免疫チェックポイント阻害薬のテセントリクに、アバスチン、カルボプラチン、パクリタキセルを加えた4剤併用の導入療法4サイクルの点滴から2週間経過し、CT画像での効果判定がありました。

食道傍リンパ節転移には良く効いて、食道狭窄は解消されていることが画像上でも確認されました。

一方、腫瘍マーカーが増加に転じ、懸念されていた原発巣は増悪していました。

腫瘍マーカー
           11/21       1/21        2/12        3/12
SLX      34.9        36.3       39.4H     38.7H
CEA   101.0H     80.1H    54.8H     58.4H



左下が去年の12月、左上が今年の1月、右上が今日のCT画像です。真ん中にあるのが心臓、その下の小さな丸が大動脈で、その右にあるのが原発巣です。

転移巣には抗がん剤が効いていて、腫瘍マーカーの値が改善された一方で、残念ながら原発巣には効かず増悪しているのでしょう。免疫効果が出るまでもう少し時間が必要かもしれませんけど。

腫瘍のヘテロ不均一性のため、ある場所にはこの抗がん剤が効くけれど、別の場所の顔つきの異なる腫瘍には効かないことが生じています。

これまでの治療において、ジオトリフやランマークで骨転移やリンパ節転移、原発巣近くの腫瘍が消滅し、ガンマナイフで脳転移の病変を治療し、ジオトリフが効かなかった食道傍リンパ節転移は今回の治療で消滅しました。まさにもぐらたたきですね。

残すは手強いラスボスの原発巣との戦いです。
主治医の先生と相談した結果、治療法の候補は以下の通りです。

治療法1; 違うタイプの抗がん剤
アリムタ単剤
ドセタキセル+サイラムザ(ラムシルマブ)など
免疫チェックポイント阻害薬の影響はしばらく残っているので相乗効果も期待できる。

治療法2; EGFR-TKI
再生検でT790Mが検出されればタグリッソ、
陰性であればジオトリフのリチャレンジ。
原発巣はEGFR遺伝子変異由来の可能性が高い。
ただし、免疫チェックポイント阻害薬の直後では間質性肺疾患が懸念されるので、治療法1などで時間をおいてから。

治療法3; サイバーナイフ
転移巣がほぼ消滅しているのであれば、
ステージ4でも少数転移(オリゴメタスタシス)に対する根治的(完治をめざす)放射線治療。あるいは、アブスコパル効果(放射線が局所では腫瘍を縮小させる一方で全身では免疫応答を誘導する)を期待した免疫放射線療法(免疫チェックポイント阻害薬と放射線療法の併用)。

ということで、来週はこれらの準備のため検査を受けることになりました。

水曜日に、画像診断専門病院でPET/CTとMRI検査
で、全身の転移状態を確認します。
木曜日から2泊3日で入院して気管支鏡検査による生検で遺伝子変異を確認します。

主治医の先生は、免疫放射線療法をやりたがっているようですが、はたして条件がそろうでしょうか。


今日の血液検査の結果は以下の通り
                 基準値                        (3/26)
白血球数  4~9 10^3/ul                  2.3L         
ヘモグロビン  14~17 g/dl                    9.0L
血小板数 157~382 10^3/ul           71L
アルブミン      3.9~4.9 g/dl                   4.1
クレアチニン      0.61~1.04 mg/dl        1.07H
CRP           0.3未満  mg/dl              0.60H

今日は、土日に比べて大分体調が回復したかなと思っていたのですが、血球は相当低レベルでした。土日は危険水準だったかも。おとなしくしていて良かった。まずは、来週までに血小板の値を回復しないと気管支鏡検査を受けられません。静養と栄養補給に努めましょう。