国立研究開発法人国立がん研究センターは、専門的ながん医療を行う全国のがん診療連携拠点病院等から収集した院内がん情報を用いて、2017 年の1年間に診断された患者の診療情報(2017年全国集計)について報告書をまとめ 、ウェブサイトで公開した、という記事がオンコロのニュースにありました。

がんの病期別(ステージⅠ~Ⅳ)登録数に加え、治療方法別(手術/内視鏡、放射線、薬物、それらの組み合わせ)登録数が閲覧 でき、自宅近くの病院を探す一つの手がかりに活用されることが期待されます。

院内がん登録全国集計結果閲覧システムはこちら
2017年1月1日~ 12月31日までの1年間にがんと診断された例が集計されています。

私が通っている大学病院では、非小細胞肺がんの新規登録患者数は約250人ですから、平日一日に一人患者が増えているのですね。お医者さん一人が担当する患者さんも相当数に上るのでしょう。診察の時にアピールしないと忘れられる、ということはないでしょうけど、診察時間を有効に使えるようにコミュニケーションを大切にしないといけませんね。

ステージ Ⅰ : Ⅱ : Ⅲ : Ⅳは、45% : 5% : 15% : 35%であり、意外とステージ Ⅰの人が多いなぁと感じました。健康診断などで早期発見ができたのでしょうか。

ちなみに、国立がん研究センター中央病院では、約800人の登録数で、ステージの比率は、
60% : 9% : 11% : 20%と、ステージⅠの人がかなり多いです。やはり手術となるとがんセンターなど実績が多いところに集まるのでしょうね。

一方、薬物療法は通院頻度が高いので近くの病院の方が良いですね。高齢者になると他にも病気があるでしょうから、がん専門病院よりも大学/総合病院を選んでいるかもしれません。都会と地方とでは状況が違うかもしれませんけど。

大学病院に白い巨塔のような実態があるかどうかとか、がんセンターの生存率向上へのコミットメントがあるかどうかまでは窺い知ることはできません。

ちなみに、がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計は、こちらから。2009-2010年5年生存率となっています。

イレッサ(ゲフィチニブ)の添付文書が改訂され、
EGFR遺伝子変異陽性に適応されるようになったのが2011年11月25日ですから、ステージⅣの生存率が延びるのはもう少し後かもしれません。

ただし、単純に生存率を比較して、その施設の治療成績の良し悪しを論ずることはできません。