金曜日の午後1時半から、2ヶ月に一度の産業医面談がありました。
血液検査の結果を参照しながら、この2ヶ月の治療経過を報告しました。点滴による抗がん剤治療において、アリムタ、及びドセタキセル+ラムシルマブ共に、原発巣への効果は得られず、おまけに風邪をこじらせ先週までは出歩くのが困難なヘロヘロ状態にまでなりました。ところが、火曜日から分子標的薬のジオトリフを服用し、急速に回復し久しぶりに都内に出勤できたことを伝えました。
先生からは、2ヶ月前と変わり無く元気そうに見えますよ、とのことで少し安心しました。
時間があったので、午前中の健康診断の話題から会社での健康管理について、病人として感じることを老婆心ながら産業医の先生に述べさせてもらいました。
ご多分に漏れず、私の勤めている会社でも健康経営の一貫として健康推進活動が強化されています。喫煙所の廃止・外出時も含めて就業時間中の禁煙、運動指導などの健康啓発イベント、健康診断結果の分析・保険指導による生活習慣の改善、生活習慣病健診・がん検診などによる病気の早期発見・早期治療など。会社が社員の健康のために投資することで、労働生産性を高めようとしていることは良い流れだと思います。
一方で気になる兆候もあります。以前は加齢が原因として成人病と言っていたものが、若い頃からの悪い生活習慣の蓄積が病気に関連することから生活習慣病と呼ばれるようになり、食生活や運動習慣を見直して健康づくりに取り組むのが国民の義務のように言われるようになりました。そんな中、自堕落な生活を送った末に不健康になったのだから、そのような人の医療費は自己責任で全額自己負担にすべき、という極端な意見も出てきました。タバコを吸って肺がんになったのは自業自得であって、オプジーボのような超高額治療薬を使うのはいかがなものかというお医者さんもいます。
本来、生活習慣病の発症は、両親から引き継いだ遺伝的な要因と生活習慣に代表される環境の要因の両方が関与しており、各生活習慣病のなり易さにも遺伝的な要因が 35%,生活習慣の要因が65%の割合で、互いに複雑に関与しているとされています。にもかかわらず、生活習慣の悪さが全てのような印象を与えてしまっています。
ここでは多くを語りませんが、決して健康推進活動に水を差すつもりはありません。ただ、健康に注意している人が病気になる場合もあるので、病人=自堕落な人とみなして、会社でお荷物扱い(生産性のない人)され、居場所を失うことはあってはならないと願います。優性思想のような考え方に陥ること無く、寛容な社会であって欲しいと思うのです。