日常生活における頭の位置 | 堀 啓のブログ

日常生活における頭の位置

これまで、格闘技の様々な場面における、僕の考える「最適な頭の位置」を書いてきました。

今日はちょっと趣向を変えて、日常生活の中での頭の位置が生活習慣や姿勢に与える影響について考えていきたいと思います。


日本人に特に多い姿勢の乱れに「猫背」があります。

そして腰を後ろに反ってしまう「反り腰」も意外に日本人(特に女性)に多いようです。

反り腰と猫背は反対の症状のように思われがちですが、猫背が原因で反り腰になることもあるし、反り腰が原因で猫背になることもあります。   

これは立っている時に、重心を安定させるために頭が足の真上にある必要がある、ということが関係していると思います。

猫背の場合、背骨が湾曲することによって頭がつま先より前に出て、重心も両足より前に出てしまう為不安定になります。

そのため無意識に重心を足の上に乗せて安定させようとして、背骨が湾曲したまま頭を後ろに引いてしまいます。

そうすると今度はその分背中が後ろに下がりすぎてしまい、腰の後ろへのカーブが強くなり、反り腰になってしまうのです。

反り腰の場合、こちらは腰が過剰に後ろに反ってしまっているため、頭が足の後ろまで引かれてしまいます。

この体勢だと重心が足の後ろにあって不安定なので、それを足の上に戻そうと首を前に伸ばし、背中も前に曲がっていって猫背になります。

このほか、反り腰になると頭を足の上に戻すために、骨盤が過度に前傾してしまう事で腰がより深く反ってしまったり、

女性の場合はヒールなどの影響で骨盤が前傾して頭が前に出るのを防ぐために反り腰になったりもします。

猫背や反り腰は、どちらも脊椎のカーブが強くなるため、背筋が伸びている時と比べ頭の位置が低くなります。

この低くなっている頭の位置を高くするだけでも、改善される可能性はあると思います。

もちろん、猫背や反り腰には頭の位置だけでなく、骨盤の角度、全身の筋バランス、呼吸など、様々な要因が関係しているケースが多いですが、

まず頭の位置を高くすることで丸まっていた背筋が伸び、猫背、反り腰が緩和され、首が伸びるので肩の力も抜けてきます。

背筋が伸びて肩の力が抜けた状態なら骨盤の角度も調整しやすく、肺も圧迫されないので呼吸も楽になります。

その姿勢を意識して生活する事で、筋肉のバランスも自然と整ってくるのではないでしょうか。


頭のてっぺんのつむじのあたりから糸が伸びているイメージを持ち、その糸を上空から上に引っ張られてる感じで背筋を伸ばしてみて下さい。

多少キツかったとしても、背筋を伸ばした心地よさを感じることができれば、続けることで猫背、反り腰の改善にも役立つと思います!
逆に、頭を高くして背筋を伸ばした際に痛みや不快感がある場合は、無理にやろうとはしないで下さい。
何か別の原因があり、無理に背筋を伸ばして頭を高くする事で他の部位に負担がかかり、新たな怪我につながる恐れもあります。