昨年末に、がん情報サイト「オンコロ」にて募集を行い、インターネットによりアンケート調査した「非小細胞肺がん患者さんにおける治療選択に関する意識調査」の結果が公開されました。

第二世代EGFR-TKI 「ジオトリフ」の販売会社の日本ベーリンガーインゲルハイムが実施しています。今やEGFR遺伝子変異陽性の患者さんのファーストラインの選択肢は第三世代の「タグリッソ」(アストラゼネカ社)一択になろうかという時に、タグリッソに耐性が出来たときのセカンドラインの説明など、治療の全体像が示されていないことを、浮き彫りにしています。

ジオトリフから始めて、再生検で耐性遺伝子変異T790Mが検出されるとタグリッソが適応でき、長期生存に繋がりますよ、というようなちょっと恣意的な感じがしないでもありません(個人の感想です。患者のブログを参考にする人が36%と多いことから不確かなことは書けませんね)。ファーストラインタグリッソの全生存期間のデータが揃うまで、まだ数年かかるでしょうから、なかなかデータに基づいた議論はできないのでしょうけど。

とは言うものの、医師の説明に対する満足度や再生検の重要性など、回答者の治療に対する意識の高さが伺える調査結果になっています。

そんな中、私が興味を示したのは回答者の属性です。インターネットによるアンケート調査ですから、40才代と50才代の比率が高いのは予想されました。女性が56.8%と多めなのもうなづけます。遺伝子変異はEGFRが54.7%であり実際の患者数の比率と同程度ですが、ALKは25.2%と際立って高いですね(患者数の比率は5%くらい)。

アンケート調査ですから存命なのはもちろんのこと、活動的であることの証でしょう。アレセンサ治療が奏効しているという凄さが感じられます。

ステージ4は72.7%ですが、なんと、手術を行った人は81.6%です(n数がおかしいけど)。

術後再発が遠隔転移でステージ4だけど治療が順調に推移しているのでしょうね。

アメブロのブロガーさんの属性と重なるところがあるなぁ、という印象でした。

以前主治医の先生に、ステージ4でも原発巣を抱えた人と術後再発の人とで、化学治療の奏効期間などに違いがあるのでしょうかと質問したところ、やはり術後再発の方が全身の腫瘍量が少ないから効果が高い傾向にあるのではないかとのこと。呼吸器内科よりも呼吸器外科の先生の方が薬の処方が上手い訳ではありませんよ、と談笑したことがあります。統計データがあれば見たいものですね。

私もチャンスがあれば、手術や放射線でラスボスの原発巣を叩きたいところです。リスクはありますが。

もちろん個々の患者さんを見ると、原発巣を抱えながら、抗がん剤に耐性ができても、粘り強く新たな治療法に繰り返し挑戦したり、以前の薬をリチャレンジしたりして繋いでいる人もいるのですから、頑張らなきゃいけませんね。

患者自身がブログを書いたりして意識を高めることが治療効果に繋がるとしたら、というような勝手な仮説を立てて、これからもブログを続けて行きましょう。

明日は2回目のアリムタ点滴の予定です。土日から少し風邪っぽい感じと、ベランダの片づけやオフィスの引っ越し(3階から8階へ)があったので筋肉痛だったりしますが、今朝前日のデカドロンを飲んだらシャキッとしました。無事、治療が出来ることを願いましょう。