渋谷のパルコ劇場で中谷まゆみ作、板垣恭一演出の舞台「
お父さんの恋
-Family Tale-」を見た。ここ数年見た中では一番よくできた舞台だった。中谷さんはTVドラマ「いいひと。」「ウォーターボーイズ」なんか記憶に残る。
脳溢血で植物状態の「父」のもとに、母の七回忌で娘姉妹と息子が帰ってくると、介護のヘルパーがいつのまにかオバサンから24才の若い女性に代わって1年が経っていた。親の介護をほったらかしの子供たちに対して若いヘルパーは父と結婚して一生面倒を見ると言い出すが、実は親がつくった借金から逃れてきた偽ヘルパーだった。
息子は小説家を志すも芽が出ず、パチンコで食いつなぐニート、長女は玉の輿に乗ったが浮気をして離婚協議中、次女は会社を経営する自立した独身女性だが、部下に会社の金を持ち逃げされて補填の資金繰りに苛立っている。幼馴染の近所の男は離婚後に医者になって「父」の回復に尽力しながら、妻に引き取られた娘がキャバクラ嬢になって合いに来て無心する。次女は父にオランダ国籍をとらせて安楽死させたい、とか、尊厳死(今アメリカで大論争になってる)とか家族とか介護とか現代と言う時代のエッセンスを巧みに取り得れ再構築した脚本が笑え且つホロリとさせる仕上がりになっている。
堺 雅人(弟)、七瀬なつみ(姉:長女)、菊池麻衣子(姉:次女)、前田 吟(父)、星野真里(ヘルパー)、池田成志(医師)6人の役者それぞれが持ち味を発揮している。
3月、父の一周忌があった。以前J-Wave,JAM THE WORLDでイギリスで葬式にかけたい曲のランキングを紹介しながらリスナーが葬式でかけたい曲というのを募集していたが、年を重ねるごとに身内の死というのは身近になっていくし、元気なうちにどうしてほしいのか?というのは聞いておいたほうがいい。葬儀の時はなんとか慣習に抗って鎮魂歌をつくり演奏したけど、一周忌というのは特に思い浮かばないので慣例に身を任せることになりそうだ。私自身は植物状態で生かされたくはないし葬儀も墓もいらない。強火で完全に空気中に拡散されて地球と同化したい。
→「ドラゴン桜」のテーマ曲つくってみました@Dream Song Radio