中外製薬から待望のニュースリリースが発表されました。
抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体テセントリク(アテゾリズマブ)に関し、本日、「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加について厚生労働省より承認を取得したことをお知らせいたします。今回の承認は、国際共同第III相臨床試験(IMpower150試験)の成績に基づいています。

第III相臨床試験「IMpower150試験」において、テセントリク®とアバスチン®、カルボプラチン、パクリタキセルの併用は、アバスチンとカルボプラチン、パクリタキセルの併用に比べ進行肺癌の患者さんの生存期間の延長を示す(2018年5月18日発表プレスリリース)。

EGFR/ALK陽性患者には免疫チェックポイント阻害薬の効果が得られにくいと言われるなか、少ないデータではあるものの3剤に比べて4剤併用でOSのハザード比が0.54(0.29, 1.03)と良好な成績を示した臨床試験がいよいよ使えるようになります。

米国のようにEGFR/ALK陽性患者が除外されてはいないようです。今後の解説記事で詳細が明らかになると思いますが、もしも今検査しているT790M遺伝子変異が陰性の場合、この療法をチャレンジすることになるかもしれません。来週の入院で主治医の先生から話があるものと期待しましょう。


添付文章の変更は、以下の通り(一部抜粋)
用法・用量:
化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合
カルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。