別途、治療経緯をまとめる機会があったので、こちらにも掲載しておきましょう。


2018年2月

 喉の痛みや咳が一ヶ月続いていたので自宅の近くの耳鼻咽喉科の病院で診てもらったところ「咳喘息」の疑いで薬を処方された。しかし、症状は全く改善されなかった。

2018年3月

 2週間後、隣駅近くの呼吸器内科を掲げた病院で診てもらったところ、やはり「咳喘息」の話が出たが、詳しく診て欲しいとお願いしたところ、胸に聴診器をあてて異変に気付かれ、レントゲン撮影。その結果、左肺の下半分が真っ白になっていた。

急遽、市立病院への紹介状を準備し、外来予約を入れてもらった。

 市立病院では、胸部CT検査で胸水が溜まっていることが判明したので、胸水穿刺細胞診を受けた。

 一週間後、胸水から癌細胞が見つかり腺癌の確定診断を受けた。腫瘍の組織を採取し、さらに詳しい検査をしてから、治療方針を決めることになるとのこと。ここから先は大学病院で実施するので、検査結果と紹介状を持って、家の近くの大学病院へ向かった。

 早速入院して、胸腔鏡検査を受けることに。転移している胸膜播種から腫瘍の組織を採取して、遺伝子検査にて癌の性質を詳しく調べることになった。同時に、胸腔ドレナージで胸水を1.5ℓ排出した。一週間の入院を要した。

 一度退院して、がんの全身への転移状況を調べるために、PET/CT検査と脳の造影MRI検査を画像検査専門クリニックで受診した。

 以上の検査結果が出た頃の一週間後に、再入院し治療方針の説明を受けた。

 診断は【原発性肺腺癌】で胸膜播種(左胸水)、骨、リンパ節、脳転移有りで、病期は【ステージⅣB期】。

 EGFR遺伝子変異が陽性(Exon19 欠失)だったおかげで、上皮成長因子受容体-チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)のうち第2世代の分子標的薬であるジオトリフ(アファチニブ)を一日一錠、毎朝空腹時に飲むことで治療開始。

 骨転移有りのため、骨病変治療薬のランマーク(デノスマブ)皮下注射を月一回打つことになった。

 その結果、ジオトリフが奏功し、腫瘍は劇的に縮小した。毎日、皮疹などの副作用管理に時間を要した。

2018年10月

 腫瘍マーカーの値が増加に転じた。半年ぶりに検査したPET/CT検査と脳の造影MRI検査から、新規脳転移と食道傍リンパ節転移で増悪した。耐性遺伝子変異T790Mを検出するリキッドバイオプシーを受けたが陰性だったため、第3世代EGFR-TKIの タグリッソ(オシメルチニブ)は適応外となった。

 脳転移(7ヶ所)は他の病院でガンマナイフ(定位放射線治療)を受けた。

 髄液移行性が良好とされる第1世代EGFR-TKIのタルセバ(エルロチニブ)と、脳の放射線治療による脳放射線壊死や浮腫の症状改善も期待できるアバスチンで治療を継続した。

2018年12月

 脳転移は消失し、コントロールされていた。一方、食道傍リンパ節転移と原発巣が増悪した。経食道的超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診・生検のため入院した。耐性遺伝子変異を検出するための再生検を実施した。

 リンパ節腫大により食道が圧迫されて狭窄し、食事や水が喉を通らなくなり、急遽胃ろう造設術を受けた。

 結局、耐性遺伝子変異は陰性。その結果、タグリッソ(オシメルチニブ)は適応外となった。そこで、保険適応が承認されたばかりの免疫チェックポイント阻害薬を用いたカルボプラチン、パクリタキセル、アバスチン、テセントリク(アテゾリズマブ)の4剤併用療法を受けることになった。

2019年1月

 抗がん剤が奏功し、食道狭窄が解消され普通に食事がとれるまで回復した。

2019年3月

 ところが、原発巣の増大とその脇に新規病変が出現し増悪した。

2019年4月

 PET/CT検査と脳の造影MRI検査から、原発巣周辺のみで増悪していることが確認された。

 気管支鏡検査で再生検したものの、再び耐性遺伝子変異は陰性のままで、タグリッソ(オシメルチニブ)は適応外。そこで、新たな抗がん剤として、アリムタ(ペメトレキセド)単剤療法を受けることに。

2019年6月

 ところが、アリムタは全く効果が得られず、腫瘍マーカー急増、原発巣も新規病変も急激に増大した。

 現在は、ドセタキセル、ラムシルマブ(サイラムザ)療法を開始し、治療を継続中。


現在の体調は、点滴後3週間ですから抗がん剤の副作用が抜け、だいぶ楽になったものの、37℃前後の微熱が続き、からだがだるいですね。駅の階段の登リ降りで息切れしてしまうことや、鼻の奥、喉、口、食道に粘液がへばりついて気分が悪いのと、咳を誘発すること、足の爪先が浮腫むと末梢神経障害の痺れや痛みが酷くなることが気になる症状です。


吐き気やムカムカが治まり良く食べられるのですが、運動量が減っているので体重がさらに増加しています。浮腫みのせいもあるかもしれません。味覚障害はありますが酷くはなっていません。鼻血が出ないのは楽ですね。というか、ドロッとした血の塊が鼻や喉から出てくるのを見るのは精神的にダメージを受けますから。脱毛もまだ始まっていません。


脇腹のひきつり感も治まった気がします。特に痛みが強いところもありません。安静にしているぶんには特にかわりがないけど、動くと息切れがでるので活動が制限されてしまいます。


微熱が腫瘍熱だとしたら、薬の効き目は今一歩なのかもしれませんが、胸水が溜まるとか極端に悪くなっている感じでもないので、これからの挽回に期待したいところです。


明後日が点滴予定日なので、今の治療が継続できることを願いましょう。