移動する時の頭の位置(2) | 堀 啓のブログ

移動する時の頭の位置(2)

前回の続きです。


移動する時は、頭を先に進行方向に移動させた方が素早く移動できるため、スポーツではこれを上手く使って移動することが多いです。

しかし、格闘技の場合は、進行方向と頭の位置が一致しないがケースあります。


例えば、前進する時。


前に出るということは、当然闘う相手の攻撃の射程圏内に自分も入って行くわけですから、カウンター、反撃を受ける可能性もあります。

早く前に出ようとして頭を前に出した状態だと、上半身が前傾になります。

また、前に出ると頭が相手に近くなるため顎を引かなければならず、前傾姿勢で更に顎を引くと、、、視野が非常に狭くなります。

そんな状態で前のめりになった頭にカウンターを狙われたら危険ですよね。。

そのため、前進する時は頭をやや後方に引き、いつでも後ろに下がれる様に重心を後ろに残しておきます。

頭を後ろに引いておくと、上半身が真っ直ぐに立ちますし、頭も相手と距離を保ちやすいため、顎を引いても視野が広いままです。

視野が広くなると精神的にも落ち着きが出て来る為、前に出て攻めながらでも相手を観察し、不意のカウンターなどにも対応出来るのではないでしょうか。

ただ、一瞬のチャンスに一気にラッシュするような場面では、やはり頭を前に出した前傾姿勢の方がスピードと爆発力は発揮されるでしょう。


逆に、敢えて頭を前に出しながら後ろに下がり、カウンターを狙う選手もいます。

この場合は少し背中を丸めるようにして前屈みになり、頭は前だけど重心は両足の真ん中くらい、という状態です。

下がりながら顔を前に出して相手の攻撃を誘い、相手が攻撃してきたところでスッと頭を引き、カウンターを返します。

しかしこれも、本当にピンチでカウンターの隙もないくらい相手がラッシュしてきた時は、ガードを固め、頭を後ろに引きながらの方がバックステップのスピードも速くなります。


このケースではどちらも、いつでも逆方向に素早く切り返す動きができるようにする為、進行方向から見て後方に頭を残しています。
(後ろに下がる時は頭は前の方ということです。)



まとめますと、移動の際は移動する方向に頭を動かす事で、その方向に爆発的にダッシュすることが出来ます。

しかし格闘技のように不規則な動きの中では、急激な方向転換が必要になることもあるので、なるべく両足の範囲内で頭を動かす必要があります。

そして、移動している方向と逆の方向に急激に力を出す前提で移動する場合は、移動する方向の逆側に頭を置いておくことで、素早い身体の切り返しが可能になります!