今日の肺癌勉強会のテーマはABC-studyです。EGFR陽性非小細胞肺癌におけるEGFR-TKI使用での獲得耐性後のアファチニブ+ベバシズマブ療法  Afatinib(ジオトリフ) plus Bevacizumab(アバスチン) Combination ということでABC-studyです。

昨年のASCO2017で発表があったものが論文として公表されたのでしょう。

 

本研究の目的はEGFR-TKI耐性獲得後のアファチニブ(ジオトリフ)+ベバシズマブ(アバスチン)併用療法の臨床的な効果と安全性の評価です(フェーズ2試験)。

 

EGFRチロシンキナーゼ阻害薬の獲得耐性後に、幸い「T790M」変異が何らかの形で検出されれば治療選択肢が増えて効果も期待できる「オシメルチニブ(タグリッソ)」が使用できるので患者さんも医療者もHAPPYなのですが、そうでない場合には。。。

 

本研究にEGFR-TKI獲得耐性後の患者32人が登録され、部分奏効が6人、病勢安定が23人で、奏効率は18.8%、病勢制御率は90.7%、無増悪生存期間PFSの中央値は6.3カ月という結果等から、T790M変異陰性患者におけるサルベージ治療(救済療法)の選択肢になりうるとしています。

 

アバスチンを上乗せするEGFR‑TKI のリチャレンジは、劇的に腫瘍が小さくなるわけではないけれど、数か月間病勢安定が得られるというものなのでしょう。私の場合はタルセバ+アバスチンで脳転移の病勢安定を狙ったものです。

 

一方で、アバスチンの副作用である高血圧や蛋白尿が全生存期間に影響を及ぼさないか心配です。

 

この治療をしているうちにT790M変異が陽性化してくれると有り難いんですけどね。