⬆️このお話の続き




予定日は過ぎている。



しかし、夫は言った。



「分かった。

おれに任せろ」




そして、広島の中でもかなり大きな病院で出産できるように手はずを整えた。



その病院のドクターを知っていたので、なんとかしてもらったようだ。



ちなみにその病院は原爆ドームの近くだった。




そして、わたしにひどいことを言ったドクターの産院に行って紹介状を書いてもらうことにした。



受付けの人は、驚いていた。



くどいようだけど、予定日を過ぎている。



「何かありましたか?」



「はい。先生はわたしの言うことを信じてくださいませんでした。

ですから、わたしは自分と赤ちゃんの命をその先生に預けて出産することはできません」




「受け入れてくださる病院はありますか?」



「はい。〇〇病院が受け入れてくださいます」



この病院で出産することはなかなか難しいようで、なんで予定日を過ぎているのに受け入れてもらえるのか、受付けの人はかなり疑問だった思う。



しかし、その方はドクターに言って直ぐに紹介状を書いてもらって、渡してくださった。



小さな産院なので、受付けの人とわたしのやり取りをドクターは全部聞いていたと思う。



まさか、自分の一言で予定日を過ぎた妊婦が、別の病院で出産するなどと思ってみなかっただろう。



このことを友人たちに話すとみんな「良くやった」とほめてくれた。




そうは言っても、これは夫はのおかげで、

「あそこでは絶対に産まない」と聞いたときは、内心困っただろうが、わたしの決意が固いのを知って、最善のことをしてくれた。




しかし、このわがままな行動は、結果的には良かったということが後で分かった。




続く




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