患者の病状や価値観は人それぞれなので、治療法の選択に関しては、主治医と患者が話し合い、個々の患者毎に最適と考えられたもので治療を進めて行くとの意思決定がなされます。場合によってはセカンド・オピニオンを活用しながら。その決定は尊重されるべきものであって、他人がどうのこうの言うものではないと思います。ましてや、他人と比べるものでもないでしょう。

とは言うものの、他の人はどんな選択をしたのか気になるものです。

という記事が掲載されています。

タグリッソ(オシメルチニブ)の初回投与を受けた患者で、病勢進行ののちに化学療法を受けた人は56%、他のEGFR阻害薬に切り替えた人は35%、とのことです。

アリムタ(ペメトレキセド)を軸としたプラチナ併用化学療法は、従来の化学療法に比べてずいぶん楽になったと言われてます。ところが、有効性が定かでないにもかかわらず他のEGFR阻害薬に固執する人が、全体の1/3にも上るのです。

タグリッソ(オシメルチニブ)耐性化機序は多岐にわたり、新規の治療開発は端緒についている(MET増幅による病勢進行後のオシメルチニブ+Savolitinib併用療法など)ものの、実地臨床で使えるようになるまでにはまだまだ時間がかかりそう、とのことです。

EGFR阻害薬使用後に病勢進行を迎えた患者さんには、勇気をもって、前を向いて、化学療法にも取り組んでほしいとされています。

一方、
科学的根拠に基づいた医療とは、「科学的根拠」「臨床現場の状況・環境」「医療者の技術・経験を含む専門性」「患者の意向・行動(価値観)」の4要素を考慮し、より良い患者ケアに向けた意思決定を行うための行動指針』と定義されています。

「非常に高い効果があるが、副作用も強い治療法」と「まずまずの効果があり副作用は出にくい治療法」があった場合、治療効果を優先するのか、副作用を優先するのかは個人個人によって異なってくるのは当然のことだと思います。

しかも、これに代替療法の是非が加わると、ますます複雑になってしまいます。

それぞれの患者さんに合った治療法が見つかることを願わずにはいられません。
春のイメージと言えば、菜の花にモンシロチョウ。ピッタリ合っていますね。帰り道でのひとコマです。