明日から新しい治療法が始まります。アリムタ単剤の点滴です。アリムタ(ペメトレキセド)は葉酸代謝拮抗薬に分類され、DNA合成に必要な葉酸代謝酵素を阻害し細胞増殖を抑えることで抗腫瘍効果をあらわす薬です。

これまでの経過から、不均質であるヘテロながん細胞集団を根絶するためには、縮小しやすい増殖速度の速い細胞集団のみでなく、緩徐に増殖するがん細胞集団も根絶する必要があります。そこで、4剤併用療法で増殖速度が速く食道を圧迫して塞いだリンパ節転移をやっつけたので、次は薬剤を遂次的に変更し、緩徐に増殖するがん細胞を根絶するという、sequential chemotherapy(逐次化学療法)で対処したいところです。アリムタの後は再びドライバー遺伝子変異起因の腫瘍を叩くためにジオトリフなどのEGFR-TKIを用いて腫瘍に畳み掛けたいと思います。

アリムタ点滴の一週間前からメチコバール筋肉注射とパンビタンを内服し、葉酸とビタミンB12を投与することでアリムタによる重篤な副作用(骨髄抑制など)を軽減しようと準備してきました。

1日前の今朝は、さらにデカドロン錠4mgを2錠飲みました。明日は点滴で、明後日は再び錠剤を服用し、発疹や吐き気の副作用を抑えます。この薬は合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)です。抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用のほか、広範囲にわたる作用があります。

短期間の使用といえども強力な薬なので注意しましょう。

このところ、痰がからんで咳が出ていたのですが、今朝デカドロンを飲んだら午後からずいぶん楽になりました。さすがステロイド。

前回の抗がん剤点滴の時も吐き気止めで使ったところ、胃ろうの部分が寝返りのときに針で刺されるように結構痛んでいたのに、すっかり良くなったという思わぬ効果がありました。

本命は抗がん剤による腫瘍の縮小ですが、副作用を抑える薬が、他の部位の不都合な部分を直してくれるのは嬉しいですね。といっても、免疫抑制は困りますけど。

副作用に多毛というのがあります。ジオトリフを服用していたとき、発疹対策で外用ステロイドのロコイド(リンデロン)軟膏を顔に塗っていたら、頬の産毛が黒い毛に変わったことがありました。デカドロンはどうでしょうか。ちょっと、眉とまつ毛の発毛をアシストしてくれるといいのですけどてへぺろ