようということで、

東北の酒を多く飲んでいたんですが、それが飽きてしまって、違う地方の酒を飲みたがっているということ…。

まあ、これは分かります。

実際、僕も東北を応援しながらも、他の地方の酒も飲んでましたし…。

それに、あの頃は、みんな東北の酒を飲むものだから、西の酒蔵や焼酎蔵は売上が落ちて大変だったとか。

みんな均等に飲めるといいんですけどね…。

しかし、ショックだったのは、次の理由でした。

「それでね…震災前に作ったお酒はよかったんだけど…今年の造りの酒は飲みたくないって人が多いんですよ」とのこと。

やっぱり、きた。

風評被害。放射能の心配です。

実は、福島の多くの酒蔵は、今までは福島県産のお米…つまり、自分たちの土地のお米で、

お酒を造っている蔵が何軒もあるのです。

しかし、今年は他の県から米を取り寄せたところも多かったようです。

もちろん、放射能の問題から。

なんとも、悔しい思いをしたことと思います。



前述の「会津娘」さんは、自分たちで原料米の栽培をしています。

土からお酒をつくる…というのが、彼らの理想だからです。

もちろん、土壌検査、水質検査、お米の品質検査…すべて厳しくやっています。

福島県の酒造組合自体が、自分たちの商品は自分たちで守るんだという意識の下、

しっかりとした品質チェックをして商品を送り出しています。


震災から一年。

故郷を捨て、違う土地に移って酒造りをしている人ちたもいます。

震災の被害の修繕費用で苦しんでいる人たちも多いです。

まだまだ、東北は厳しい…それでも、みんな一生懸命、素敵なお酒を作り続けていてくれます。


東北の酒。

今こそ、みんなで飲む時です。