日経メディカルに、増える肺癌1次治療における免疫チェックポイント阻害薬の選択肢というレビュー記事が掲載されました。
昨年12月に、肺癌の1次治療に新たな選択肢として、キイトルーダやテセントリクに化学療法を併用する治療が可能になったことを受けての解説記事です。
1次治療において免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用が可能になったことの意義は、
・早期の増悪を細胞障害性抗癌剤で防ぐことができる
・Key Drugである両剤をしっかりと患者さんに届けられる
・PD-L1の発現にかかわらずに使える
と、されています。
詳細は記事を参照ください。
併用療法において、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)とテセントリク(アテゾリズマブ)のどちらを選ぶかは、純粋に併用する薬による、すなわちプラチナ+アリムタ(ペメトレキセド)か、カルボプラチン+パクリタキセル+アバスチン(ベバシズマブ)の違いとされています。
しかし、私の理解とは異なる部分もあるので意見を述べておきます(EGFR-TKI耐性患者の素人のひいきめですのでご参考まで。興味のある方はどうぞ)。
キイトルーダの併用療法は、EGFR遺伝子変異陽性、ALK融合遺伝子陽性の患者は除外されているのに対し、テセントリクの併用療法では1割程度の患者が組み込まれていた、という違いがあります。
ただし、免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ、キイトルーダ、テセントリク)の単剤療法では、ことごとくドライバー遺伝子変異陽性患者での有効性を示すことが出来ませんでした。例えばテセントリクのOAK試験での部分集団解析ではハザード比が1以上となり、優位性が示されていません。
ところが、二次的および探索的分析の結果、EGFR変異またはALK転座を有する患者(Patients with EGFR or ALK genetic alternations)の無増悪生存期間は、野生形(WT)と遜色ない優位性が示されたという画期的なものです。
ESMO Asia2018でも報告されています。
現在、オプジーボのCheckMate722試験、キイトルーダのKEYNOTE-789試験で、EGFR遺伝子変異陽性の転移を有するNSCLCの患者を対象に、化学療法との併用療法が調べられていますので結果が期待されます。
記事の中で、テセントリク(アテゾリズマブ)については、厚生労働省の最適使用推進ガイドラインでは、投与対象となる患者として、他の抗悪性腫瘍剤との併用は「カルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用投与:化学療法歴のない扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(ただし、EGFR遺伝子変異又はALK融合遺伝子陽性の患者は除く)患者」と記載されました、とありますが、正確には、投与対象となる患者のうち有効性が示されているとされている患者です。一方、本剤の有効性が確立されておらず、本剤の投与対象とならない患者には含まれていないので、含みがあると言えばそうなのですが、不明瞭な記載となっています。上記意見したように誤認と思われるのですが、どうなんでしょう。
ちなみにテセントリクの添付文書には、 EGFR遺伝子変異又はALK融合遺伝子陽性の患者は除く、というような記載はありません。
厚生労働省の最適使用推進ガイドラインの内容を踏まえて保険適用上の留意事項が出されますので、その根本が誤っていては問題です。主治医の裁量を制限してはいけませんし、都道府県毎に解釈が異なってはいけません。誤りであれば早急に修正されて欲しいものです。
私は既に併用療法で治療してますので、支払基金で査定されるのは心外ですからね
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