2018年11月29日(木) ~ 12月1日(土) 、新宿の京王プラザホテルで第59回日本肺癌学会学術集会が開催されています。患者・家族向けプログラムにたくさんの方が参加されていらっしゃることでしょう。私も参加したかったのですが、平日は会社があるので難しかったですね。

来年の開催は、2019年12月6日(金) ~12月8日(日)、グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)とのことですから、元気に過ごせていたら旅行も兼ねて行ってみたいな。

 

さて、日本肺癌学会が作成した肺癌診療ガイドライン 2018年版が公開されました。

ガイドラインの作られ方については、今年のジャパンキャンサーフォーラムで勉強しました。ワンステップ共催の「日々進化し、激変するエビデンスの中で、肺がんの治療はどう作られるのか」のセッションで、内容の理解と模擬会議をしたのでした。

 

ガイドラインでは、GRADEアプローチが採用されており、クリニカルクエスチョン(CQ)毎にシステマティックレビュー(SR)を行い、これらに対するエビデンスの強さと推奨度が評価され策定されています。

 

免疫療法や分子標的治療分野の急速な進歩が反映されて改定が進んでいます。

 

私に関係するところでは、

7—1—2.EGFR遺伝子変異陽性(非扁平上皮癌)
■EGFR遺伝子変異陽性の一次治療:エクソン19欠失またはL858R変異陽性
CQ51.PS0-1の場合,一次治療としてどの治療法が勧められるか?

【変更前】(2017年版)
EGFR-TKI(ゲフィチニブ,エルロチニブ,アファチニブのいずれか)を行うよう推奨する。(1A)
【変更後】(2018年版)
a. オシメルチニブを行うよう推奨する。〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:B〕
b. ダコミチニブを行うよう提案する。〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:B〕
c. ゲフィチニブ,エルロチニブ,アファチニブを行うよう提案する。〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:A〕
d. エルロチニブ+ベバシズマブを行うよう提案する。〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:B〕
e. ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセドを行うよう提案する〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:B〕

 

選択肢が一気に増えましたが、やはりタグリッソ(オシメルチニブ)は、エビデンスの強さ:Bながらも推奨の強さ:1になりました。

 

私は、c.のジオトリフ(アファチニブ)からd. のタルセバ(エルロチニブ)+アバスチン(ベバシズマブ)に横滑りです。

 

CQ55.一次治療EGFR-TKI耐性または増悪後のT790M変異陽性例に対する最適な二次治療は何か?では、

一次治療EGFR-TKI耐性または増悪後のT790M変異陽性例に対するオシメルチニブによる治療を行うよう推奨する。〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:B〕

 

T790M変異陽性ということが必要なんですよね。せめて脳転移がある人にはタグリッソ(オシメルチニブ)を試させて欲しいなぁ。

 

この他にも、■ALK遺伝子転座陽性の二次治療以降では、c .ロルラチニブによる治療を行うよう提案する。〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C〕が加わっていたりします。

 

「治療方針は個々の患者に応じて、医療者と患者の話し合いで決定されるものである。本ガイドラインが医療を強制したり医療者の裁量権を制限したりするものではない」、と使用上の注意で指摘されているとおり、治療は主治医の先生と良く話し合って進めて行かなければいけませんので、このガイドラインは、現在の標準治療がどういうものか、基本を押さえておくのに重要です。