昨日のブログで、ももさんから生存率についてコメントをいただきました。ちょうど、その内容に答える記事が掲載されました。

1995年1月1日から2017年3月1日まで、公益財団法人がん研究会において病期IV期の非小細胞肺癌の患者さんの生存期間(OS)を期間別に解析した結果が紹介されています。がん研のデータですから、最高レベルでしょうね。

ピリオドA:1995~1999年     9.0カ月
ピリオドB:2000~2004年   11.0カ月
ピリオドC:2005~2009年   13.7カ月
ピリオドD:2010~2014年   17.9カ月
ピリオドE:2015~2017年       未到達

過去20年で大幅に改善されています。

一方、ドライバー遺伝子変異を持つ患者さんについて解析したところ、この十数年にチロシンキナーゼ阻害薬がどんどん登場しているにもかかわらず、それによるOSの恩恵は認められないという結果とのこと。チロシンキナーゼ阻害薬は無増悪生存期間(PFS)を伸ばし生活の質を保つことができるという側面がありますので、単純にOSだけで議論できるものではないのですけどね。

第三世代の細胞障害性抗がん剤、血管新生阻害薬、画像診断技術、放射線治療や免疫治療、それらを組み合わせた集学的治療などの総合力でOSの底上げがなされたのでしょう。先人たちへの感謝とともに、今後の進展に少しでも役立てられたらと思います。

残念ながら、小細胞肺癌については、実臨床におけるOSは12ヶ月程度から延長していないそうです。今後は免疫チェックポイント阻害薬の併用が期待されているそうです。

今日のお昼の「徹子の部屋」に勝野洋さんとキャシー中島さんがゲスト出演されていました。
長女の七奈美さんは肺がんのために2009年に29歳の若さで亡くなり、昨日は10年目の命日だったそうです。
結婚して数ヶ月で小細胞がんが発覚し、前向きに治療を受けるものの、わずか4か月後に息を引き取ったそうです。
あきらめずに治療に挑戦し、『治らなくても、がんに負けなければいいんだ』と言っていたそうです。頭が下がります。

生存率は統計的なデータであり、中央値より短い人が半分、長い人が半分もいて、個々の患者さんの状況までは見て取れることはありません。でも、長くても短くても、生き方というか、生きざまは恥じることのないよう諦めないで治療していきたいものです。