キックを蹴る時の頭の位置 | 堀 啓のブログ

キックを蹴る時の頭の位置

パンチのように両足を地面につけた状態では、足と足の範囲の上に頭があると安定する、と前回の投稿で書きましたが、キックとなるとちょっと事情が違ってきます。


キックの場合、どちらかの足を「武器」にするので、当然片足立ちになります。

では軸足になる足の上に頭を持って来ればいいのかというと、そうではありません。

なせなら、蹴る時に「武器」として相手の方に伸ばして行くことになる蹴り足にも、質量があるからです。

上半身を軸足の上で真っ直ぐ垂直に保ったまま、片足だけ浮かせて前に伸ばすと、足の重さで重心は大きく前に移動してしまいます。

壁を背にして、踵とお尻、両肩、背中、頭を壁につけて離れないようにしながら片足を伸ばしたまま前に上げてみてください。

なかなか難しいと思います。ほとんど上がらないのではないでしょうか?

これは、後ろに壁があって頭を後ろに下げる事ができないため、足を上げた分、重心が前に移動しバランスを保てないからです。
本当に重心だけの問題なのか検証のために自分で色々試してみました(^^)
この状態でも真横には足は上がります。また、ドアノブなどにつかまれば、前にも足を上げることができました。


蹴る時は、軸足側の股関節を支点に、天秤のように蹴り足と上半身が釣り合っている必要があります。

蹴り足が伸びていく方向の反対側に上半身、頭を移動させることで、キックに安定感が生まれてきます。

ちなみにキックの種類や高さによって、釣り合いを取るための頭の位置も変わってきます。

例えばハイキックであれば、足が高く上がる分、シーソーのように頭を反対側に大きく移動させる必要があります。

逆にローキックの場合、頭を後ろに引きすぎると体重の乗らない、軽い蹴りになってしまいます。


いろいろな蹴りによって、それぞれ最適な頭の位置を見つける必要があります。

そのためには、蹴りそのものも大切ですが、蹴った後、いかに無理なく元の構えに戻れるか、という事を意識してみると良いかもしれません。

蹴った後に素早く安定した構え、つまり両足の範囲内に自分の頭がある状態に戻れる事が重要になってくると思います。